リニューアルしたホンダコレクションホール公開!あの製品もホンダが開発していた!ホンダの歴史を振り返ることができるホールの特徴とは?
公開日:2024.04.30 / 最終更新日:2024.04.30
バイクの未来に切り込んでいくコンテンツを発信する『バイク未来総研』。
今回は、「モビリティリゾートもてぎ」内にある「ホンダコレクションホール」が3カ月の改修期間を経て3月1日(金)より25年ぶりにリニューアルオープンしました。
前日に行われた事前内覧会の様子とあわせて、リニューアルのポイントや見どころをお送りします。
バイク未来総研とは
国内外のレースで輝かしい成績を挙げ、現在も多方面で活躍する宮城光氏を所長に迎え、バイクライフの楽しさやバイク王が持つバイクに関する独自データ分析などの情報発信に加え、ライダーやバイク業界がこれから描く「未来」に切り込んだコンテンツを順次発信します。
レーシングマシン中心の展示から時代ごとの”夢と挑戦の物語”の展示へ
リニューアル前まではHONDA創立50周年を記念して、HONDAの製品やレーシングマシンを中心にした展示を行っていたホンダコレクションホールは、リニューアル後は大きく変わった。
創業から現代、そして未来へ広がり続けるHONDAの紡いできた”夢と挑戦の物語”を通して不変のフィロソフィーの伝承をテーマとして、その時代が何を必要とし、HONDAがどのような製品をつくることで人々の暮らしがどう変わっていったのか、HONDAの製品と日本の歴史を体感できるホールへと生まれ変わった。
館内ではQRコードをスマホで読み取るとナンバリングされたコーナーごとの音声を再生する事で、当時の時代背景やHONDAの想い、挑戦と失敗のストーリーを雰囲気ある館内で楽しむ事ができ、まさにミュージアムの体を成している。
ホンダコレクションホールリニューアルプロジェクト責任者 朝日 嘉徳氏によると、この音声ガイドにはBGMの中に1時間に1回だけホンダの記憶に残るエンジンサウンドが流れていてそれもトリビアとして聴き取っていただけると面白いと思っていると語る。
リニューアルしたホンダコレクションホールは、1階から3階までが見学可能なエリアとなっている。1階は吹き抜けになったエントランスホールがあり、ここには大きくホンダジェットなどの展示がされている。
ここから南に向かうとライブラリー&デザインギャラリーやミュージアムショップや休憩スペースなどがあり、北には本田宗一郎氏と藤沢武夫氏の両創業者の想いと製品が展示されるエリアが楽しめる。
吹き抜けになった階段を登ると、2階渡り廊下には企画展示がされていた。
2階・3階の渡り廊下のスペースでは常設展示とは別に年3回ほど期間限定で公開されるようだ。
なお、2024年6月30日までは「CBヒストリー Part1」企画展が行われている。
CB450発売当時、ライバル車としてトライアンフD120が存在し、競合する歴史とともにマシンの発展に繋がった。当時の開発競争に想いを馳せることができる企画展だ。
この企画展から南北エリアが分けられており、2階から3階にかけて時代ごとに分けられており、合計4エリアを時系列に沿って楽しめるつくりとなっている。
2階南棟:創業〜1970年前後
「みんなを喜ばせたい」「技術力で世界に挑戦する」という想いから始まった情熱の時代」
2階南エリアでは、Hondaの創業期の夢と挑戦の物語の展示がされる。
浜松の小さな町工場で開発した自転車用補助エンジンから始まり、汎用事業開始、マン島TTレースへの出場、スーパーカブの発売、F1初参戦など、世界に羽ばたくHondaの幕開けの時代が紹介されている。
ドリームE型の前で語られる音声ガイダンスもとても興味深く、当時の箱根でのテスト走行でのエピソードが語られる。
当時、急勾配は難所であり、トラックなどは途中休み休み登るのが当たり前だった時代。
しかも箱根越えテストの日はあいにくの台風。そんな中、一気に峠道を駆け上がり、性能を証明したというもの。
こうしたエピソードがブースごとに音声で臨場感あふれる口調で語られるため、観覧者は情景一つひとつが思い浮かび、ノスタルジーを感じることができるのが南館だ。
2階北棟:2階北棟 -1970年前後~1985年前後-
創業時からの挑戦が花開き、本田宗一郎の想いを受け継ぐ新たな世代が躍動した時代
2階の北フロアでは、四輪市場への本格的な参入を果たし、F1に再び挑戦し勝利を重ねたHondaの時代を彩る製品・マシンを展示。
