バイクのオーバーホールとはどんな作業?プロが言うオーバーホールはコレ!
公開日:2021.10.13 / 最終更新日:2021.10.13
バイクの世界では良くオーバーホールという言葉を聞きます。
これはどういう作業のことを言うのでしょう?
今回は知っているようで知らないオーバーホールについて説明したいと思います。
目的は新品と同じ性能を取り戻すこと
オーバーホールとは機械を分解して徹底的に洗浄と整備を行い、新品に近い状態にすることを言います。
最近では簡単に整備をしただけでオーバーホールという言葉を使っている例もあるようですが、単なる分解整備をしただけではオーバーホールにはなりません。
ここからはオーバーホールでどんな作業をしていくのかを紹介していきます。
ただ、実際のオーバーホールで行う項目は膨大で、ここで全てを紹介することはできません。
また、車種によっても行う内容が異なる為、あくまでも概要であることをご了承ください。
最もよく聞くのはエンジンのオーバーホール
エンジンの整備では良くオーバーホールという言葉が使われます。
オーバーホールは英語ですが、海外では腰上、つまりピストン、リング、ヘッド周りだけを行うトップ・オーバーホールとエンジンすべてに関して行うメジャーオーバーホールがあり、日本で言われるフルオーバーホールは、このメジャーオーバーホールに相当します。
ここで説明するのもフルオーバーホールに関してです。
シリンダーは鋳鉄製であれば摩耗を測定します。
ピストンとのクリアランスが規定以上になっていたら少し大きなオーバーサイズピストンとリングを用意し、新しいピストンの寸法に合わせてシリンダーの内径を広げるボーリングを行います。
メッキシリンダーはボーリングすることができないので(メッキ層が薄い為、削って広げることが出来ない)摩耗を確認し、既定値であればピストンとリングを交換。
傷がついていたり摩耗していたら再メッキすることになります。
2ストの場合は(一部の4ストロークも)組み立て式のクランクを使っているので、長く使っているとクランクが曲がったり捻れたりします。
そこで振れと捻じれを確認。
必要であれば分解、組み立てをした後にクランクの芯出しを行います。
4ストであればヘッドはオーバーホールで必須な部分でしょう。
バルブがキチンと閉まることで4ストの圧縮は確保されますが、長い距離を走るとバルブが押し付けられるバルブシートが傷んできて密着度が低下します。
そこでバルブを取り外してシートを正常な形にするシートカットを行い、その後バルブとシートの摺合せをしてキチンと圧縮される状態にします。
走行距離が長いとシリンダーやヘッドの取付面が歪んでオイルが滲んできたりすることがある為、歪みがある場合は面研といって表面を平らにする加工を行います。
こういった作業は個人やバイク屋さんでは中々できないので、ほとんどの場合は内燃機屋さんにお願いすることになります。
エンジンを分解したらミッションの確認も。
ギアの歯面や噛み合いなどをチェックします。
ミッションは修正することがほとんどありません。異常が見られたら交換です。
すべての加工が終わったら部品を洗浄し、既定値に入っているかを確認。
グリスなどを注油しながら(油脂によって使う場所が違います)、マニュアルの指示通りに組み立てていきます。
ブレーキは定期的なオーバーホールがキモ
ブレーキは重要な部品だけに定期的なオーバーホールを行っておきたいところです。
マスターシリンダー、キャリパーを総分解して掃除しますが、重要なのはキャリパーシールとマスターシリンダーのカップです。
キャリパーシールはブレーキのピストンをゴムの弾力で元に戻す役目を持っています。
使っているうちに硬化したりゴムがヘタってくるのですが、こうなるとレバーを離しているのにブレーキーが軽く効いているような状態になってしまいます。
当然燃費も悪化しますし、酷くなるとブレーキが加熱してしまったりします。
マスターシリンダーのカップはブレーキオイルを押し出すパーツで、こちらも劣化するとレバータッチが柔らかくなってしまったりレバーの遊びが大きくなります。
どちらの部品もゴムが劣化してきますので、オーバーホールの時は基本的には交換しておくべきパーツでしょう。
サスの性能を取り戻すフォークのオーバーホール
フロントフォークも走っていると性能が低下してきます。
オイルの交換などは定期的に行いますが、それだけでは本来の性能を取り戻すことができないので、ある程度走ったらオーバーホールが必要になります。
フォークの摺動部分にはスライドメタルが入っていて、これがフォークの動きを左右します。
メタルがすり減っているとガタが生じることになるので、摩耗を確認して必要なら交換です。
忘れがちなのがフォークスプリング。常に荷重がかかっている為、ヘタって短くなっているものが多く見受けられます。
旧車や重量車(比較的年式の新しいものでも)はこの症状が酷く、ハンドリングを著しく損なうので、フォークのオーバーホールでは特に注意したい部分です。
いかがでしょう。オーバーホールが通常の整備よりも厳しいチェックと整備が要求されることが理解できたかと思います。
日常の整備を行うことはもちろんですが、オーバーホールのタイミングも重要になるのです。
愛車を新車に戻すオーバーホール。
あなたいつ愛車をオーバーホールしますか?