手軽で小粋。
輝き続けるレトロモダン
デビュー以来、約25年にわたって、美しさと扱いやすさで支持されてきたロングセラーがエストレヤだ。
――1990年代に入ると、性能を重視したレーサーレプリカに代わり、シンプルながら味わい深いネイキッドが一大ブームを迎える。ゼファーで、その先陣を切ったカワサキは、1992年、250ccクラスにもクラシカルな「エストレヤ」を送り込む。ライダーに絶賛されたのは、懐かしくもモダンなデザイン。流線的な外装に、バフがけを施した249ccの空冷単気筒SOHC2バルブと各部のメッキパーツが見事な調和を見せている。スペイン語で「星」を意味する車名のとおり、輝きを放ち、存在感のあるモデルとして、多くの支持を受けた。
以降、ロングシートを装着したRSや、ドラムブレーキを採用したカスタムを追加しながら、熟成を重ねる。ついに2007年型でビッグチェンジを敢行し、キャブレターをFIに変更。足着き性を向上したロングシート、2ポットキャリパーのフロントディスクブレーキを装備したエストレヤの1車種に統一した。
走りは、とにかく乗りやすいのが美点。エンジンは、ロングストローク設定で急かされず、適度な鼓動感がある。特に街中で常用する低中速域が力強く、安定感も抜群だ。ビギナーや女性はもちろん、気軽にまったりした走りを楽しみたい人にぜひお勧めしたい。ファッションにこだわるライダーにとっても、最良の選択肢の一つとなるだろう。
型式、年式ごとの特長
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エストレヤ/RS/カスタム(~2006年)
空冷シングルをはじめ、ティアドロップ型タンク、スポークホイール、キャブトンマフラーなど1960年代頃のモデルを意識したデザインで1992年にリリース。特徴的な前後分割式の鞍型シートを装着したスタンダードのエストレヤに対し、1995年にはロングシートを装着したRSが登場。1996年には前後ドラムブレーキを採用したカスタムも加わり、一気にラインナップが充実した。1999年には排ガス規制に対応するため、二次空気導入装置や触媒が採用された。
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エストレヤ(2007年~)
全体のイメージはそのままに、フルモデルチェンジ。FIを新採用したほか、タコメーターを追加した2眼メーターなども新たに装備。バリエーションは、エストレヤのみに統合され、2007年モデル以降はフロントディスクブレーキ+ロングシートのみのラインナップとなる。さらに2014年型でビッグチェンジを行い、立体エンブレムをあしらった燃料タンクや、よりレトロなデザインのシートを採用。さらに低中速域のトルクを向上し、フレームやサスの設定を見直すことで、日常域の扱いやすさが一段と増している。
主要諸元
全長(mm) | 2,075 |
全幅(mm) | 755 |
全高(mm) | 1,030 |
シート高(mm) | 755 |
軸距(mm) | 1,400 |
車重(kg) | 160 |
エンジン | 空冷4スト単気筒 |
排気量(cc) | 249 |
最高出力 | 20ps/8,000rpm |
最大トルク | 2.0kg-m/6,500rpm |
タイヤ | F=90/90-18 R=110/90-17 |
※2007~2013モデル