バイクのラジエーターとはどんなパーツ?仕組みやメンテナンス方法を解説!
公開日:2025.03.03 / 最終更新日:2025.03.03

バイクに限らず車や船のエンジンなど、エンジンを使っている乗り物には必ずエンジンを冷却する装置が付いています。
昔は走行風によって冷却する空冷エンジンが主流でしたが、排ガス規制などが厳しい現代では、エンジン内で冷却水を循環させて冷却する水冷エンジンが主流となっています。
今回はそんな水冷エンジンに搭載されているラジエーターについて、詳しく解説していきます!
ラジエーターとはどんなパーツ?
まずはラジエーターはどんな部品でどこに付いていて何をしているのか、解説していこうと思います。

ラジエーターとは現代のバイクで主流となっている水冷エンジンを搭載したバイクには必ず装着されている冷却システムです。
「ラジエーター」「ラジエター」「ラジエータ」などと呼ばれることもありますが、どれも同じことを意味しています。
冷却に重要なラジエーターコアは、バイクでは風の当たりやすいフロントフォークとエンジンの間に装着されているのが一般的です。

水冷エンジンではエンジン内部を冷却水が循環しながら冷却しており、冷却して熱くなった冷却水がラジエーターコアを通過することで温度が下がり、再びエンジン内部の冷却へと送られていきます。
ラジエターコアに走行風が当たって冷却されていないと意味がないため、走行風が当たりやすく、エンジンに近い位置に取り付けられています。
ラジエーターの仕組み
ラジエーターはバイクの水冷エンジンを動かすうえで欠かせない重要なパーツです。
ではラジエーターはどうやって熱くなった冷却水を冷やしているのでしょうか?
ラジエーターの仕組み

ラジエーターコアには主に2種類あります。
写真のように多数の冷却フィンが波状に折れ曲がっているコルゲートフィンタイプのラジエーターと、フィンではなくプレートで繋いでいるプレートフィンタイプのラジエーターコアでし。
バイクや車などに採用されているのは基本的にコルゲートフィンタイプのラジエーターコアです。
エンジン内部を循環している冷却水はウォーターポンプによって送り込まれ、シリンダーヘッドやシリンダー内部など様々なエンジン内部の水路を通過してエンジンを冷却していきます。
エンジンを冷却したことで熱くなった冷却水は最終的にラジエーターコアに送り込まれ、内部の水路を通過することで、走行風によって冷やされた冷却フィンがラジエーターコア全体を冷やし、そこを通過した冷却水も冷やされていくという仕組みです。

車では一部がプラスチックのラジエーターもありますが、バイクの場合基本的に放熱性の高いアルミ製のものが多く採用されています。
冷却というとラジエーターコアを通せば冷却水が冷たくなるのかと思うかもしれませんが、極端に冷えている時以外は温水なので、100℃に近い冷却水がラジエーターを通ることで放熱されて低い温度へ冷却されています。
渋滞や信号待ちなど走行風による冷却ができない場合は、センサーが感知してラジエーターコアの後ろ側に取り付けられている冷却ファンが回り、ラジエーターコアを冷却していきます。
ラジエーターキャップの役割

ラジエーターコアの上についているこのキャップですが、実はかなり重要な役割を持っています。
エンジンのかけ始めなど、エンジン内部の温度によっては過冷却になってしまうため、それを温度、圧力によって弁を開いたり閉じたりして内部の冷却水の量や、内部の圧力を制御しているのがラジエーターキャップです。
冷却水が熱くなると沸点に到達しますが、適正な圧をかけておくことで沸騰しにくくしています。
沸騰するような温度の場合は弁が開いて内圧を下げ、エンジンが冷えたら内圧が下がるので足りなくなった冷却水をリザーブタンクから補充するなど、弁によってコントロールすることでラジエーターの冷却能力を担保するのがラジエターキャップの役割です。
水冷エンジンのメリット・デメリット

では冷却能力の高い水冷エンジンはどんなメリット、デメリットがあるんでしょうか?
一般的に考えれば水冷のほうがメリットは大きいですが、バイクの場合はそれがデメリットになる場合もあります。
まずはメリット。
空冷エンジンに比べて冷却効率が高く、オーバーヒートなどのトラブルが起きにくいため、エンジンの性能が安定しています。
高出力化を狙ったエンジンに水冷システムは欠かせないと言えるでしょう。
エンジン内部を通る水路はシリンダーにも通っているため、実質シリンダーは冷却水に覆われています。
そのためメカノイズが外まで聞こえにくく、静かなエンジンを作りやすいというメリットもあります。

