YZF-R25はどんなバイク?特徴や中古で選ぶ際のポイントを解説!
公開日:2024.08.07 / 最終更新日:2024.08.20
YZF-R25はヤマハから発売されている250㏄のフルカウルタイプのスポーツバイクで、初登場の2014年から現在に至るまで250㏄バイクの新車販売ランキングの上位にランクインし続けるほどの人気モデルです。
本記事ではYZF-R25の特徴や中古で選ぶ際のポイントなどを解説していきます。
※本記事で掲載している画像にはメーカーオリジナルの状態と異なるものも含まれます。
フルカウルスポーツというカテゴリー
YZF-R25の発売がスタートしたのは2014年12月のことでした。
その発売を待ち望んでいたライダーは多く、2015年の126〜250㏄クラスの中でトップの販売台数をマークするほど。
その理由は後述しますが、注目を集める素地は長年かけて作られてきたのです。
126〜250㏄クラスでフルカウルを身にまとうモデルは1980年代のバイクブームから存在しました。
いわゆるサーキットを走るレーシングマシンに由来する『レーサーレプリカ』です。
国内4メーカーはライバルよりも性能の高いマシンを送り出すべく、頻繁にモデルチェンジを敢行。
それに合わせて当時のライダーの注目を集め、販売台数も伸びました。
しかし、高性能化によって操るには相応の技術が求められたこと。高性能化とともに価格が上昇したこと。前傾姿勢のキツいライディングポジションであったこと。
さまざまな理由から徐々に人気が落ち始めたのです。
その代わりに登場したのが、オールラウンドに扱える性能、レーサーレプリカよりも手の届きやすい価格、リラックスしたアップライトな乗車姿勢がとれるネイキッドモデルで、多くのライダーが注目しました。
それ以外にもアメリカンモデルやビッグスクーター、シンプルな単気筒エンジンを搭載するストリートモデルなどの人気が高まり、2000年代に入るころには、レーサーレプリカは生産終了になってしまいました。
その後も、年々厳しくなる排出ガス規制の影響を受け、いわゆる中型クラス、126〜400㏄で生産終了になるモデルが増加。
2008年から厳しくなる排出ガス規制に対応せず、2007年に生産終了となるモデルが多かったのです。
しかし、2008年にカワサキがフルカウルを身にまとうNinja250Rを投入。
レーサーレプリカのように過激な性能ではなく、エンジンは水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒で、最高出力も31psと大人しめ。
ライディングポジションもレーサーレプリカのように前傾がキツくなく、さらにはメーカー希望小売価格も税込みで498,000円とリーズナブル。
それでいながらスポーティなデザインと、扱いやすい出力特性と車体構成。それでいながらその気になれば、十分スポーティーな走りも楽しめる。
そのため幅広いライダーから支持を集め、ヒットモデルとなったのです。
ただし、この流れは一気に広がりませんでした。
1980年代以降、さまざまなブームが広まりました。1980年代から1990年代のレーサーレプリカブーム、1990年代以降のネイキッドブーム・アメリカンブーム・ビッグスクーターブーム・ストリートブームでは、国内4メーカーはそのブームに合わせてニューモデルを投入。
しかし、Ninja250Rの人気に追随したのはホンダのみ。それもNinja250Rが登場してから3年後、2011年にリリースさたCBR250R(MC41)です。
このCBR250RはNinja250Rと違い、エンジンは水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒エンジンで最高出力は27ps。
Ninja250Rと比べるとパワーは劣りますが、軽量&コンパクトな車体も相まって、こちらも多くのライダーから支持を集めました。
Ninja250RとCBR250Rはレーサーレプリカとスタイル的には似ていますが、扱いやすさやライディングポジションの違いから『フルカウルスポーツ』と呼称されることが多いです。
場合によってはスーパースポーツと呼ぶこともありますが、600㏄と1,000㏄クラスとは一線を画すことから、本記事ではフルカウルスポーツと呼称します。
このフルカウルスポーツがレーサーレプリカと違う点がもう一つあります。
それは日本市場だけをターゲットにしたモデルではない、いわゆる『グローバルモデル』であることです。
とくにバイク人気が高い東南アジアをメインマーケットにしており、現地の好みなども考慮して開発が進められ進化をとげています。
