ヴェルシスX250ツアラーとはどんなバイク?特徴や中古で選ぶ際のポイントを解説!
公開日:2024.09.19 / 最終更新日:2024.10.09
ヴェルシスX250ツアラーは、2017年2月にカワサキから発表され、4月から発売されたアドベンチャーツアラーモデルで2023年モデルまで日本に導入されていました。
本記事ではヴェルシスX250ツアラーの特徴や中古車を選ぶ際のポイントなどを解説していきます。
※本記事で掲載している画像にはメーカーオリジナルの状態と異なるものも含まれます。
アドベンチャーツアラーとは?
アドベンチャーツアラーはアスファルトだけでなく未舗装路の走行や長距離を走ることを想定して作られたモデルのカテゴリーです。
ただしオンロードとオフロードのどちらに重きを置くかはメーカーの考え次第。
オンロードメインのモデルがあったり、比較的フラットなダートの走行を意識したモデル、荒れたダートの走破を想定したモデルなどさまざま。
いろいろな場面を走ることから、過去にはデュアルパーパスやマルチパーパスなどと呼ばれた時代もありました。
そのころは250㏄エンジンを搭載しているマシンもありましたが、アドベンチャーツアラーという言葉が登場してからは日本では大型二輪免許を所持していなければ、選択肢がほとんどないという状況でした。
大型二輪免許を所持しているライダーの中でアドベンチャーツアラーを選ぶライダーが増加。
ただし、多くはシート高が高く足つき性が悪く車重も重いため、限られたライダーが選ぶという面もありましたが、一定の人気を集めるカテゴリーになりました。
そんな中、エントリーモデルとも呼べる250㏄エンジンを搭載したモデルが、2017年以降増加しています。
ホンダはCRF250ラリーを、スズキはVストローム250を、そしてカワサキはヴェルシスX250とヴェルシスX250ツアラーを投入。
その後も、2021年にKTMが250アドベンチャーを、2023年にはスズキがVストローム250SXをリリースし、活況を博しています。
250㏄アドベンチャーツアラーの違い
2017年に登場した250㏄アドベンチャーツアラーと比較しながら、ヴェルシスX250ツアラーの特徴に触れていこうと思います。
簡単に言うとCRF250ラリーはオフロードに、Vストローム250はオンロードに軸足を置き、ヴェルシスX250ツアラーはその中間と言った立ち位置にと言えるでしょう。
CRF250ラリー
CRF250ラリーはトレールモデルであるCRF250Lをベースに生まれたモデルにです。
フロント21インチ・リヤ18インチのスポークホイールと単気筒エンジンの組み合わせ、250㏄クラスの中ではオフ走破性の高いモデルで人気を集めていました。
そのCRF250Lを元に航続距離を伸ばすためガソリンタンク容量を増やし、ウインドプロテクションの高いフェアリングを追加。
そのぶん車重は増えましたが、ロングツーリングを楽しんだり、その道程に林道を交えるライダーに支持を集めました。
Vストローム250
Vストローム250はフルカウルスポーツのGSX250Rがベースです。
GSX250Rはライバルと違って街乗りで常用する低中回転域の扱いやすさを重視してロングストロークの水冷4ストロークOHC2バルブ並列2気筒を採用。
ライバルの多くがショートストロークのDOHC4バルブを採用していますが、スズキは別路線を歩んだのです。
ホイールベースもライバルと比べて長く、クイックなハンドリングよりも安定して走れることを重視していました。
Vストローム250は外観や装備をアドベンチャーテイストに仕立てられていますが、ホイールサイズはGSX250Rと共通。
技術があればフラットダートは走れますが、基本はオンロードを主体に楽しむライダーがほとんどでしょう。
ヴェルシスX250ツアラー
ヴェルシスX250ツアラーの特徴に触れる前にヴェルシスX250との違いを簡単に説明しましょう。
2017年に登場したとき、カワサキのカタログにはヴェルシスX250とヴェルシスX250ツアラーが存在しました。
ヴェルシスX250に、純正オプションパーツであるサイドケース・エンジンガード・ハンドガード・DCソケット・センタースタンドを装着したのがヴェルシスX250ツアラーです。
ヴェルシスX250の車両重量は175㎏で価格は税別58万3,000円だったのに対し、ヴェルシスX250ツアラーは車両重量が183㎏で価格は税別63万3,000円。
ただ、人気はヴェルシスX250ツアラーの方が高かったためか、2019年モデルからはヴェルシスX250ツアラーのみの設定になりました。
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サイドケース
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エンジンガード
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ハンドガード
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DCソケット
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センタースタンド
