本記事は女性向けバイク雑誌『Lady’s Bike』とのコラボ記事です!

本記事の内容はLady’s Bike No.91 (2023/12/18発売)の内容の一部を再編集したものです。
Lady’s Bike 最新号の情報はこちら!
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https://www.l-bike.com/

ニガテを1つひとつ解消!バイクともっと仲よくなろう

教習所を卒業してしまったら、広くて安全な場所で練習する機会になかなか恵まれないもの。
“もっとバイクがうまくなりたい!”という悩みがある人のために、ヤマハのバイクインストラクター伊集院さんが特別レクチャー!
女性向けバイク雑誌『Lady’s Bike』に寄せられたバイク初心者の悩みの中からピックアップしてアドバイスをもらいました。
自宅でちょこっと毎日練習できるような簡単レッスンだから、まずは“うまくできる姿をイメージ”しながら読んでみてね。

教えてくれたのは

ヤマハのバイクインストラクター 伊集院 忍さん

ヤマハのバイクインストラクター 伊集院 忍さん。
長年モトクロスの選手として活躍し、その経験で培った“車両コントロール術”をオンロードスクールでの指導でも活かしている。

使ったのはこのバイク!

ヤマハ トリッカー

“YRA大人のバイクレッスン”でも貸出バイクとして使用されるヤマハ・トリッカー。
250㏄単気筒の身軽な車体で、車体を操る楽しさを教えてくれる1台

バイクを支えるのがニガテなんですが…

そもそもバイクは不安定な乗り物。“取りまわしがニガテ”と悩む人のなかには“支えることすら不安”という人もいるのでは。
軽いバイクならごまかせるものの、車両重量が重くなればなるほど転倒の不安が…。
でもどんなバイクでも指一本で支えられる“重心ポイント”があるんです。バイクの“重さ”を正しく意識してみよう。

OK!

ワザと車体と伊集院さんの体を離して撮影。バイクから離れていても片手で苦もなく支えているのがわかるかな?
バイクを地面に対して垂直にたもち、重心を意識して重さをコントロールすれば、最低限の力でバイクを立たせることが可能に

くっつける

NG!

ややオーバーリアクションだけど、バイクのなかでも重量物であるエンジンやガソリンタンクの重さがそのまま地面に向かってしまい、ライダーの腕にもその重さがもたれかかっている状態。いくらトリッカー(125㎏)でもキツイ

うまくバイクにまたがれないんです

バイクを支えられるようになったら、今度はまたがってみよう。
「またがろうとすると、バランスをくずしてしまうことがあって、怖いんです」ということなら、バイクの重心を意識してどのタイミングでもバイクが安定している状態を作ってみて。
またがる時にはどうしてもライダーが片足立ちになるので、ライダーの体重をバイクに預けるようなイメージで繰り返してみよう。

サイドスタンドに頼らない方法

1.ナナメ後方を見て、バランスをとる!

右手はブレーキをにぎり、車体が勝手に動き出さないようにしておく。
そして、バイクの車体をしっかり自分に引きつけて、足を振り上げる準備。
後方を見つめるようにすると、ライダーの体が車体と向き合い、バランスがとりやすくなる。
後方の安全確認にもなって、一石二鳥。

2.車体の“重心”が垂直になるように

ブレーキを離さず、ハンドルを持ったまま上体をグッとタンクの真上に近づける。
下半身は、またがり動作が始まる直前までは車体と向き合っていて、右足を振り上げた瞬間、左足全体を回転させ、一緒に正面に向き直るイメージで。
左足を軸にツマ先が反時計回りする。

3.またがったらハンドルを正面に

ハンドルが曲がっている場合は、完全にまたがって安定した段階で正面に直そう。
これから運転が始まるワケだから、自分のオシリがしっくりくる着座位置を探してシートの上で微調整を。
タンクに近すぎても遠すぎても運転しづらいので、自然に腕が曲がる場所を探そう。

POINT!

足を振り上げるのが怖い場合は、シートの上をすべらせるようにしてまたがろう。
最初にヒザをつけて、腰をひねるイメージで。
シートレールやグラブバーに引っかけないように注意。

ちょっと引っかかる…なら、こうするともっとGOOD!

バイクのハンドルやタイヤがまっすぐ正面を向いていると、またがるときに左グリップがライダーの胸~お腹に当たってまたがりづらい。
右利きの人なら、なおさら利き手が遠くてバランスをくずしがちに。

またがる時のハンドルは、車体に対して垂直(まっすぐ)にするのではなく、“右きり”にしておくとまたがりやすいよ。
右腕がライダーの体に近い方がバランスも取りやすいの。

そもそも、半クラってよくわからなくて…

教習所では確かにやったハズなのに、“半クラ”ってなんだっけ? そのままわかったつもりで走り出してしまい、エンストしちゃった…、なんて悩みを抱える初心者ライダーは多いんです。
公道を走るとなれば、信号待ちや一時停止など、こまめにギヤを変える必要があり、半クラは必須テク。
極めるコツは“耳で聞く”!