フルカウルスポーツの祖と言えるNinja250Rは2013年にNinja250へモデルチェンジを受け、CBR250Rも2014年にモデルチェンジを受けました。
性能面も多少強化されましたが、よりシャープなスタイルが採用され、どちらも好調なセールスをマーク。
この流れでフルカウルスポーツをリリースしていないヤマハとスズキの動向に注目するライダーも少なくありませんでした。
満を持して登場したYZF-R25
ヤマハが作るフルカウルスポーツに期待を寄せるライダーが増える中、2013年に開催され東京モーターサイクルショーで『R25』を参考出展し注目を集めました。
そしてそれから約1年後の2014年12月から『YZF-R25』として、日本での発売がスタート。
冒頭でも触れましたが、2015年の126〜250㏄クラスでトップセールスをマークしたわけです。
このYZF-R25の登場後も、フルカウルスポーツモデルカテゴリーは成長を続けています。
カワサキが2015年に水冷単気筒エンジンを搭載するNinja250SLを、2017年にはホンダが並列2気筒エンジンを搭載するCBR250RR(MC51)を、スズキが2017年に並列2気筒エンジンを搭載するGSX250Rを投入。
レーサーレプリカ時代は、サーキットでつちかったノウハウを市販車にフィードバック。極論を言えば性能を追求して開発が進められていました。
一方フルカウルスポーツは、それぞれが個性を持っています。
排出ガス規制の影響で4ストロークオンリーになったが、車両メーカーはそれぞれのコンセプトに基づき、単気筒と並列2気筒を選択。
同じ並列2気筒であっても、キャラクターは異なっています。
また車体構成もフルカウルスポーツはスチールフレームを採用されますが、細かな仕様には差があるため、乗り味も違ってくるのです。
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Ninja250(EX250L型)
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Ninja250SL
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CBR250R(MC41後期型)
YZF-R25の特徴
レーサーレプリカと違い、フルカウルスポーツはビギナーでも扱いやすく、ベテランならばマシンのポテンシャルを発揮させ、かなりハイペースな走りを楽しめるのが特徴の一つ。
もちろん車両によって特性は異なりますが、その中でもYZF-R25はその開発コンセプト『毎日乗れるスーパーバイク』のとおり、気軽に街乗りを楽しめる一方で、その気になればスポーティーな走りも楽しめる懐の広さが魅力。
そのため、幅広いキャリアのライダーが相棒に選んだのです。
幅広いシーンで楽しめるエンジン特性
YZF-R25は水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒エンジンを搭載しています。
開発の時点で単気筒も検討されたといいます。どちらもメリット・デメリットはありますが、最終的に並列2気筒に。
ちなみにYZF-R25が登場した時点では、水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒エンジンを搭載するフルカウルスポーツモデルはNinja250のみ。
このNinja250は1985年に登場したGPZ250Rのエンジンがベース。吸気システムはキャブレターからフューエルインジェクションになっていますが、基本設計は古いと言えます。
一方、YZF-R25は完全新設計。そのため、最高出力はNinja250が31psなのに対し、YZF-R25は36psを発揮します。
また単純な数値だけでなく、街乗りで多用する低中回転域の扱いやすさを追求。
その反面、14,000rpmまで回るエンジンは、回転数を上げて走ることも楽しめます。
街乗りからツーリング、旅先で遭遇するワインディング、はてはサーキットまで、さまざまなシーンで走りを楽しめるエンジンになっているのです。
一方単気筒エンジンのモデルと比較すると、最大トルクは変わりませんが、最高出力はYZF-R25が上回ります。
並列2気筒エンジンは単気筒エンジンにと比較して最高速度や高回転域の伸び、振動面で有利という傾向があり、250㏄という排気量で考えると余裕のある走りが楽しめるのもポイントです。
ただ、並列2気筒エンジンは単気筒エンジンと比べると燃費がやや劣るという面も。
余裕や快適性とトレードオフになってしまう面は否めません。
