バイクの冬期保管と冬眠方法とは?
公開日:2018.12.19 / 最終更新日:2019.10.17
冬の間の数か月はバイクに乗らないという方もいると思います。また、雪国にお住いの方なら二輪車販売店や自宅での冬期保管が必要です。そこで今回は、販売店での冬期保管と基本的な冬眠方法についてご紹介します。
1.雪国の本場、札幌の二輪車販売店による冬期保管とは?
バイクの冬眠、冬期保管と言えば、雪国のノウハウに勝るものはありません。バイクの冬期保管サービスは全国の二輪車販売店が実施しているわけではありませんが、雪国の販売店であれば有料サービスの一環として広く行われています。
そこで今回は、雪の降り始めが早い地域である北海道札幌市の二輪車販売店「クルムスSAPPORO北24条店」の粟津さんにお話を伺いました。
Q1. 冬期保管について特に注意していることは何ですか?
春先には、お客様のバイクを預かった時の状態のままお渡しするということです。クルムスSAPPOROには北24条店と北20条店の2店舗がありますが、冬期保管の台数は両店合わせて約300台ほどとなり、当然、倉庫などにしまわなくてはいけませんので、運搬時や入出庫時などに車体に傷がつかないよう細心の注意を払っています。
Q2. 保管中や前後(預かり・引き渡し時)に実施していることを教えてください。
当店の冬期保管では、「簡易点検」、「バッテリー充電」、「洗車」等を基本に行っています。簡易点検では、全体の傷やサビなどの箇所を特定し記録します。それにより、出庫の際のトラブルを防ぐようにしておきます。状態によっては写真に撮ってデータ保管する場合もあります。
また、車両がキャブレター車の場合は、キャブレターのガス抜きも行います。なお、全体の簡易点検により、修理を要する箇所などが見つかった場合は、お客様と修理をどうするかについて相談します。
Q3. 冬期保管のお客さんにお願いしていることはありますか?
ガソリンを満タンに入れてきてもらうことです。それにより、保管時におけるタンク内のサビ防止になります。
Q4. 自宅で保管される方への注意点やアドバイスがあれば教えてください。
自宅保管での注意点は、先述したようにガソリンを満タンにしておくこと、また、バッテリーを取り外して室内保管しておくことも大事です。また、ガソリンの添加剤は非常に効果的で、タンクのサビを防止してくれる上に春先のエンジン始動性も良くなりますので、冬眠前に入れておくことをお勧めしています。
キャブレター車は、ガス抜きもしておいたほうが良いのですが、工具や知識がないと抜くことができずにそのままというケースが多いので、そういった方にこそ、ぜひ添加剤を入れることをお勧めします。
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なお、2018年10月から2019年5月12日までのクルムスSAPPOROでの冬期保管料金は以下となりますので、参考にしてください。クルムスSAPPOROユーザーなら1,000円(税別)割引となります。
■DATA | |
店 名: | クルムスSAPPORO北24条店 |
所在地: | 北海道札幌市東区北24条東8丁目1-6 |
定休日: | 水曜日 |
電 話: | 011-721-4364 |
URL: | http://www.krms.co.jp |
2.自宅でバイクを冬眠させる方法とは?
さて、自宅でバイクを冬眠させるにはどうしたらいいのでしょうか? 基本的な冬眠方法に加え、積雪地域での屋外保管(軒下保管)についてもご紹介します。
冬期保管の基本
①ガソリンを満タンにして、タンク内の結露・サビを防止する
②ガソリンタンクに燃料添加剤を入れておく ※酸化と腐食を防止、始動性アップ
③バッテリーを外しておく ※充電器でトリクル充電しておくのがよい
詳しくは、「充電器を使ってバッテリーをいつも元気に!」を参照
④キャブレター車はドレンボルトをゆるめてキャブレター内の残留ガソリンを抜く
⑤可能ならば、防サビスプレーやシリコンスプレー、注油でサビ対策をする
⑥タイヤに空気を入れておく ※抜けにくい窒素ガスを入れるのがよい
⑦可能ならば、車体を立てておく ※センタースタンドやメンテナンススタンドを使用
詳しくは、「メンテナンススタンドを使って点検や整備を快適に!」を参照
⑧毛布等をかけて湿気(水分)対策をしてからバイクカバーをかける
詳しくは、「冬期保管にも!バイクカバーを使って冬場の車体を守る」を参照
⑨可能ならば、時々エンジンをかける ※エンジン停止直後の結露に注意
以上が一般的な冬眠の手順になります。中でもバッテリーを外しておくことは必須です。マイナス側の端子を外しておくだけでもバッテリーの消耗を抑えられます。可能ならば、下の写真のようにトリクル充電(微弱な電流で常に充電する)のできる充電器につないでおきましょう。このまま冬を越せば、春先のエンジン始動は万全です。
また、下の写真は、キャブレターのドレンボルトをゆるめているところです。マイナスドライバーでドレンボルトをゆるめればキャブレター内に残ったガソリンを排出できます。キャブレター内にガソリンが残ったまま長期間放置すると、ガソリンが腐りガム状に固まってエンジンがかからなくなるなど不調をきたします。
なお、燃料コックのあるバイクなら切り替えレバーをOFF等の位置にしてからドレンボルトをゆるめてください。ONやRES(リザーブ)の位置のままゆるめるとガソリンタンク内のガソリンも流れ出てしまいます。負圧式コックの場合は、エンジンを停止しPRI(プライマリー=強制流入)以外の位置にしてからドレンボルトをゆるめてください。
積雪地域での屋外(軒下)保管
まず、雪が積もるような地域ならば、ガレージや倉庫など屋内保管がベストです。しかし、それが叶わず、泣く泣く軒下などに保管する場合は、屋根の雪やつららが落ちない場所を選んでください。そして、湿気・結露対策としての毛布類と、生地が厚めで通気口のある(または透湿性のある)バイクカバーを車体にかけてください。
また、雪が吹きさらす(吹き込む)ような場所なら、バイクカバーの下から雪が舞いこまないようにカバーの裾を床または地面に固定します。バイクカバーの上から大き目のブルーシートをかけておくのも有効です。それでも、雪による湿気(水分)の影響は避けられないので、保管前には各部のグリスアップ(注油)と防サビスプレー等によるサビ止め処理をしておくことをお勧めします。
いかがでしたか? バイクの冬眠・冬期保管にもいろいろな注意点があります。春先のツーリングが不安なく楽しめるよう、しっかり準備をしてから保管してください。