今では名車か迷車?昔売られていた日本の個性的すぎるバイク達
公開日:2019.09.09 / 最終更新日:2022.06.13
70年代から80年代にかけて日本では個性的なバイクが色々と登場しました。
ここではそんなバイクを紹介することにしましょう。
ファットなタイヤの元祖レジャーバイク
スズキ RV125バンバン
70年代に登場したレジャーバイクがバンバンです。
その特徴はなんといっても太いバルーンタイヤ。
バルーンタイヤは柔らかい路面でも沈みにくいのでオフロードように使われたりしていたのですがバンバンの場合、これを採用した理由は見た目のユニークさでしたから、ある意味相当に思い切った設計です。
当時、ここまで太いタイヤを履いたバイクは他になく、ハンドリングは独特。
釘を踏んだら風船のように破裂した、なんていうウソかホントが分からないような噂が流れたりしました。
どちらかというとマイナーなバイクでしたが、90年代に入って、ストリートバイクのカスタムブームが起きると個性的なデザインが人気になり、これがきっかけで初代をオマージュしたバンバン200が登場することになるのです。
スーパーカーイメージ!?の過激スクーター
ホンダ ビート
80年代は色々と個性的なマシンが誕生しましたが、その中でも極め付けがコレ。
ホンダが作ったスクーターです。
四輪みたいなデュアルヘッドライトやフロントカウル?の造形は超個性的。
でもビートの凄いところは外観よりもエンジン。
原付のスクーターでありながら7.2psというハイパワー。
低中速トルクアップの為にATACという排気デバイスを装備していました。
通常は電気的に自動で動くATACですが、ビートの場合はなんとペダル式。
回転が上がってきた時、ライダーがペダルを踏むと排気のバルブが閉じて高回転型になり、ギャイーンと加速していくのです。
ここまで遊び心に溢れたスクーターは、後にも先にもビートだけです。
遊園地用のお遊びマシン
ホンダ モンキー Z100
モンキーも今は大きくなりましたが、1961年に誕生した元祖、モンキーZ100はメッチャ小さいバイクでした。
多摩テックという遊園地で子供達が遊ぶ為の乗り物として開発されたものです。
スピードが出ない為、サスペンションもなく、タイヤは前後5インチ。
とてもシンプルな構造。エンジンはカブC100がベース。
もちろん遊園地用なので行動は走ることができません。
その後、このお遊びバイクを公道用にしようと誕生したのがモンキーZ50Mです。
こちらもとても可愛らしいスタイルでした。
ちなみにどちらのモンキーも今ではとても希少。
Z100なんて超お宝です。
小さくてもダイナマイト級の走り
カワサキ KV75
70年代にカワサキが作ったレジャーバイクです。
車に積めるようにハンドルは折りたたみができてシートは取り外しが可能。
横にしてもガソリンが漏れないようにキャップの空気穴にもオン、オフのスイッチがついています。
この小さい車体に搭載していたのは75ccの2ストロークエンジン。
とても元気な走りをするマシンで、キャッチコピーはダイナマイトベビー。
この頃、カワサキは国産メーカーで一社だけ50ccを作っていなかったので、このバイクが最も小さい排気量の車両でした。
元祖オートマロードスポーツ
ホンダ エアラ
70年代にホンダはオートマのモデルを作っていました。
その一つがエアラ。
当時の四輪に採用されていたものと同じホンダマチックと言われる機構でLレンジ(低速)とスターレンジ(通常走行)の二つのモードをセレクトするようになっていました。
普通に走行する時はスターレンジに入れっぱなしでOK。
もちろんクラッチ操作も必要なし。
画期的なバイクでしたが、当時はオートマの需要があまりなく、街でも見かけることはあまりありませんでした。
ホンダは21世紀に入ってデュアルクラッチトランスミッションを二輪に搭載しますが、四輪のトランスミッションの考えを二輪に採用しようという考えは、こんなに昔からやっていたことなんです。
クルマのトランクに積むためのバイク
ホンダ モトコンポ
ホンダのコンパクトカー、シティに搭載する為に作られたバイクです。
トランクに搭載する時にはハンドルとシートを折りたたんでコンパクトになる構造。
ボディが四角いのもシティのカーゴスペースを有効に使うことができるようにする為でした。
シティにもモトコンポを固定するベルトがついていました。
重量も42kgなので、頑張れば一人でも車のトランクに入れられるくらい(ちょっと重いけど)。
軽くコンパクトにすること最優先だったので速さじゃスクーターにも簡単に置いていかれるくらいでしたが、それも割り切った設計だから仕方なし。
でも実際に車に積んで本来の使い方をしている人は、一度も見たことがありませんでした。
アウトドアブームの現在だったら、こういうコンセプトも人気になりそうな感じがします。
ミニレプリカバイクのはしり
スズキ ギャグ
小さいのにスタイルはバリバリのレプリカっていうのがスズキのギャグ。
デザインもちゃんとしているし足回りやブレーキもしっかりしていて、かなり生意気な感じの原付です。
ただ、この頃はレプリカ全盛期で速いバイクが人気。
ギャグはバーディーっていうビジネスバイクの4ストエンジン積んでいたものだから、走りがイマイチでした。
これで2ストの元気なエンジンとか積んでいたら、もしかしたらすごい人気になったかも。
実際、この後に出たヤマハのYSR50とかホンダのNSR50なんて、かなり売れましたから。
ちょっと惜しいところで人気が出なかったバイク。
そういうところもスズキっぽいなあと思います。
女の子に支持されなかった女の子用バイク
ヤマハ ポップギャル
このバイク、見た目はそんなに変じゃないんですが、変わっているのはコンセプト。
なんたって「女の子のバイク」です。
カタログには「自由でファッショナブルで驚きの女の子用バイク」なんて謳っています。
テレビコマーシャルもやっていましたから、ヤマハとしては相当に気合いを入れて作ったんだと思います。
スピードメーターの隣には化粧道具などを入れられるボックスがあり、蓋を開けると鏡になっていました。
バイクを降りる時、お化粧を直して街に出かけていくという使い方を想定していたのでしょう。
80年代に多かった若い女性ライダーを狙ったのですが、ここまで「女の子の」全開だと、男性ライダーは乗って見たくても手なんて出せません。
そして肝心の女子からも敬遠されてしまいました。
まとめ
今見ると「カッコイイ!」というものから今見ても「ん?」となるバイクまで、個性的なバイクは様々。
バイクの歴史は長いですがこんな味を持ったバイクはその時代だからこそ生み出せたものだったんでしょう。
今回は日本のバイクを紹介しましたが、世界視野に広げると個性的なバイクはもっとたくさんあります。
次回は世界の個性的すぎるバイクをご紹介していきます。