ヴェルシスX250ツアラーの特徴
250㏄クラスのアドベンチャーツアラーとしてはオン・オフをバランスよく走れるのがライバルと比較したヴェルシスX250ツアラーの特徴。
ここからはあらためてヴェルシスX250ツアラーの注目すべきポイントに触れていきたいと思います。
エンジン
エンジンはフルカウルスポーツであるニンジャ250の水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒エンジンが搭載されていますが、そのままというわけではありません。
オフロード走行で求められる低回転域の粘り強さと、中回転域からのスムーズな加速特性を意識してチューニングがほどこされています。
2017年式ニンジャ250が、31ps/11,000rpm・2.1kgf/8,500rpmなのに対し、ヴェルシスX250ツアラーは33ps/11,500rpm・2.1kgf/10,000rpmと出力が上がり、出力トルクの発生回転も高まっています。このおかげで街乗りやダート走行など低回転域を使う場面で扱いやすく、高速道路やワインディングなど高回転域まで回して楽しめる特性になっているのです。
またアシスト&スリッパークラッチが採用されています。これはエンジンブレーキを緩和することに加え、クラッチレバーを握る力が軽くなることも特徴のシステム。とくにヴェルシスX250ツアラーは軽く、小指1本でも操作することが可能なほどです。
車体・足まわり
ダート走行も視野に入れ、フレームは新設計されたスチール製バックボーンフレームを採用。
フロントフォークはこのクラスとしては太めのインナーチューブ径φ41ミリの正立タイプで、リヤはリンク式モノショック。
ちなみにニンジャ250も似たような構成ですが、ホイールトラベルはフロント120㎜・リヤ134㎜に対して、ヴェルシスX250ツアラーはフロント130㎜・リヤ148㎜としていることから、ダート走行を意識した作り込みがなされているのです。
加えてホイールはワイヤースポークで、フロント19インチ・リヤ17インチと、オンとオフをバランスよく走れるサイズになっているのも特徴です。
ブレーキ
ブレーキは前後ともにシングルディスクで、サイズはフロントφ290㎜・リヤφ220㎜のペタルタイプが採用されています。
これはニンジャ250も同じで、十分な制動力が期待できる仕様。ちなみにヴェルシスX250前後にABSが標準装備されているのも特徴です。
ガソリンタンク
ヴェルシスX250ツアラーに限らず、アドベンチャーツアラーは航続距離も重要なポイントになります。
航続距離が長ければ、長距離を走る際に給油回数を減らせるからです。
ヴェルシスX250はガソリンタンク容量が17Lで、燃費の参考値であるWMTCモード値の数字で計算すると満タンから約437㎞走れることになります。
フェアリング
大型のフロントカウルやスクリーンが標準装備されているので、ウインドプロテクション効果は高いです。
高速道路を長時間走る場合には疲労に差が出てくる要素です。
またヴェルシスX250ツアラーにはハンドガードが標準装備されているので、冬場には冷たい走行風がわずかながら緩和されるのもポイントになります。
足つき性
アドベンチャーツアラーは他のカテゴリーと比べるとシートが高い部類。
ヴェルシスX250ツアラーも815㎜と、250㏄クラスの中ではシート高は高い部類に入ります。
ただ、大排気量のアドベンチャーツアラーと比べればシート高は低く車重も軽いため、アドベンチャーバイクの入門機としてはオススメと言えます。
メーター
センターにアナログ式タコメーターを配置し、その一部に250㏄クラスとして初となるギヤポジションを装備していたことも特徴です。
スピードなどは右側にある液晶部に表示されます。
ヴェルシスX250ツアラーの中古車選びの注意点
車両の程度の確認
ヴェルシスX250ツアラーに限らず中古バイク共通の話となりますが、中古バイクは一点もので1台1台状態が異なります。
そのため、中古で選ぶ際に車両の程度の確認が最も重要です。
中古車の値段は車両の人気・程度・年式・走行距離などのさまざまな要素を総合的に見て設定されます。
『値段が安いから』と価格だけで購入の判断をしてしまうと後悔につながる可能性もあるため慎重に選ぶことをオススメします。
ヴェルシスX250ツアラーは発売が2017年で、導入終了が2023年と比較的新しいモデルだと言えます。
そのため経年劣化によるトラブルが発生する可能性が比較的低いのも魅力と言えますが、前オーナーがどのような乗り方をしていたかはわからないためしっかりと納車整備を行うことが重要です。
車両のキズの確認
ヴェルシスX250ツアラーはシート高が高いため立ちゴケする可能性が高いモデルになります。
またダートを走行すれば低速での転倒もあったり、飛び石などで車体にキズが入っていることも。
立ちゴケでレバーやバーエンド、ミラーに少しキズがついている程度であれば走行に大きな問題になりません。
キズが気になるのならば部品交換という流れになりますが、かかる費用はそこまで高額にはなりません。
しかし、ガソリンタンクに凹みがある場合、修理をしたりガソリンタンク自体を交換すると、多額の費用がかかることになるのでチェックしましょう。
