サイドカーというのは、オートバイの横にカー(サイドカー)を取り付けた乗り物です。

オートバイが誕生したのは19世紀後半ですが、それから程なくしてサイドカーも誕生しました。

3人乗車が可能で荷物も搭載できることからヨーロッパを中心に人気となりました。

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サイドカーの歴史

映画やプラモデルが好きな人ならご存知だと思いますが、サイドカーは二つの世界大戦でも活躍しました。
クルマに比べて安く作ることができて機動性が高かったからです。

特にドイツは第二次世界大戦で軍用サイドカーを多数製造。
サイドカー側の車輪も駆動する二輪駆動で悪路の走破性を高めたものも登場しました。

バイクとは違った面白さ

サイドカーの操縦性はバイクまったく異なります。
左右非対称の為、加速した時はカー側に引っ張られ、減速時はカー側が出てこようとします。
こういう特性を乗りこなすのもサイドカーライディングの醍醐味。

パッセンジャーが乗った時に本来の性能を発揮することができるというのもサイドカーの面白いところです。
カー側に人が乗っていないとバランスが崩れる為、速度を出して曲がることができなくなるのです。

サイドカーにも色々ある

サイドカーを製作する場合は、専門ショップに依頼するのが一般的です。
経験や知識のあるショップでないと取付けや車体のセットアップに対応できないことが多いのです。

下記は栃木県大田原市でサイドカーに力を入れているモーターサイクルショップ岩本の車両。

このショップではストリート用サイドカーだけでなくサーキットでのレースやラリーにも出場しています。

昔、多くの人達が憧れたゴージャスなハーレーのサイドカー。

現在ハーレーはサイドカーではなく三輪のトライクをラインナップしています。

SR400にクラシカルなイメージのサイドカーをセット。

モーターサイクルショップ岩本では、国産のスクーター、スポーツバイク、ネッイキッドモデル、クルーザーなどにサイドカーを取り付けています。

スーパーカブにスクーターを取り付けています。

ワンちゃんを連れてのお出かけに大活躍しそうです。

エストレヤにカーゴサイドカーを取り付けた例。

オーダーがあれば、ほとんどのバイクに取り付けが可能だとか。

ヨーロッパで人気のサイドカークロスをヤマハのキッズバイクPW50で再現。

遊び心溢れたミニサイドカーです。

ロシアのサイドカーメーカーウラル。
BMWのフラットツインをコピーしたエンジンを搭載。
クラシカルなデザインが魅力です。

二輪駆動モデルもラインナップ。
写真は2002モデルで最新モデルはインジェクションやディスクブレーキなど細部がアップデートされています。

中国の長紅750。
BMWのサイドバルブ時代のエンジンをコピーしたものです。

ウラルよりも更にレトロなサイドカーです。

ベスパのサイドカーはヨーロッパで昔から人気でした。

気軽に乗れるスクーターはサイドカーを装着することでトランスポタートしての可能性が広がります。

性能を追求したオリジナルサイドカー

サイドカーの性能を追求する為、独自に車体を開発しているショップもあります。

下記は千葉県千葉市のオートスタッフ末広です。

これは「EMGRGE」(エマージ)と名付けられたモデル。
通常はベースとするバイクを改造してサイドカーを製作しますが、このモデルはまったく別な考え方。

オリジナルの一体型フレームを製作してサイドカーに最適な位置にハブステアシステムという操縦装置を配置。
ベースとするオートバイをこの車体に載せるという独自のシステムで実用新案を取得しました。

ハイパワーのスポーツバイクを使って高性能なサイドカーを製作することが可能。
リアのスイングアームについてはオプションでプロアームにすることも可能です。

エマージのコンセプトを更に進化させたのがNSS。

ツナグデザイン代表根津考太氏のデザインです。

幅は1.9mを超えるワイドボディー。
パッセンジャーを「お客様にする」というコンセプトで製作しています。

エンジンはBMW S1000RRのものを搭載し、バックシステムも搭載しています。

今でも続くサイドカーレース

ヨーロッパではサイドカーによるロードレースも盛んで一時は世界GPに組み込まれていたこともあったほどです。

レースで使用されるのはニーラータイプと呼ばれるレース専用モデル。
パッセンジャーがコーナーで大きく体重移動してコーナーリングスピードをあげます。

日本でもMCFAJとい団体ではシリーズ戦が開催されていてサイドカー同士のバトルを観戦することが可能です。

写真提供:川野 紘史

このようにバイクから発生したサイドカーは、三輪であるという特徴を生かして色々な形に進化しているのです。

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