バガーは最近人気が高まりつつあるカテゴリーです。

元々はカスタムカテゴリーの一つでしたが、現在はメーカー純正のバガーが登場し、バガーだけのロードレースまで開催されています。
そんなバガーの世界をご紹介することにしましょう。

ベテラン向けのバイクだったツーリングモデル


バガー(Bagger)というのはツアラーのカスタムスタイルです。

最初はハーレーのフルドレスのツーリングモデルをベースとしたカスタムスタイルとして生まれました。
ハーレーのツーリングモデルはゴージャスで快適、長距離の旅を楽しむマシンで車両価格が高額だったこともあり、比較的年齢が高いベテラン達に愛されていました。

決まったスタイルが定着していて、若い人達には敷居が高いモデルだったのです。

新しいカスタムスタイルの出現


そのツアラーをベースとして、アグレッシブなカスタムを施す手法が生まれました。
不要な部品を取り外してマシンをシェイプし、ビレットやメッキのパーツに変更。

カスタムペイントを施したところ、個性的で素晴らしいインパクトを持つカスタムマシンが出来上がりました。
このスタイルが人気となってカスタムスタイルとして定着していったのです。

ファクトリーメイドのバガーも登場


最近では、バガーの人気に対応して色々なメーカーでもバガーモデルを純正モデルとして作るようになりました。


多くの場合、同じ車体を使ってツアラーとバガーの両方をラインナップしています。

フル装備のツアラーに対し、バガーではトップケースを取り外してカウルを小型化するなどしてスポーティーさを強調することが多いようです。

バガーの定義とは?


バガーの人気が高くなったことで専門のカスタムバイクショップも登場するようになりました。カスタムパーツも数多く販売されています。


車高を落としたてサイドバッグを路面すれすれにマウントしたり、エンジンや足回りをチューニングして走りの性能を高め、外観もドレスアップしたりしますが、バガーの明確な定義はありません。


敢えて言うのであればツアラーをベースとし、名前の由来となったバッグが装着されていることくらいでしょう。

遂にロードレースのシリーズ戦も


2021年、アメリカで開催されているMoto AmericaというロードレースシリーズでKing of Baggerというクラスが設けられました。

このレースではハーレーとインディアンのコンストラクター達が選ばれ、それぞれが独自のアイデアでマシンをチューニングしました。


レギュレーションにより、大きなカウルとサイドバックの装着が義務付けられていたのは、もちろんバガーらしさを失わないため。

チューナー達はカーボンで純正そっくりの軽量な外装を製作して軽量化。
エンジンをパワーアップし、外観はバガーそのままで飛び切り過激なレーサーを作り上げました。

このマシンを駆ったのは様々なレースで活躍している有名ライダー達です。
巨体を豪快に操り、時にはタイヤをスライドさせながらバトルする様子がSNSで世界中に配信され、大きな話題になりました。

2022年はデイトナ・インターナショナル・スピードウェイから第一戦がスタートし、全米で6戦が開催されます。
2021年にチャンピオン争いをしたハーレーのカイル・ワイマンとインディアンのテイラー・オハラは、更に激しいレースを見せてくれることでしょう。

バガーの世界は、マイナーなカスタムジャンルから少しずつ成長を続け、大きく羽ばたこうとしています。もしかすると今、一番ホットなカテゴリーかもしれません。

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