なおガソリン満タンで走れる距離は大きく変わらないので、YZF-R25を相棒に選び『給油頻度が多い』と、ツーリングで不満を感じることはないでしょう。
安心かつ軽快なハンドリングが楽しめる車体構成
Ninja250やCBR250Rが人気を集めた理由の一つに扱いやすさがあります。
そのため街乗りやツーリングの相棒として選ぶライダーも多かったのです。
YZF-R25は後発だけあって、その特性にさらに磨きをかけて送り出されています。
並列2気筒エンジンを搭載しながらも、スリムな車体を追求。
前後の重量バランスもこだわりって50:50にし、サスペンションなどの設定も吟味されました。
その結果、ライダーの入力に対して素直でありながら、スポーティーな走行もこなす軽快なハンドリングを楽しめるマシンであったことも多くのライダーから支持を集めたポイントの一つです。
気軽に走り出せる取りまわし性
バイクライフを送るうえで、意外に注目されないのが取りまわし性です。
普段駐輪している場所から動かすとき『重くて大変…』『車格が大きい…』『ハンドルが切れない…』となると、バイクに乗る気がなくなってしまうことも。
YZF-R25は車格もコンパクトですし、車重も並列2気筒エンジン搭載車としては軽い部類に入ります。
加えてセパレートハンドルにしてはハンドル切れ角もあるので、取りまわしで苦労することはないでしょう。
ツーリングにもプラスになる装備
フルカウルスポーツはセパレートハンドルを採用しているため『長時間乗っていると手首に負担がかかるのでは?』と思う人もいるのではないでしょうか。
しかし、フルカウルスポーツはレーサーレプリカのように極端に低い位置にセットされておらず、YZF-R25に限らず、しっかりとニーグリップすれば長距離も十分こなせます。
その一方でフルカウルを装備していることで、ウインドプロテクションが高いというのも魅力の一つ。とくにYZF-R25のカウルデザインに惹かれたライダーも多くいました。
足つき性は一般的
バイク選びのポイントの一つになるのが『シート高』です。フルカウルスポーツは780㎜〜に設定されているモデルがほとんど。
足の長さにもよりますが、170㎝以上あれば両足カカトまで届く事が多いでしょう。
YZF-R25のシート高は780㎜。並列2気筒エンジンですが、フレームやシート形状が工夫されており足つき性は決して悪くありません。
仮に身長が170㎝以下でも、車重が軽い部類に入るので、片足でも車体を支えられる事が多いですが、足つきに不安がある方は近隣のバイク販売店で一度実車にまたがってみることをオススメします。
YZF-R25の登場でさらに活性化
YZF-R25の登場以降、フルカウルスポーツモデルの選択肢は増加しました。
カワサキは2015年に単気筒エンジンを搭載するNinja250SLを(Ninja250SLは2016年モデル以降は国内に正規導入されていません)、2018年には並列2気筒エンジンのNinja250を大幅刷新しEX250P型をラインナップ。
2020年には250㏄クラスで久しぶりの並列4気筒エンジンを搭載するNinja ZX-25Rが登場しました。
ホンダは並列2気筒エンジンを搭載するCBR250RR(MC51)をラインナップ。(CBR250Rは2017年モデルを最後に生産終了となっています)
スズキは2017年に並列2気筒エンジンのGSX250Rを、2020年に単気筒エンジンのジクサーSF250を投入したのです。
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Ninja250SL
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Ninja250(EX250P型)
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Ninja ZX-25R(EX250P型)
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CBR250RR
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GSX250R
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ジクサーSF250
YZF-R25も進化する
2014年12月に登場したYZF-R25は、その後大きな変更を受けることなく、カラー&グラフィックの変更が行なわれてきました。
しかし、ライバルメーカーがニューモデルを投入したり、既存モデルをブラッシュアップを実施。
そんな状況の中、2019年に大幅な改良を受けたYZF-R25が登場しました。
