今月のフィーチャーバイク

Z900RS

Z900RS

才色兼備、新時代のZ

Z900RS

ゼファー1100が2007年に生産終了して以降、カワサキ伝統のシリーズ「Z」のスタイルを継承するモデルが長らく待ち望まれていた。
次世代のZがベールを脱いだのは、2017年秋の東京モーターショー。ワールドプレミアとして「Z900RS」が世界初公開された。
コンセプトはズバリ「伝説のZ1をオマージュして創られたレトロスポーツZ」(公式リリースより)。丸眼ヘッドライトに砲弾メーター、ティアドロップ型の燃料タンクという時代を超越したスタイルはまさにZ1譲り。ベース車は全く異なるスタイルのZ900ながら、Z1のオーナーでもあるデザイナーによって、オリジナルの雰囲気が巧みに再現されている。一方で、フルLEDの灯火類、水冷直4ユニット、倒立フォーク&水平モノショックなどの現代的な装備をまとい、クラシカルさと新しさが同居した佇まいが特徴だ。また、2段階+オフが選べるトラコンやアシスト&スリッパークラッチといった走りの装備も万全である。

インプレを簡潔にまとめると、「軽快かつテイスティ」という言葉になる。最高出力111ps、車重215kgのスペックはなかなかにスポーティで、特に4000~7000pmの常用域におけるレスポンスが良好だ。往年の直4らしく、振動を伴いながらズアァァと吹け上がるサウンドも心地いい。ハンドリングはナチュラルで、安定感と軽快感を両立しているため、多くのライダーが扱いやすいはず。車体とシートがスリムのため、足着き性も悪くない。街乗りからツーリングまでオールマイティに楽しめる1台だ。
Z900RSは2017年12月の発売以来、大ヒットを飛ばし、2018年のベストセラーを記録。ビッグバイクのカテゴリーで久々の大ヒットモデルとなった。マフラーやフェンダーレスキットなどのアフターパーツも豊富で、カスタムのしがいも抜群。これからもZの血脈は走り続けていく。

  • Z900RS

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型式、年式ごとの特長

2018年モデル~

Z900RS
久々に登場した直4カワサキのクラシカルモデル。ベース車は、軽量な鋼管トレリスフレームに948ccの水冷直4を積むストリートファイターのZ900だが、見事に懐古的なフォルムを造り出している。そのスタイルは、「Timeless」「High Quality」「Functional Beauty」の3つがキーワード。時代を超えて価値を共有できるデザイン、材質・質感に対する徹底的なこだわり、機能美を追求して設計されている。
早くも完売した2018年型に続き、2018年7月に2019年型が発売開始。諸元に変更はなく、黒、オレンジ×茶の“火の玉カラー”の2色が継続設定される。
2018年3月には、ビキニカウル付きのZ900RS CAFE(カフェ)を追加。RSよりややグリップ位置の低いバーハンドルと、座面が20mm高いシートを採用しており、こちらも人気を博している。ライム、グレーの2色設定だったが、2019年モデルでは青、灰×ライムの新色が設定された。なおSTD、カフェともにETC2.0車載器を標準で搭載する。
全長(mm) 2,100
全幅(mm) 865
全高(mm) 1,150
シート高(mm) 800
軸距(mm) 1,470
車重(kg) 215(装備)
エンジン 水冷4スト並列4気筒
排気量(cc) 948
最高出力 111ps/8,500rpm
最大トルク 10.0kg-m/6,500rpm
燃料タンク容量(L) 17
タイヤ (前)120/70ZR17 (後)180/55ZR17

※2018年型

筆者プロフィール

沼尾宏明

1995年から2輪雑誌編集部に勤務し、後にフリーランスとして独立。
モットーは締め切り前納品で、旧車から最新の法改正、用品に至るまでジャンルを問わず幅広いバイク関連の知識を持つ。
1年半に及ぶユーラシア大陸横断という異色の経験もアリ。
1971年生まれ。