車体全体を確認してキズなどの状況を確かめながら『どの程度であれば許容できるか』を考えて選ぶのがいいでしょう。
納車整備内容の確認
安心・安全にバイクに乗るためには油脂類の交換をはじめとしてバイク全体の点検・整備が必須です。見積もりの中に整備の金額が含まれているか、納車整備でどのような箇所の整備を行なうか確認するといいでしょう。
また、インターオークションサイトやフリマアプリなどでの個人売買や現状販売は、自身で整備を行なうことが前提となり保証も付かないため、バイク初心者にはオススメできません。しっかり整備を行ない、保証もしっかりとしている販売店で購入するのが安心だと思います。
カスタムパーツに注目
中古バイクには前オーナーがオプションパーツを取り付けてカスタムを行なった状態の車両も市場に多く流通しています。
購入後に取り付けようと思っているカスタムパーツが既についている車両を選ぶことで、パーツ代と取り付け工賃を浮かせることができるため、購入後に取り付けるよりも総額で見てお得になるケースもあります。
同じような価格帯で比較していて程度・年式・走行距離等に大きな差がない場合、カスタムの入り具合で比較するという選び方もあります。
ヴェルシスX250ツアラーはカスタムベースとして人気は高くありませんでしたが、専用パーツがまったくないというわけではありません。そのため中古車でカスタムされていれば要注目です。
そこで、中古車を選ぶ際にはどのようなカスタムパーツに注目するべきか解説します。
フォグランプ
フォグランプは霧や雨などの悪天候で視界が悪い中でも視界を確保するためのランプです。
二輪には装着義務の無いパーツですが、フォグランプには悪天候時以外にも夜間走行時の視界を広げる効果があります。
バイクは車と比較して周囲から認識されにくいという特徴があります。
フォグランプがついていることにより相手への存在のアピールへと繋がり、視界を広げるだけではなく事故防止の効果にも期待が持てるでしょう。
フォグランプは高価なパーツのためパーツ代と取り付け工賃を合わせると取り付けにかかる費用の総額が5万円を超えることも珍しくないでしょう。
見た目がカッコイイという理由でドレスアップパーツとしても人気があるパーツなので、ぜひフォグランプにも注目してみてください。
マフラー
マフラーは外観を変えるのみではなく排気音量・質を変え、性能のアップにも期待のできるパーツです。
ヴェルシスX250ツアラー用のマフラーを扱っているアフターパーツメーカーもいくつかありますが、カスタムベースとして人気の高いモデルよりも選択肢は少ないです。
ただ社外製マフラーの値段は製品によって変わりますが、高額なパーツになります。
気になっているメーカーのマフラーがあるのであれば、そのマフラーが装着されている中古車を探すというのも一つの手でしょう。
また、マフラーが交換されている場合は、購入した車両の年式と社外マフラーが保安基準を満たしているかを確認しましょう。
スクリーン
ウインドプロテクション効果の高いヴェルシスX250ツアラーですが、さらに高めるために社外スクリーンに変更するオーナーも。
防風効果を気にするなら、この点にも注目して車両を選びましょう。
積載パーツ
バイクは積載性が非常に少ない乗り物ですが、ヴェルシスX250ツアラーにはサイドケースが標準装備されているので積載性は多いと言えます。
また、リヤキャリアも装備されているので、そこにテールバックやトップケースを組み合わせやすいのも特徴です。
ドライブレコーダー
ヴェルシスX250ツアラーが登場してから数年後、『あおり運転』が社会問題になりました。
現在ではこのあおり運転に対策を講じることが安全なバイクライフを送るえでの一つのポイントになっています。
その対策アイテムがドライブレコーダー。このアイテムは基本的に汎用品になります。
カメラを車体に装着するステーが必要になりますが、汎用ステーを加工したり、ステーをワンオフで製作すれば取り付けは可能です。
ヴェルシスX250ツアラーを購入してドライブレコーダーが必要なら、販売店に相談しましょう。
ただカメラ自体の価格と装着にともなう工賃は必要になります。見積もりを出してもらい、予算内であれば採用しましょう。
すでにドライブレコーダーが装着されている中古車を選ぶことで、新たにドライブレコーダーを取り付けるよりも総額で見てお得になるケースもあるため要注目のパーツです。
スマートフォンホルダー
現在、スマートフォンのナビアプリを使ってツーリングを楽しむ人が増え、車体の見やすい位置にスマートフォンをセットする『スマートフォンホルダー』が登場しました。
ヴェルシスX250ツアラーにはDCソケットが標準装着されているのでスマートフォンの充電が可能なため、スマートフォンホルダーを購入すれば鬼に金棒と言えるでしょう。
ETC
2010年ごろからバイクでも本格的に普及が始まったETC。スムーズに料金所を通過でき、スマートインターを使えるようになったり、各種割引サービスが受けられるのがメリットです。
ヴェルシスX250ツアラーには標準装備されませんでしたが、純正オプションが用意されていたので装着されている可能性は高いと言えるでしょう。
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