ヤマハハンドリングを体現した
世界最大の空冷直4NK
威風堂々たる車格に、空冷直4として世界最大の排気量を誇る1250ccエンジンが生み出すトルク、そして外観から想像できないほど軽快な走りがXJR1300の大きな魅力だ。
1994年デビューのXJR1200から数えれば、20年以上の歴史を持つ長寿車で、現行型は2006年11月に登場した。当時、厳しくなる環境規制によって空冷直4のXJRは存続が危ぶまれていたが、キャブレターをFI(フューエルインジェクション)に、マフラーを2本出しから触媒付きの4in2in1に変更。同じく空冷直4を採用するカワサキのゼファー1100が生産終了する中、見事規制をクリアした。
外観は、丸目1眼ヘッドライトに鋼管ダブルクレードルフレーム、リヤ2本ショックを有するオーソドックスな構成。それでいて力強さの中にシャープさを備えたデザインが光る。リヤに輝く金色のオーリンズサスは、初代1200以来、XJRのシンボルで、ライバルにはないアピールポイントだ。この装備が象徴するように、ハンドリングがXJRの持ち味。大柄な車体ながら倒し込みが軽く、自然なトルク特性と相まってコーナリング中のライン変更も可能なほど自由度が高い。
前後17インチのハイグリップタイヤや、CB1300SFより20kg以上軽い245kgの車重も従順な旋回性に貢献し、まさにヤマハハンドリングを堪能できる。また、豊かな中低速トルクとドッシリした直進安定性により、街乗りやクルージングも楽々だ。
今や貴重な空冷ネイキッドとして販売を続けてきたが、ついに2017モデルで生産終了。今後一段と注目を集めそうな1台である。
型式、年式ごとの特長
元祖は1994年リリースのXJR1200。1998年にXJR1300に進化した。排気量を1188→1250ccに拡大すると同時に、メッキシリンダーで冷却能力を向上。鍛造ピストンに変更することで軽量化とパワーアップを実現した。2007年モデルでFIや1本出しマフラーを採用したほか、最大トルクを10→11kg-mにアップ。発生回転数も500rpmダウンの6000rpmに変更し、低速域からの幅広いトルク特性を強調した特性としている。オーリンズリヤサスは最上級タイプがベースとなり、フロントと合わせて専用セッティングを施した。印象的なホワイトレンズのLEDテールライトも新採用したが、スタイルは初代以来、1981年に登場したXJ750Eの流れを継承している。
主要諸元
全長(mm) | 2,175 |
全幅(mm) | 765 |
全高(mm) | 1,115 |
シート高(mm) | 765 |
軸距(mm) | 1,500 |
車重(kg) | 245 |
エンジン | 空冷4スト並列4気筒 |
排気量(cc) | 1,250 |
最高出力 | 100ps/8,000rpm |
最大トルク | 11.0kg-m/6,000rpm |
タイヤ | F=120/70ZR17 R=180/55ZR17 |
※2007~2017モデル