完全に切れてる!

クラッチを完全に切った状態の写真。わかりやすいように、グリップの端っこを持っています。
クラッチレバーを最後までギュッとにぎってしまえば、エンジンの動力は伝わりません。

つながってる

クラッチがつながっている状態。走行中、ギヤを変更する以外はこの位置にクラッチレバーがあるのが普通。
クラッチワイヤーがゆるむと動作が渋いので、その場合は注油や調整を。

半クラッチ

上の写真(切れてる状態、つながっている状態)以外の、“つながりかけの状態”が半クラッチ。
一定の開度でアクセルを開けながらゆっくりレバーをにぎったり離したりしてみて、 音が変わるポイントや速度が上がる範囲を体感してみよう。“急”な動作は厳禁!

またがった後のバランスが取れない!

意のままに止め、スムーズに走り出せたらバイクの基本はOK。
でも、信号を待つ、高速道路の料金所で止まるなど、意外と“またがったまま”の場面も多いもの。
そんな時フラついているとちょっとカッコ悪いよね。
小柄な人で足先バレリーナ状態でも、バイクをピタッと安定させられるコツがあるんです。

OK!

バイクが地面に対してほぼ垂直に立っていれば、取りまわしの説明で支えていた時と同じように、小さな力でバランスが取れる。
一見不安定に見えて、とっても安定しているよ。
足つきが悪いバイクだからといって片足に車重をかけた停まり方をしていると、疲労もたまってしまうかも。状況で使い分けよう。

NG!

ライダーの荷重と、バイクの重心がズレたら、バランスなんて取れない!
軽い車体なら多少持ちこたえられても、200㎏超の重量バイクは傾けただけでリカバリー不能に!?

Uターンが怖すぎる〜っ

ここからグーンと難易度がアップ。多くのライダーが苦手とする、ラスボス的存在“Uターン”。
適切なクラッチ操作&アクセルワーク、車体のコントロールなどを同時進行でこなさなければいけない強敵。
でも伊集院さんのアドバイスで、強敵だって怖くなくなります! 超初心者向け必殺ワザを伝授。

ポイントは、
●曲がりたい方向を見る!
●Uターンに入る前に、半クラ準備
●車体は真っ直ぐ垂直
●足は思い切ってベタづき

Uターン直前の状態。
初心者へ向けた究極のコツは、ズバリ“足ペタペタUターン”。
足でブレーキを操作せず、低速で安全にUターンするよ。
車体をまっすぐにたもつことで、立ちゴケリスクを減らせます。

曲がりたい方向に顔と体を向けるのがポイント。
ハンドルは体が向いている方向に自然と切れていくもの。
想定よりもスピードが出るなど、曲がりきれない場合は、無理せずいったん止まろう。

曲がる時はハンドルを切って体に近づける必要があるけれど、ここでバランスをくずしやすい。
目いっぱいハンドルを切るのは高難易度なので、無理しないように。顔はカーブの終わりを見つめてね。

半クラのまま、エンジン回転が落ちないようにアクセルで調節しながら曲がり切る。
エンジンの振動と音で回転数を感じ取るのがコツ! 前に進む力が強くなるので、クラッチ操作だけよりも低速バランスが取りやすい。

大きなバイクの取りまわしがニガテ

排気量が大きくなればなるほど、車重もアップするもの。けれどもせっかく手に入れた愛車なら、コツをつかんでスムーズな車庫入れ、駐停車をマスターしたいところ。
最近の大型バイクは車両重量が重くても、車体バランスがいいので動き出してしまえば手応えは軽い。

OK!

ポイントは変わらず、バイクの重心を意識してバランスを取ること。
最初の1歩目が一番重く感じるけど、できるだけ車体と離れないように。
動き出したあとも自分の体に密着させることで制御しやすくなる。

NG!

重いからといって、体重をかけて車体を動かし、そのまま腰が引けた状態で取りまわそうとするとバランスを取りづらい。
エンジンやタンクなど、バイクの重量物に近づいて取りまわそう。

YRA大人のバイクレッスンに行けばしっかり体感できる

伊集院さんがインストラクター務めている“YRA大人のバイクレッスン”では、ここでお伝えしたような超初歩的なところからカリキュラムが始まるから、
“教習所は卒業したけれど不安で仕方ない”という人は、ぜひ受講してみてください!

YRA(ヤマハライディングアカデミー)公式HP
https://ysp-shop.com/yra

筆者プロフィール

Lady's Bike×BikeLifeLab

女性ライダーのためのコンテンツが詰まった媒体です。
女性だからこその悩みや疑問、また共感できることってありますよね。
そんな悩みや疑問を解決する企画を展開するとともに、コミニュケーションの場としても活用してもらえるさまざまなコンテンツを用意しています。
女性として輝き続けられる楽しいバイクライフを一緒に作っていきましょう!
プラスバイクで日々の疲れやストレスを払拭して輝く自分を見つけましょう!