初代CIVICやCVCCエンジン、二輪のロードレース世界選手権やF1第2期に参戦したレーシングマシンなどが展示される。
1970年代以降はアイデアマンであり数々のヒット商品を産み出したひとりの天才、本田宗一郎の引退という時期を迎え、次世代が挑戦していく時代へと突入していく。
ガイドツアーを同行した朝日氏もその一人であり、本田宗一郎氏から直々に「人真似だけは絶対にするな、と叩き込まれた」と当時を振り返り笑った。
1970年代に開発されたカーナビ。これは戦車が常に走行しながら標的を捉え続けている事に疑問を抱き、車に応用できないかと試行錯誤を重ねたという。
この製品化への執念も本田宗一郎から受け継がれた資産といってもいいかもしれない。
3階南棟:-1985年前後~2000年前後-
「大事なことは、何をしたいかという、意志であり意欲だ」
1980年代の日本経済は空前の好景気に沸き、その好景気は90年代バブルの崩壊まで続いた。
そして、バブルの崩壊後に経済を立て直していくことになるが、その時代背景を垣間見ることができる。
高景気を背景にレースの世界にも進出するホンダ。レースの人気上昇とともにレーサーレプリカが人気を博した時代にこれらのマシンを通じ、想いを馳せることができる。
バイクが性能競争に向かう中、一方で走りを単純に楽しみたいという若者も多かった。
若者はホコ天などに集まる時代、真の若者のニーズは原宿にあると見るや、原宿の若者を徹底的に研究し、次々とそれまでにないデザイン性で、楽しめるバイクを世に送り出した。
3階北棟:2000代年前後〜現代・未来
「夢の力を信じること。そうすればいつかその夢は現実のものとなる。」
最後となるエリアではそれまでのエリアの雰囲気とは異なり、ロボットが出迎えてくれる。、まさに21世紀の未来を想像させるスタートだ。
飛行機をはじめとして、地震などの時に信号に電力を供給する発電機、衝突時の歩行者のダメージを測定する歩行者ダミーの開発など、安全や有事の際に寄与するプロダクトの開発を行い、時代に合った挑戦を続ける。
ホンダの21世紀の進化や新たな挑戦を楽しめるフロアだ。
MotoGPのマシン、RC213Vが一般公道を走る事ができるマシンとして2015年に登場したのがRC213V-S。
夢のMotoGPマシンが一般向けに発売されワクワクさせてくれたのは記憶に新しいところだ。
また、このフロアでは着座型ハンズフリーパーソナルモビリティ、「UNI-ONE」を体験できる。
座ったまま体重移動するだけで、まるで歩くかのように全方位へ自然に移動でき、両手も使える。
車いすでの移動を超えたモビリティは、今後超高齢化社会を迎える現代において、
未来を見据えたモビリティと言えるだろう。
ネックスピーカーのアナウンスによる音声ガイドツアーを聞きながら、有料だが中庭を走行体験できるイベントも実施している。
2階・3階デッキでは期間限定の企画展を開催
南と北棟の間にある2階と3階の渡り廊下では、年間3回「ガレージコレクション」と称し、常設展では展示しきれない製品を展示する企画展が開催されている。
2024年3月1日〜6月30日までは「CBヒストリー part1 スーパースポーツバイクの先駆車たち」を開催。
1階 常設展として創業者本田宗一郎・藤沢武夫の夢と挑戦の軌跡
ライブラリー・ミュージアムショップが並ぶ
1階北棟はホンダ創業者、本田宗一郎と藤沢武夫の夢と挑戦の軌跡をテーマとした常設展、ホンダのTシャツなどを揃えたミュージアムショップ、書籍を置くライブラリーを楽しめる。
大人もこどもも楽しめるホンダのミュージアム、ホンダコレクションホール!
リニューアルしたホンダコレクションホール。ホンダの歴史を音と目で楽しむことができるミュージアムで、車やバイクに詳しくなくても楽しめる内容となっている。
製品がつくられた背景を通して日本や世界の歴史を学ぶことができたり、体験型のブースなどもあるので、こどもも楽しめるに違いない。
モビリティリゾートには様々なアトラクションや施設があるが、ホンダコレクションホール単体でも十二分に楽しめるので、訪れてみてはいかがだろうか。
Honda Collection Hall 施設概要
公式HP:https://www.mr-motegi.jp/collection-hall/
住所:栃木県芳賀郡茂木町大字檜山 モビリティリゾートもてぎ内
営業時間:10:00-16:30(季節によって変動あり)
入場料:無料(別途モビリティリゾートもてぎへの入場料・駐車料必要)