今月のフィーチャーバイク

ZRX1200DAEG

ZRX1200DAEG

無骨でスポーティな漢のネイキッド

ZRX1200DAEG

角型基調フォルムにビキニカウルを備え、現代版「ローソンレプリカ」として人気を博すZRXシリーズ。ZRX1200ダエグは、その集大成となるモデルだ。
イメージの源泉となったのは、エディ・ローソンがAMAスーパーバイクで優勝したZ1000Jの再現モデルである1982~1983年型のZ1000R(通称ローソンレプリカ)。ネイキッドブームが高まった1994年、同様のスタイルを踏襲したZRX(400)がリリースされ、1996年にZRX1100、2001年にZRX1200Rが登場した。

ダエグは、ZRX1200Rをベースに2009年に登場。1164cc並列4気筒は、排ガス規制の強化に合わせ、FI化で規制に対応しただけではなく、フルチェンジで日本人の体格や道路環境に合わせた造り込みを行い、好評を持って迎えられた。
走りはスポーティさが際立つ。エンジンは旧型のフラットトルクに対し、5000rpm付近から豪快にパワーが発生。高回転まで淀みなく吹け上がる特性と相まって、回して楽しいキャラクターとなっている。車体はライバルのネイキッドよりコンパクトで、ハンドリングもキビキビ。街乗りから峠、ツーリングまで幅広く満喫できる1台だ。残念ながら、2016年型のファイナルエディションで生産終了が決定。人気に一段と拍車がかかっている。

  • ZRX1200DAEG

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型式、年式ごとの特長

2009~2016年モデル

ZRX1200DAEG
初代1100から11年、1200になって8年目に全身をリファインし、2009年デビュー。最高速ツアラーのZZR1100を祖とする並列4気筒は、最高出力を100→110psに向上し、ミッションは5→6速化。ハイオクガソリン仕様となった。
軽量&高剛性なスチール製ダブルクレードルフレームは先代を継承しつつ、フルアジャスタブルのφ43mmフロントフォークや新設計スイングアームで車体を強化した。刷新した足まわりと同時に、ディメンジョンが丹念に煮詰められ、旋回性がより自然に。特徴となるビキニカウルをはじめ外装もコンパクト化され、シャープな印象に一役買っている。
車名の「ダエグ」とは、欧州のルーン文字で、「着実な成長」、「進歩」、「終わりと始まり」などの意。まさにZRXシリーズの第二世代と言える存在だ。
全長(mm) 2,150
全幅(mm) 770
全高(mm) 1,155
シート高(mm) 795
軸距(mm) 1,470
車重(kg) 246
エンジン 水冷4スト並列4気筒
 排気量(cc) 1,164
 最高出力 110ps/8,000rpm
 最大トルク  10.9kg-m/6,000rpm
 タイヤ  F=120/70ZR17 R=180/55ZR17

筆者プロフィール

沼尾宏明

1995年から2輪雑誌編集部に勤務し、後にフリーランスとして独立。
モットーは締め切り前納品で、旧車から最新の法改正、用品に至るまでジャンルを問わず幅広いバイク関連の知識を持つ。
1年半に及ぶユーラシア大陸横断という異色の経験もアリ。
1971年生まれ。