基本コンセプトはキープ
250㏄フルカウルスポーツを選ぶライダーの中には、サーキットを舞台にするライダーもいます。
草レースからJP250といった本格的なレースとさまざま。
その中で速さを見せたのはホンダCBR250RRでした。
CBR250RRは2017年の登場時点でフルカウルスポーツの中でトップとなるパワーを発揮し、倒立フロントフォークやライディングモードの変更など、かなりスポーツを意識して作り込まれたモデル。
ただし価格もフルカウルスポーツの中ではもっとも高額になりました。
その翌年となる2018年にカワサキがNinja250を大幅に刷新。
とくにエンジンはGPZ250R由来ではなく、新たに設計されました。
CBR250RRを意識した面もあり、YZF-R25を上回るパワーを発揮。
それでもサーキットでのCBR250RRの優位は変わりませんでした。
そんな中、YZF-R25にも変化を求める声が高まり、2019年にモデルチェンジが行なわれたのです。
スポーティーさを高めるための手が加えられましたが、ただCBR250RRRを追いかけるのではなく、毎日乗れるスーパーバイクというコンセプトはキープされていました。
そのためエンジン自体に手は加えず、MotoGPマシンYZR-M1を彷彿とさせるシャープなデザインを採用。
エアロダイナミックスも追求し、最高速も従来型より伸びたとのアナウンスがヤマハからされました。
合わせてヘッドライトが従来型がハロゲンバルブだったのに対しLEDを採用。
乗りやすさとスポーツ走行時のフィット感高めるため、ハンドル位置とガソリンタンクの形状を変更。
旋回時の接地感を高めるための倒立フロントフォーク化や視認性の高いフル液晶メーターが採用されました。
YZF-R25の前期モデルと後期モデルの違い
2014年から2018年までのモデルを前期型、2019年以降のモデルを後期型に分け、その違いを説明していきます。
エンジン
エンジンは同じ水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒・249㏄エンジン。
基本的に前期型からの継続になりますが、排出ガス規制の影響などもあって、前期型と後期型で1psの違いがあります。
ですが、街乗りで多用する低中回転域の扱いやすさは変わらず、高回転域の伸びも後期型の空力特性が向上していることもあり、大きな差は感じません。
ただ後期型の方が燃費が向上しているので、財布に優しいとも言えます。
車体まわり
前期型と後期型とで、基本骨格の変更はありません。
ただし、フロントフォークは正立タイプから倒立タイプに。
これはコーナリング時にの安定感を求めての変更になり、よりスポーティーな走りが楽しめるようになっています。
また正立タイプから倒立タイプにしたことに合わせ、剛性バランスを最適化するためにトップブリッジの形状も見直されています。
前期型でも十分にスポーツ走行は楽しめますが、よりスポーツにこだわるなら後期型がオススメです。
ライディングポジション
前期型も後期型も、ハンドルはいわゆるセパレートタイプになりますが、前期型はトップブリッジ上にセットされており後期型はトップブリッジ下にセットされています。
後期型の方がよりスポーティなライディングポジションをとれますが、一般的にキツいと思うほどのレベルでは無いでしょう。
なおシート高やステップ位置に変更はないので、わずかに前傾姿勢が強まったと表現するのが適切でしょう。
外装パーツ
バイクを選ぶにあたって車体のデザインは重要な要素です。
好みは人それぞれですので、前期型と後期型を見比べて、自分の感性に合うモノを選ぶと良いでしょう。
ただ前期型と後期型とではヘッドライトのバルブが異なります。
前期型がハロゲンなのに対して、後期型がLED。一般的にはLEDの方がや感じの視認性が高いと言われていますが、前期型が暗いというわけではないので安心してください。
またガソリンタンクの容量は変わっていませんが、デザインが違います。後期型の方がスポーツライディングに向いた形状に変更されました。
ABS
ABSはアンチロックブレーキシステムの略称で、走行中に急ブレーキをかけた際にタイヤをロックさせないようにするための安全装置です。
不意に何かが飛び出し、反射的にレバーをガツンと強く握ってブレーキがロック…。それによって転倒することもあり、そのリスクを低減させるための装備がABSです。
YZF-R25は2020年モデルまでは選択式でした。2021年以降は法律でABSを標準装備することが義務化されたため、以降はABS仕様のみとなります。
