バイクに荷物を積むとき、ネットやシートバッグのほか、パニアケースを装着するという手もあります。ただし、少し敷居が高い気もします。 そこで今回は、トップケースの装着について実例を通してご紹介します。

1.パニアケースとは? そのメリットやデメリットについて


パニアケースとは、プラスチックやアルミなどで作られた、荷物を収納することを目的とした箱状のハードケースを指します。「フル装備」「フルパニア」と表記された場合には、リヤの左右にサイドケース、リアキャリア等の上にトップケースを装着した状態を指します。たいていの場合、サイドケースで片側20~45ℓ程度、トップケースで30~60ℓ程度の荷物を収納することができるため、フルパニアだと100ℓ以上を収納することもできます。

通常、パニアケースを装着する場合には、まず、車体に合ったキャリアやステーの装着が必要となります。よって、パニアケースを装着するには、車種専用のキャリアやステーの購入も必要となるため、それが敷居の高い理由のひとつとなっています。

<パニアケースのメリットとデメリット>
パニアケースの主なメリットとデメリットは以下となります。
●メリット
①荷崩れしない
ソフトバッグのような荷崩れがない。キャリアやステーとの固定を確実にしておけば、ケース(荷物)の落下もない
②荷物が濡れない
ソフトバッグと違い、雨天走行時でもケースの中の荷物が濡れない。※完全防水ではない場合もある
③防犯性が高い
ケースの開閉部はキー(鍵)によりロックできるので、中の荷物が盗難される心配がない

●デメリット
①容量を拡張できない
ソフトバッグのように収納容量の拡張ができない
②ステーなど車種専用品が必要
多くのケースは汎用性を持つが、トップケースを固定するリアキャリア、サイドケースを固定するステーには車種専用品が必要なことが多い
③比較的、高価
リアキャリア+トップケース(約3万円~)、さらにステー+サイドケース左右(約6万円~)と、ソフトシートバッグ(約2万円~)、ソフトサイド(振り分け)バッグ(約2万円~)に比べると高価

2.ギア感がカッコいいGIVIのトップケースを装着してみた!


ここでは、実際に、ヤマハ「セロー250(2015年式)」にGIVIのトップケース「B32N BOLD/税抜標準価格15,000円」を装着したレポートをお届けします。GIVI(ジビ)はパニアケースをはじめとしたイタリアの老舗アクセサリーメーカーです。日本では、株式会社デイトナが取り扱っています。前述したように、トップケースの装着にはリアキャリアの装着が必要です。今回は、まず、デイトナの「マルチウイングキャリア(セロー250/FI(’05~’18)用)/税抜標準価格13,500円」を装着し、それからB32N BOLDを装着しています。

1. リアキャリアの性能と装着手順

デイトナ「マルチウイングキャリア」の特徴は、なんと言ってもデザイン性の高さです。フレームを組み合わせたような野暮ったさはありません。ブラック塗装を施された板厚5mmのアルミトッププレートはウイング形状にデザインされ、マシンのフォルムを損ないません。また、リアキャリアの装着時に求められるリヤフェンダー等への穴あけなどの加工も必要もなく、車種専用なので取り付け・取り外しも簡単です。

●装着手順①/標準装備のグラブバー(オレンジ色)を外し、マルチウイングキャリアのフィッティングステー(黒色)を装着

●装着手順②/仮組みの後に本組みし、トッププレートを装着して完成

■DATA
品 名: 「マルチウイングキャリア」セロー250/FI(’05~’18)
価 格: 13,500円(税抜標準価格)
最大積載重量: 5kg
問合せ先: 株式会社デイトナ
電 話: 0120-60-4955
(月~金9~18時 ※指定休業日、祝祭日を除く)
URL: https://www.daytona.co.jp/products/single-98886-loveletter-B30240

2. トップケースの性能と装着手順


GIVIのトップケース、B32N BOLDの特徴は、スクエアタイプ(角型)であること。パニアケースの大半は角が丸まったものですが、この角型ケースのおかげで、箱もののお土産やA4サイズのPCもすっぽり収まります。最も使う場面が多いヘルメットの収容に関しては、フルフェイスタイプやオフロードタイプも収納できました(※形状によっては入らない可能性もあります)。エッジの効いたデザインで、ギア感満点なのがカッコいいです!

また、角型の収納スペースにより32ℓの容量を無駄なく使い切れます。試しに、基本的なキャンプ用品を積んでみたら、必要最低限のアイテムが全て入りました。テント、グラウンドシート、シュラフ、エアーマット(折り畳み状態)、調理用ストーブ、ランタン、ガスカートリッジ2本などです。これだけあれば、キャンプツーリングができてしまいます。これも、角型ケースによる無駄のない収納のおかげです。

●装着手順①/付属のボルトやワッシャ、波形プレートを使って、マルチウイングキャリアにトップケースのベースを装着する。ベースは汎用なので、様々なキャリアに取付可能

●装着手順②/ベースの位置に問題がなければ天板部にベースカバーを装着。トップケース本体をベースに固定・ロックして完成

●使い方
キーシリンダーの上にある楕円の赤いボタン(解除ボタン)はケースの蓋を開けるためのもの、キーシリンダーの下にある楕円の赤いボタン(ベースロック解除ボタン)はケース本体とベースの固定・ロックを解除するためのものです。蓋を閉めるだけならボタンの操作は必要ありませんが、そのままでは解除ボタンで蓋を開けることができてしまうため、キー操作(12時方向に回す)により鍵をかけることで防犯性を高めることができる仕組みです。

■DATA
品 名: GIVI「B32N BOLD」 ※モノロックケース(汎用ベース付属)
価 格: 15,000円(税抜標準価格)
サイズ: 奥行433×幅405×高さ(外側)303(mm)
最大積載重量: 3kg
問合せ先: 株式会社デイトナ
電 話: 0120-60-4955
(月~金9~18時 ※指定休業日、祝祭日を除く)
URL: https://givi-jp.com/products/case/monolock_case/b32n.html

いかがでしたか? トップケースはとても便利なアイテムです。普段はキャリア+ベースだけにしておき、ツーリングに出るときだけケースを装着するという使い方もできます。一度使ったらやみつきですよ! ぜひ体感してみてください。

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筆者プロフィール

田中淳磨

二輪専門誌編集長、二輪大手販売店、官公庁系コンサルティング事務所等に勤務ののち二輪業界で活動するコンサルタント。二輪車の利用環境改善や市場創造、若年層向け施策が専門で寄稿誌も多数。