逆にデメリットはシンプルな空冷エンジンに比べて構造が複雑になり、パーツ点数も増えるためエンジン自体が大きくなる傾向があります。
その分車体も大きくなり、それに準じたスペックの足回りを付けると重量も重くなるため、結果的にシンプルで車重が軽くて軽快に走れる空冷エンジンのバイクと比較するとデメリットでもあります。
冷却方式によって生まれる違いはこちらの記事にて詳しく解説しているので、気になった方はぜひ読んでみてください。
ラジエーターのメンテナンス方法
高い冷却性能を持つラジエーターですが、構造は複雑なためしっかりメンテナンスしないと最悪の場合オーバーヒートに繋がることも。
ここからはラジエーターのメンテナンスについて解説していきます。
日常点検

まず日常的にチェックできるポイントとして、リザーバータンクの冷却水の量と色を見てみましょう。
冷却水の色は車種によって変わってきますが、最初から入っている色から大きく変わっていないか、量は規定値入っているかを確認しておきましょう。
他にも全体を見て冷却水が漏れていないか、エンジンが冷えているときにラジエーターキャップを外して異常が無いかを確認しておきましょう。
洗車時の清掃

ラジエーターは冷却フィンがいかに走行風に当たって冷却できるかが重要になってきます。
洗車時にはフィンに付着した泥や虫、間に挟まった小石を取り除いて綺麗にしておきましょう。
冷却フィンはデリケートなため簡単に曲がってしまいます。
曲がったままでは冷却効率の低下につながるため、洗車時に曲げないように高い水圧の洗浄機や硬いブラシなどは使用せず、低い水圧で洗ったり、柔らかいブラシを使って優しく清掃するようにしましょう。
また、海沿いを頻繁に走っている場合は塩分の影響で錆びてしまうリスクが上がります。
早めに洗い落とせば問題ありませんが、ラジエーターコアが錆びてしまうと冷却水の漏れや圧抜けに繋がる危険があるため、海沿いを走った後は早めの洗車と清掃がおすすめです。
冷却水の交換

ラジエーター内部を循環している冷却水を定期的に交換することで本来の冷却性能を発揮でき、ラジエーター内部の洗浄にもなります。
冷却水はLLC(ロングライフクーラント)と呼ばれる水にエチレングリコールという不純物を加えた液体を使用します。
使用する冷却水によって時期は変わってきますが、最低でも2年に1回が交換の目安とされています。
作業には特殊な工具は不要で自分でも交換することはできますが、冷却水は人体に有毒なため取り扱いに注意が必要です。
また万が一交換に失敗すると十分に冷却ができず、オーバーヒートに繋がる危険も。
整備に自信がない方はバイク販売店やバイク用品店に依頼するのがおすすめです。

自分で冷却水を交換する場合は以下の注意点に気をつけるようにしましょう。
エンジンが冷えた状態でラジエーターキャップを開ける
ラジエーターキャップを開ける際には必ずエンジンが冷えた状態で開けるようにしましょう。
熱いままキャップを開けると内圧によって開けた瞬間に冷却水が吹き出し、非常に危険です。
バイク用の冷却水を使用する
使用する冷却水は専用のものを使用するようにしましょう。
水を使っても物理的には機能しますが、凍ってしまったり内部の水路が錆びることもあり、故障に繋がる可能性があります。
可能であれば最初入っていた冷却水と同じ色のもを使用し、希釈率にも注意して交換しましょう。
古い冷却水をの処分方法
交換して出てきた古い冷却水は環境に有害なので流すことはできません。
皮膚にも触れないようにして布や紙に吸わせるなど、可燃物として処理しましょう。
エンジン冷却において重要なラジエーター
普通にバイクに乗っているだけでは気づきませんが、ラジエーターはバイクにおいてかなり重要な役割を持っています。
夏でも冬でも同じようにエンジンが機能するのはラジエーターのおかげでもあり、ここまでバイクのエンジンが進歩したのもこういった技術の賜物です。
日々の点検や交換時期などを正しく守っていればトラブルが起こる可能性も低くなるので、日常的なメンテナンスが重要です。
自分で冷却水の交換が難しいと感じた場合は、バイク販売店やバイク用品店に依頼して交換してもらうようにしましょう。