『ABSが付いていない=危険』というわけではありませんが、万一の事を考えた際にはABSが付いている方が安全性が高いと言えます。
バイク販売店ではバイクの値札(プライスカード)にABSの有無が記載されていることが一般的ですが、ホイール中央のABSセンサーの有無でも見分ける事ができます。
メーター
前期型はアナログ式タコメーターを採用し、スピードやオドは液晶部に表示されます。
一方、後期型はフル液晶で、タコメーターはバーグラフに変化。
基本的な情報は前期型も十分に表示されるので、よほどこだわりがなければメーターで選ぶ必要はないでしょう。
また、どちらも現在何速に入っているか表示されるギアポジション表示がある事は初心者ライダーにとって嬉しいポイントです。
RG43JとRG74Jの違い
YZFR25の後期型は2019年に倒立フロントフォーク化や、空力特性を意識したカウル形状などの変更を受けています。
ちなみに認定型式で言うと『2BK-RG43J』・原動機打刻型式は『G402E』ですが、2022年モデルから『8BK-RG74J』・原動機打刻型式は『G403E』もラインナップされています。
見た目は大きく変わっていませんが、平成32年排出ガス規制に適合させるための処置がほどこされています。そのため認定型式・原動機打刻型式が変わっているのです。
ちなみに最高出力・最大トルクは変わりませんが、燃料消費率は2022年モデルからは若干低下しています。
また、前後ウインカーがシャープな形状変更され、LEDを採用しているのも特徴。
加えてアップのみになりますが、クラッチレバーを握らずにシフトアップできるクイックシフターが純正オプションに設定されたこともトピックになります。
オプションで全ての車両に搭載されているわけではないため、RG74J型を中古で選ぶ際は該当車両のクイックシフターの有無もチェックすると良いでしょう。
(フェンダーレスカスタム車両)
YZF-R25とYZF-R3との違い
YZF-R25は2014年12月から日本国内で発売がスタート。それから4ヶ月後になる2015年4月から『YZF-R3』が発売されました。
外観における違いは車体に配されるロゴとステップのヒールガード程度。
ちなみにヒールガードに穴が空いているのがYZF-R25で、穴が空いていないのがYZF-R3です。
それ以外で大きな点は排気量が違うことです。
基本骨格となるフレームなどは共通ですが、YZF-R25が249㏄なのに対して、YZF-R3は320㏄。
YZF-R3は日本では車検のある排気量ですが、中には「中途半端な排気量だ」と思う人もいるでしょう。
これは日本ではなく海外市場を視野に入れての設定になります。
YZF-R3の最高出力は31kW(42ps)/10,750rpmで、最大トルクは30N・m(3.0kgf・m)/9,000rpm、YZF-R25は27kW(36ps)/12,000rpm・ 23N・m(2.3kgf・m)/10,000rpmと、数字だけ見れば大きな違いはないと思われがちですが、実際に乗り比べると高速道路での合流する際の加速、スポーツ走行時などにおいてYZF-R3の方が余裕のある走りを楽しめるのです。
YZF-R3は車検が必要になる排気量のため、ランニングコスト的にはYZF-R25の方が有利だと思う人も多いかもしれません。
しかし、タンデム走行や長距離ツーリングが多い方など「余裕」を求める人はYZF-R3を選ぶのもオススメです。
YZF-R25を中古で選ぶ際のポイント
YZF-R25は登場以来人気が高く流通台数も多いので、中古車選びの選択肢は豊富。
ちなみに前期型と後期型を比べると、前期型の販売台数のほうが多い傾向にありますす。
実際にYZF-R25の中古車を選ぶ際にはどのようなところに注目するべきか解説していきます。
車両の程度の確認
YZF-R25に限らず中古バイク共通の話となりますが、中古バイクは一点もので1台1台状態が異なります。そのため、中古で選ぶ際に車両の程度の確認がもっとも重要です。
中古バイクの値段は車両の程度・年式・走行距離などのさまざまな要素を総合的に見て設定されます。
『見た目はキレイで意外に値段が安いから』と価格だけで購入の判断をしてしまうと、外から判断できない部分が不調を抱えていたり、トラブルの原因になって、後悔につながる可能性もあるからです。慎重に選ぶといいでしょう。
また気軽に乗れるスーパーバイクというコンセプトもあり、ビギナーでも扱いやすいマシンなので、乗り慣れないうちに立ちゴケするライダーもいたりします。
カウルなどにキズや割れがあるケースもあるのでしっかりと確認しましょう。
走行に問題ないレベルでも交換をするとなると当然費用が発生します。特にバイク全体を覆っているカウルは高額なパーツです。
