バイク運転の基本「ニーグリップ」のやり方と効果までを徹底解説!
公開日:2023.10.06 / 最終更新日:2023.10.06
教習所で二輪免許の実技教習を受けたとき、ニーグリップの重要性を教わったことを覚えていますか?
初めてバイクを運転するとき、何度も注意された方もいるのではないのでしょうか。
ニーグリップはバイクを運転する上で基本となる操作。
白バイに乗っているおまわりさんも走っているときはしっかりニーグリップしています。
膝でタンクを挟むだけという簡単なことでいったいどんな効果があるのか、詳しく説明していくことにしましょう。
ニーグリップとは
ニーとは膝のこと。つまりニーグリップとは膝や太ももを中心とした内股全体で燃料タンクなどを挟むことです。
ライディングでは「肩の力を抜く」と良く言われます。上半身の力を程よく抜いてハンドルに余計な力を入れないようにするためには、下半身でバイクをホールドする必要があるということはお分かりでしょう。
ニーグリップで体をホールドできれば加減速時にかかる力をある程度下半身で受け止めることができるので、ツーリング時の疲労も軽減します。
バイク免許を取り立ての方や久しぶりにバイクに乗る方は、安全運転を行うためにもニーグリップを意識する事が大事なのです。
ニーグリップのやり方
ニーグリップのやり方は簡単です。写真のようにタンクを挟むだけ。
それではどれくらいの力を入れれば良いのでしょう?
自分の下半身とバイクが一体になるような感じをイメージすることが重要です。
目的はタンクを挟むことではなく下半身をホールドすること。
そのため必要以上にタンクを締め付ける必要はありません。
そんなことをしていたら逆に足が疲れてしまいます。
疲れずに下半身が安定する力の入れ具合を探ってみてください。
上手なライダーの中には必要なときだけ力を入れるなど、ニーグリップの力を調整するなどしている人もいます。
カブやスクーターのように膝でタンクが挟めないバイクの場合は、クルブシでバイクを挟むようにするのがコツ(構造上できないスクーターもあります)。
これで似たような効果を得ることができます。
ニーグリップによって得られるメリット
ニーグリップをすることで様々な効果が得られるようになります。
バイクが本来持っている操縦安定性を引き出すだけでなく、長時間走行では疲れ方にも影響してきます。
車体が安定しやすくなる
バイクにはセルフステアという作用があり、傾くと自然にハンドルが切れてバランスしようとします。
ハンドルをガッチリ押さえつけてしまうようなガチガチのライディングフォームになっていると、このセルフステアの邪魔をしてしまいます。
ニーグリップをしてハンドルから力を抜けば、肩から力が抜けてセルフステアを活かすことができるようになります。
また下半身が安定すれば、ハンドル操作や体重移動もやりやすくなるはずです。
腰を左右にずらすような体重移動をする場合は、外側の太ももでタンクをおさえるようになります。
内側の足を開くとニーグリップはできなくなりますが、代わりにクルブシや足の裏でバイクをおさえるようにすることができます。
カブやスクーターなどの場合、クルブシでバイクをホールドできると先にお伝えしました。
こうすることでコーナーリングやオフロードを走る時のホールド性は向上します。
加減速で体を支えることはできないのでは? と思われるかもしれません。
確かにタンクを膝ではさめるバイクほどの効果はありませんが、それでもやるとやらないとでは大違い。
シートに座ったお尻とクルブシで加減速によって生じる力を、ある程度ささえることができるからです。
疲れにくくなる
上半身で体をささえているライダーは、緊張して腕がガチガチになってしまうくらい力が入っている場合がほとんどです。
こうなるとセルフステアも失われてしまうので、その分を自分で操作しなければいけなくなってしまいます。
加減速もハンドルに力を入れて耐えなければならないので、そうすると更に力が入って・・・・・という悪循環におちいってしまいます。
上半身に余計な力が入らなければこの悪循環から抜け出せるので、疲れがずいぶん緩和されることでしょう。
ツーリングに出かけると上半身が疲れるという方であれば、ニーグリップを意識することをおすすめします。
体重の分散
ニーグリップをすると力のかかり方を分散できるようになります。
例えばグリップを押したり引いたりする力が減るので手の痛みなどは少なくなるはず。
シートにドカッと座っていない状態になればお尻の痛みも多少は緩和されるでしょう。
今回の説明では触れていませんが、ニーグリップと共にステップに加える力を利用してバイクを安定させたり操作のキッカケを作るステップワークや体重移動という操作もあります。
ニーグリップとこれらの操作を組み合わせてバイクを操ることができるようになるとシートにかかる力も変化します。
シートの同じ位置に座りっぱなしになりませんし力のかかり方が減ったりするので、更にお尻の痛みも低減されるはずです。
ニーグリップをサポートするアイテム
旧車の中には、タンクをニーグリップしやすくするためにパットを装着しているバイクも多く見られました。
最近発売されたホンダのCL250のタンクパッドもニーグリップしやすくなっています。
また、ニーグリップをよりしやすくするためのパーツも数多く販売されています。
ニーグリップパッド
実はMotoGPで使われているワークスマシンの多くがニーグリップハッドを使っています。
MotoGPライダー達が、どれだけニーグリップを重要と考えているかが分かる事例です。
そして市販のストリートバイクでも同様のパーツを装着することができるのです。
摩擦が増えてニーグリップがしやすくなり、ニーグリップによるタンクの傷付きも防止することができるオススメのパーツ。
ニーグリップパッドには車種専用品と汎用品があるため、購入時には注意が必要です。
また、デザイン的にニーグリップしにくいバイクの場合は、ニーグリップしやすくするプレートなどが販売されていることもあります。
ニーグリップするとライディングのレベルが上がる
上手にニーグリップできるようになると、それだけでバイクを操るスキルが向上するということがお分かりいただけたかと思います。
上手に乗れるようになれば、バイクはドンドン楽しくなっていくはずです。
ぜひこれからはニーグリップを心がけて走ってみるようにしてみてください。