ツーリングに携帯したいアイテムとは?
公開日:2018.03.14 / 最終更新日:2019.10.14
1.ツーリングに携帯したい基本的なアイテムとは?
ツーリングとひと口に言っても、日帰りか泊りか、ショートかロングか、ソロ(単独)かマス(複数人)か、ダート走行はあるのか無いのかなど様々です。実際にはツーリングのスタイルは人それぞれですが、今回は筆者の経験でセレクトしました。まずは、常時携帯しておきたいものがこちらです。
①レインウェア
ジャケットの上から着られるようにサイズは1~2サイズ大き目のもの
②使い捨てカイロ(貼るタイプ)
夏場でも標高の高い山地、雨天・強風時は10℃を下回ります
③最低限の常備薬
胃腸薬、風邪薬のほか、持病のある人は常備薬を忘れずに
④最低限のファーストエイドキット
殺菌消毒薬とばんそうこうが基本
⑤モバイルバッテリー
スマホと同サイズでなるべく薄いものを。ジャンプスターター機能があると安心
①レインウェア
どのようなツーリングでも雨対策は必要です。降水確率が0%だからと天気予報をうのみにせず、「ツーリングに雨はつきもの」という心構えが大切。よく、「降って来たらコンビニで買えばいいよ」という人もいますが、コンビニで販売されているビニールカッパの多くは前開きボタン式のもので走行風と一緒に雨粒が侵入してくるので雨天走行では役に立ちません。体を濡らさない、冷やさないのが目的ですから、ライディングを考慮したレインウェアを必ず携帯すべきです。
②使い捨てカイロ(貼るタイプ)
筆者はツーリングルートの標高や当日の風速をとても気にします。標高700mを超えるようなエリアは防寒対策が必須ですが、その第一が使い捨てカイロです。カイロならバイクのシート下にも忍ばせることができます。標高が高い、気温が低い、風が強く冷たい、雨が降ってきたなどの状況下で体を冷やさないための備えです。真夏でも携帯します。
③最低限の常備薬
ツーリング中の体調トラブルの大半は、腹痛や発熱・頭痛といったものです。旅先では普段食べないようなものも口にするので、胃腸薬は必須です。お腹の弱い方は下痢止めも必要。なお、胃腸も含め発熱や頭痛、のどの痛みなど様々な体の不調に対応できる風邪薬(総合感冒薬)は対応範囲が広いのでオススメです。また、持病のある方は必ずいつもの薬を持ち歩きましょう。その際、万が一に備えて、その場の誰もが用法を理解できるようにメモを備えておきましょう。
④最低限のファーストエイドキット
市販のファーストエイドキットは意外と大きく、ツーリングではかさばります。ちょっとした切り傷や擦り傷に対応できれば十分です。筆者は殺菌消毒薬と大中小のばんそうこうを携帯しています。なお、運転中の事故や転倒といった場合は、携帯薬で対応できないほどの怪我を負う可能性が高いため、しっかりとしたプロテクター付きライディングウェアや胸部プロテクターを身に付けましょう。
⑤モバイルバッテリー
車両のバッテリーから電源を確保できる場合でも、万が一に備えて携帯したいアイテムです。なるべくスマートフォンと同サイズのもの、さらになるべく薄く軽いものが良いでしょう。様々なトラブルでどうしようもなくなったときは、電話が頼みの綱です。
また、モバイルバッテリーの中にはジャンプスターター機能を持ったものもあります。バッテリー上がりの時に押しがけが難しいフューエルインジェクション採用車にはとても安心できる機能なのでオススメです。
2.さらに追加しておくと良いアイテムとは?
まず、今回、工具は除くことにします。工具に関しては、「車載工具に追加、交換しておきたい工具とは?」を参照ください。以下では、1.の基本的なアイテムに加え、ツーリングの内容や状況別に、さらに追加しておくと役に立つアイテムをご紹介します。
1 ロングツーリング
走行距離が片道200kmを超えるような、また3泊以上となるようなロングツーリングに出かけるときは、下記のようなアイテムがオススメです。
①パンク修理剤、パンク修理キット、エアーポンプ
愛車のタイヤがチューブレスタイプかチューブタイプかによって選ぶ物が変わります。また、釘のようなものが刺さることによるパンクはたいていリヤタイヤで発生します。
②予備のヒューズやバルブ
主にウインカーやテールランプで使用しているバルブを携帯します。最近増えているLED球の場合は心配ありませんが、ハロゲン球の場合は、様々な原因で電球が切れます。夜走りを想定しているならヘッドライト用のバルブも携帯します。
③芯抜きガムテープ、針金、タイラップバンド
主に転倒時、カウル類やレバー・ペダル類の補修のために携帯しておくと応急対応できる場合があります。携帯する針金が車載工具のプライヤーで切断可能なのかも確認しておきましょう。タイラップバンドは取り外しが可能なタイプが便利です。
④ガソリン携行缶
ガソリン携行缶(ボトル)は、万が一のガス欠に備えた装備です。通常の国内ツーリングではまず必要ないと思いますが、北海道での林道ツーリングや離島ツーリングなどに持って行くと安心です。なお、ガソリンスタンドでは、自分自身で給油することは禁止されているため、スタッフにお願いします。
2 真夏・真冬
①水筒(魔法瓶)
極端に暑い、極端に寒い時に持っておきたいものが水筒です。魔法瓶のように二重構造で保温・保冷性に優れるもの、250~350ml程度の小さ目のものがオススメです。寒い時、休憩ごとに飲みがちなホット缶コーヒー等による尿意の連鎖を防ぎ、少量ずつ飲むことで尿意にやられることなく体を温めることができます。また、夏場は逆に、冷たいものの飲み過ぎによる体調不良を防ぐことができます。体調管理をサポートしてくれるアイテムと言えます。
3 山・海・アウトドア
特に山間の道を走る際に持っておきたいのが毒虫対策です。中でも、刺されるケースの多いハチの毒を想定して下記のものを携帯しましょう。ヘルメットの中や袖口、襟元などハチは突然入り込んできて、唐突に刺します。針を手ではらった後、可能ならば流水で患部を流し毒を薄めます。その後、①~③をしても効果がなく、また15分以内にアナフィラキーショック(じんましん、呼吸困難、意識障害など)が確認される場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
①毒出し器(吸引器)
毒出し器があれば安全かつ効率的に毒が吸い出せます。口で吸いだすと口内感染といった二次被害の可能性が高く危険です。
②虫刺され用薬(抗ヒスタミン系成分を含むステロイド(副腎皮質ホルモン薬)系軟膏)
毒を吸い出した後、痛み止め、腫れ止めのため抗ヒスタミン系の塗り薬を塗っておきます。
③タオル
腫れがひどい時は、濡れタオルで患部を冷やします。濡らしたタオルは熱中症の際に、首、わきの下、足などを冷やす時にも効果的です。
4 林道・ダート走行
ロングツーリングの場合はパンク(スローパンクチャー)対策として携帯したいエアーポンプですが、林道に入る場合は、フロントタイヤの空気を少し抜くことで接地感を高め、転倒を防ぐために使います。林道を走り終わったらエアーポンプとエアーゲージを使い、また適正空気圧に戻しておきましょう。これを忘れて高速道路に乗るとハンドルがブレて危険です。
①エアーポンプ
②エアーゲージ
いかがでしたか。ここで紹介したことは、またの機会にそれぞれ詳しく説明したいと思います。自分がそれを出来なくても「道具を持っている」だけで他の人に助けてもらうこともできます。ぜひ自分のツーリングスタイルに最適なアイテムを見つけてください。