車体全体を確認してその傷は許容できるレベルなのか、それとも価格が上がってしまうのを前提で交換するか、別の個体を選ぶのかなどを選ぶと良いでしょう。
限定車の存在
YZF-R25には世界最高峰のオンロードレースMotoGPで活躍するYZR-M1のカラーリングを模した外装が与えられたモデルをはじめ、通常モデルと異なる特別な外装を採用したモデルも存在します。
これらのモデルは生産台数が限られているため、市場に出回っている台数も少ない傾向にあります。
他のライダーと差をつけたいのであれば限定モデルを選ぶのもありでしょう。
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Movistar Yamaha
MotoGP Edition -
Monster Energy Yamaha
MotoGP Edition -
WGP 60th Anniversary
車整備内容の確認
安心・安全なバイクを送るためには消耗品や油脂類の交換をはじめ、バイク全体の点検・整備が不可欠です。
一般的なバイク販売店であれば、納車前に各部の点検・整備をしてくれますが、当然、車体本体価格とは別で納車整備の費用が生じます。
見積もりの中に整備の金額が含まれているか、納車前の整備でどのような内容を行なうかを確認するといいでしょう。
ちなみに、インターネットオークションサイトやフリマアプリなどでの個人売買や現状販売は、一般的なバイク販売店よりも価格がリーズナブルなこともありますが、自身で整備を行なうことが前提となり、保証も付かないため、バイク初心者にはオススメできません。
カスタムパーツに注目
中古バイクには前オーナーが純正オプションパーツや社外メーカーが開発したパーツを取り付けている。いわゆるカスタムされた状態の車両も市場に多く流通しています。
購入後に取り付けようと思っているカスタムパーツが既についている中古車両があれば、購入してから取り付ける際と比較するとパーツ代と取り付け工賃を浮かせることができるため、購入後に取り付けるよりも総額で見てお得になるケースもあります。
同じような価格帯で比較していて程度・年式・走行距離などに大きな差がない場合、カスタムの内容で比較するという選び方もあるので覚えておきましょう。
中古で選ぶ際にはどのようなカスタムパーツに注目するべきか解説します。
なおYZF-R25はカスタムベースとして注目する社外パーツメーカーが多数あり、専用パーツの選択肢が多いのも特徴の一つです。
いろいろな車両に装着できる汎用パーツなども組み合わせれば、専用パーツと異なり加工などがともなう場合もありますが、かなりカスタムを楽しむことができます。
ETC
国産メーカーの大排気量車の一部、海外メーカーの一部のモデルには、ETCが標準装備されていることもありますが、YZF-R25には未装着。
このETCがあれば高速道路の料金所をスマートに通過することができます。
しかし未装着の場合には『料金所で停止→ギヤをニュートラルに入れる→グローブを外す→財布を取り出す→料金を支払う→財布をしまう→グローブをつける→発進する』という動作が必要。
これがないだけでも装着する価値はあります。
また、ETC装着車限定のスマートインターチェンジが使用できるようになったり、休日割引や深夜割引といった割引サービスの恩恵も受けることができます。
ドライブレコーダー
あおり運転が社会問題になってからはバイクにドライブレコーダーを取り付けるライダーが増えました。
ドライブレコーダーには事故時の記録のみではなく、ツーリングの思い出を映像として残すこともできるというメリットがあります。
ドライブレコーダーそのものが高額であることに加え、取り付けにも電源の取り出しなどが必要となるため、ドライブレコーダーがついている中古車は要注目です。
カメラ自体は専用品ではありませんが、カメラを車体に組み付けるステーが専用品になることもあります。
ちなみにドライブレコーダーは前後2カメラのタイプがオススメです。
給電システム&スマホホルダー
スマートフォンのナビアプリを使ってツーリングを楽しむライダーが多く、そのスマートフォンを見やすい位置に装着するスマートフォンホルダーを採用するライダーは非常に多いです。
また、アプリを使っていれば電池が減っていきますが、途中で電池が切れてアプリが使えなくなったら…。
そのため給電システム(シガーソケットやUSB充電ポート)を追加するのが一般的です。
最近では充電システムを標準装備する車両も増えていますが、YZF-R25に関しては未装着。
また、スマートフォンホルダーもセパレートハンドルであるため、バーハンドルよりも選択肢が少なくなっています。
