まだ乗れる、空冷エンジンのバイクを紹介!乗るなら今が最後のチャンスかも?!
公開日:2022.01.13 / 最終更新日:2024.08.15
バイクのエンジンには色んな種類がありますが、排気量や気筒数以外にも冷却方式にフォーカスして見てみるのも面白いかもしれません。
ちょっとマニアックに聞こえますが、それだけでも形や特徴、性格などが変わるものです。
空冷とは?
そもそも空冷とは文字通り空気で冷却するタイプのエンジンのこと。
エンジンを動かすと内部でガソリンが燃焼するので当然発熱しますが、冷却しなければ上がり続けてしまいます。
一定の温度以上に上がらないようにするために、水を循環させて冷やしたり(水冷)するわけですが、空冷は走行風の空気でエンジンを冷やしているシステムです。
なのでより効率よく空気で温度を下げるために、空冷エンジンには「フィン」と呼ばれる羽がついてます。
この無数のフィンが空気にあたって冷えるため、エンジン全体を冷却してくれます。
ですが、この空冷というシステムはかなり昔に生まれたシステムのため、現在では水冷エンジンのほうが圧倒的に多くなっています。
それだけで考えれば時代遅れなものとも言えてしまいますが、空冷エンジンは設計がシンプルな上、形も美しく、排気音やフィーリングも空冷でしか出せない味わいがあります。
新車で買える空冷バイクはグンと減っていますが、まだギリ中古や新車で乗れる空冷バイクはあるので今回はおすすめ車種を紹介していきます!
普通自動二輪免許で乗れる400cc以下の空冷バイク
Honda GB350
最近登場したばかりのニューモデルで空冷エンジンと言えばGB350。
クラシカルな雰囲気の車体に、味わいのある空冷エンジンが搭載されていて、レトロな雰囲気が好きだけど、本当の旧車はマニアックで乗れない!という方にもおすすめできるバイクです。
まだ登場してから日が浅いので、長い目で見て乗りやすい空冷バイクと言えるでしょう。
YAMAHA SR400
1978年に初期型が発売されてから現在のファイナルモデルまでエンジンの基本構成を変えずに残り続けた空冷エンジン定番のバイクがSR400。
空冷ならではの粘り強いトルクと、ドコドコと心地の良い振動を楽しませてくれるバイクです。
キックスタートのみなので最初は慣れが必要ですが、空冷に乗りたいならこれに乗っておけばまず間違いないバイクでしょう。
Honda FTR223
2000年代のストリートバイクブーム時に登場したダートトラッカースタイルのFTRも空冷エンジンを搭載しています。
大元になっているのは86年に発売されたFTR250ですが、FTR223はそのスタイルはそのまま、誰でも乗りやすくストリートで使いやすいように仕上げられたバイクです。
中古価格は安価な傾向にありパーツも豊富なので、ある程度洗練され始めた安定感ある空冷エンジンのバイクです。
Kawasaki 250TR
FTRと同様にストリートバイクブーム時に登場した空冷エンジンを搭載したバイク。
250TRはビンテージオフロードスタイルで、同じエンジンを積んだエストレヤはクラシックネイキッドスタイルのバイクです。
クラシカルに見せるためにエンジンの形もこだわって作られているので、レトロなスタイルのバイクに乗りたい方にもおすすめです。
SUZUKI ST250
ストリートバイクブーム時にスズキからはST250が登場しました。
こちらも空冷エンジンを搭載しており、車格も若干小柄なので女性にも人気なバイクです。
中古価格も安価な傾向にあり、免許取り立ての1台目で空冷に乗ってみたい!という初心者の方にもおすすめです。
SUZUKI テンプター
400ccの空冷単気筒というと国産ではSRがメジャーですが、実はSUZUKIからも空冷400ccが登場しています。
97年に発売されたバイクなので新しいとは言えませんが、SRとはまた違ったスタイルで空冷好きにはたまらなく魅力的なバイクです。
当時はそこまで売れなかったため、台数が少なく中古価格は少し高めですが、今ならまだ現実的に乗れる空冷バイクだと思います。
YAMAHA SRV250/ルネッサ
単気筒のSR400から派生し、空冷Vツインバージョンとして登場したSRV250。
その後名前を変えてルネッサへと派生しました。
アメリカンクルーザー譲りのVツインエンジンなので、トルクフルな性格で乗りやすさ、扱いやすさは抜群。
新しいバイクではありませんが、クラシックなスタイルでアメリカンじゃなく、ネイキッドで空冷Vツインというバイクは他を探しても中々見つかりません。
YAMAHA ドラッグスター250 ドラッグスター400
言わずとしれた400cc以下のアメリカンとして有名なドラッグスターシリーズ。
特に400ccは大型と同クラスくらい車格が大きいので迫力満点です。
中古相場は徐々に上がり続けていますが、台数が多いバイクなのでまだ探せば乗れるバイクだと思います。
Ducati モンスター400
イタリアのバイクメーカー、ドゥカティからも実は空冷の400cc以下のバイクが登場しています。
モンスターは900など大排気量がメインのシリーズですが、一時期400も生産されて日本でも人気なバイクとなりました。
アメリカンのVツインとは違い、90°で配置された空冷Lツインエンジンが400cc以下で味わえるのはドゥカティだけ!(カスタム車除く)
見た目通り、性格も結構スポーツライディングが楽しめるバイクなので、大型と一緒にツーリングに出かけても見劣りしません。
Ducati SCRAMBLER SIXTY2
スクランブラーブームの火付け役となったドゥカティのスクランブラーには実は400cc以下のモデルがあります。