積載アイテム
バイクは積載性が非常に少ない乗り物で、YZF-R25も変わりません。ただ積載性をアップさせる方法はあります。
車体の左右にサイドバッグを取り付けたり、リヤキャリアを設置してそこに荷物を組み合わせたり、トップケースを装着できます。
トップケースはサイドバッグと比べると容量が大きく鍵もかけられることが多いため、セキュリティ面でも強い特徴があります。
その反面目立つパーツでもあるため、車体の外観を損なってしまうという理由で避けるライダーも一定数います。
普段使いの時は取り外し、ロングツーリングに行くときのみ増設するといった選択もありでしょう。
ライディングポジション
自分の体格に合わせたり、より好みのライディングポジションに変更することで、ライディングはより楽しくなったり、快適になったりします。
YZF-R25は比較的アップライトなセパレートハンドルですが、アップライトなバーハンドル仕様やスペーサーを加えるオーナーも。
逆により低い位置になるハンドルに変更するユーザーもいたりします。
ステップには位置を変更するキットがあります。好みは人それぞれなので、中古車に手が入っている場合は、一度またがってみることをオススメします。
なおシートは専用品はありませんが、中には足つき性を考慮して内部のウレタンを削ってアンコ抜きをしていることも。
足つきはよくなりますが、その反面快適性は低下しているので、どちらを重視するかを考えましょう。
マフラー
バイクのマフラーは外観を変えるのみでなく、排気音量/質を変え、軽量化や出力特性の変化など、性能のアップにも期待のできるパーツです。
YZF-R25の社外マフラーの選択肢は多く、テールパイプとサイレンサーを交換するスリップオンタイプと、マフラー全体を交換するフルエキゾーストタイプから選べます。
スリップオンは値段がリーズナブルで、見た目や排気音量/質は変わりますが、性能面の変化は小さい一方、フルエキゾーストは価格は高くなってしまいますが、性能面で大きく変わります(スリップオンより選択肢は少ないです)。
気になっているメーカーのマフラーがあるのであれば、そのマフラーが装着されている中古車を探すというのも一つの手でしょう。
また、マフラーが交換されている場合はそのマフラーが保安基準を満たしたJMCA認証マフラーであるか確認を忘れないようにしましょう。
ガード類
YZF-R25はフルカウルを身にまとうことから、立ちゴケだけでもいろいろな場所にキズが入る可能性が高いモデルです。
万一、立ちゴケしたり、転倒した際に備えスライダーを導入するオーナーもいます。
ダメージをゼロにできるモノではありませんが、軽減はできるのでドレスアップをかねて採用してもいいでしょう。
外装パーツ
外装パーツをカスタムすることでバイクの印象を変えることができます。
メーカー純正と異なる形状のスクリーンに交換することで、防風性能が高まりロングツーリング時の快適性が高まるケースもあります。
また、純正リアフェンダーをいわゆるフェンダーレスキットに交換すれば、テールまわりはかなりすっきりします。
スポーツ系バイクの定番カスタムと言っても過言ではありません。
ノーマルフェンダー
フェンダーレス
また、フェンダーレスに加えて社外製のインナーリアフェンダーを装着することで、よりスポーティーな印象を強めることができます。
性能アップパーツ
YZF-R25でサーキット走行やレースを楽しむオーナーもいます。先に解説したマフラーも性能アップが望めますが、それ以外に手を加えることも。
代表的なのがホイールとサスペンションです。軽量なアルミ鍛造材を用いたホイールは、バネ下重量が軽減されることで、より軽快さが増します。
サスペンションに関してはフロントフォークはインナーパーツを、リヤショックはユニットごと交換することで、こちらも運動性能の向上が期待できます。
価格は高額ですが、スポーツ走行を楽しみたいのであれば要注目です。
YZF-R25の中古バイクを探すならバイク王の認定中古車にも注目!
バイク王の認定中古車はバイク王の取扱台数年間10万台以上のバイクから、走行距離改ざん・フレーム修正のない良質な車両のみを厳選し、62項目におよぶ厳格な整備(有償)を実施し長期保証車両としたうえで販売する車両です。
高年式&低走行で新車に近い状態の車両からカスタムバイクまで幅広い在庫ラインナップをそろえており、乗り替えや免許取得応援などのキャンペーン(※1)も充実しているので、YZF-R25の購入を検討している方はぜひ一度バイク王の認定中古車の在庫ラインナップも確認してみてください!
※1 一部キャンペーン適用対象外となる車両があります。