モンスター以来久々に登場したSCRAMBLER SIXTY2にも空冷エンジンが搭載。
オンロードはもちろん、多少のオフロードなら走れてしまうスクランブラースタイルの400ccというだけでも珍しいですが、登場した2020年から現在でも販売されているバイクなので、今からでも長く乗り続けられるバイクです。
4気筒
Kawasaki ゼファー400
空冷の4気筒エンジンは70年代バイクを入れればたくさんありますが、その当時のバイクは価格が高騰しすぎているのと、パーツが少ないため現実的に乗れる車種は多くありません。
80年代に入ってライバルが次々と水冷化していく中、ゼファー400は89年に発売された空冷4気筒エンジンを搭載したバイク。
ゼファーシリーズは400,750,1100と多く展開しているバイクなので、古いバイクとはいえファンが多く、パーツもまだ作られています。
価格は高騰していますが、空冷4気筒にどうしても乗りたいならおすすめできるバイクです。
大型自動二輪免許で乗れる401cc以上の空冷バイク
KAWASAKI W650
Wシリーズはカワサキの前身、目黒製作所から続くロングセラーモデル。
伝統の空冷バーチカルツインエンジンを搭載しています。
現在でもW800が新車販売されていますが、W650は99年から2007年まで続いてその後W800となったモデル。
台数が多いため中古価格も比較的安価のため、今から空冷を楽しむなら是非おすすめしたいバイクです。
RoyalEnfield INT650/GT650
世界で最も歴史のあるバイクメーカーロイヤルエンフィールド。
イギリス発祥のメーカーで現在はインド生産となっていて、空冷エンジンを搭載したモデルが販売されています。
INTはクラシックネイキッドスタイル、GTはカフェレーサースタイルと同じ車体にマネジメントの違うエンジンが搭載されており、どちらも空冷です。
現在も新車で発売されていてパーツは世界中で取引されているので長く乗り続けられる空冷バイクだと思います。
Harley Davidson XL1200X
不動の王道アメリカン、ハーレーのXL1200X、通称フォーティーエイトも空冷Vツインエンジンを搭載したバイク。
大きな排気量ですが、初心者でも扱えるほど親しみやすい性格で女性にも人気なモデルです。
空冷ビックツインを楽しむなら一度は視野に入れておきたいバイクです。
BMW RnineT
BMWのボクサーツインは伝統あるエンジンで普通のエンジンとは形が違い、左右にシリンダーヘッドが飛び出た特徴的な形をしています。
RnineTは空油冷システムを採用しており、普通の空冷とは一味違った冷却方法。
フィーリングもボクサーツインと合わさって独特なので、旧型も現在の新型もおすすめできる大型モデルです。
Ducati SCRAMBLER ICON
スクランブラーの火付け役となったDucati SCRAMBLERシリーズの中でICONは定番モデル。
803ccの空冷デスモドロミックエンジンを搭載しています。
現在ではICONの他に様々なバージョンのスクランブラーが販売されていますが、2015年から販売されているバイクなので台数も多く、特に少し前のモデルは比較的安価で手に入れることができます。
MOTO GUZZI V85 TT
少し変わり種かもしれませんが、空冷ビックと言ったらモトグッツィも外せないメーカーです。
V85 TTは空冷縦置きVツインエンジンを搭載しており、アメリカンなどの横置きVツインとは違って左右からシリンダーヘッドが飛び出ています。
現在では珍しいシャフトドライブを採用するなどオールドスクールな設計ですが、現在でも新車で販売されているモデルです。
Honda CB1100
昔は当たり前だった空冷エンジンが徐々に減っていったのは効率もありますが、空冷では排ガス規制に対応したエンジンが作れないためでもあります。
そんな中ホンダが本気で作った空冷がCB1100。
現在販売されているモデル(EX/RS)でファイナルエディションとなりますが、現代だからこそ味わえる空冷4気筒のいいとこ取りをしたエンジンです。
これ以上更に上のレベルの排ガス規制になると空冷エンジンは簡単には作れなくなってしまうため、今の国産空冷に乗るならチャンスとも言えるバイクです。
Kawasaki ゼファー750 ゼファー1100
Zの血筋を受け継いだゼファーシリーズ。
現在ではファンが多く価格が高騰していますが、人気ゆえにアフターパーツが多く今からでも車両さえ手に入れば現実的に乗り続けられるバイクです。
現在のZ900RSは似たスタイルですが水冷になっているため、空冷4発を味わうならゼファーシリーズがおすすめです。
YAMAHA XJR1200 XJR1300
ヤマハの70年代から続くXJシリーズの後継、XJRシリーズで一番大きな排気量なのがXJR1200。
94年に登場し、98年にはXJR1300へとモデルチェンジされます。
その後2015年まで販売されていたロングセラーモデルです。
まだ価格も高騰しきっていないので、今からでも乗り続けることができ、アフターパーツも国内だけでなく海外でも販売されています。
ヤマハの空冷4発はバリエーションが少ないので他とは一味違った空冷4発に乗りたい方にもおすすめです。
空冷に乗るなら今が最後かも!
先述したとおり、排ガス規制のレベルが厳しくなっていくにつれて空冷エンジンは販売できなくなってきています。
現在ではギリギリ新車で販売されているものもありますが、新車が終わったタイミングで空冷は今よりさらに価格高騰していくかもしれません。
空冷にしかない味や音、フィーリングや造形美は唯一無二なので、空冷に乗りたい!と思ったら早めの購入をおすすめします!