長くバイクに乗っていると経験するのがオイル漏れ。
機械内部を潤滑しているオイルが外に流れ出してきてしまう症状のことです。

でも本来、オイルは漏れないように作られています。
なぜオイルが漏れてきてしまうのでしょう?

オイル漏れの原因No1はオイルシール


オイル漏れの原因として最も多いのはオイルシールがダメになるからです。
動いているシャフト部分からオイルが漏れないようにするのがオイルシールの役目。

一般的なオイルシールは、金属のリングにゴムが焼き付けられていてリップという部分でオイルを遮断します。


リップは内部のオイルによって潤滑されているのですが、それでも長く走っているとゴムは少しずつ摩耗し、経年劣化が進んでしまいます。


リップ部分がシールとしての機能を失ってしまうとオイルを保持することができなくなってオイルが漏れるようになってしまうのです。

フロントフォークはダストとサビに注意


フロントフォークなど、往復運動している部分のオイルシールの場合、異物の侵入を防ぐダストシールの機能が低下すると、砂やホコリによってオイルシールの摩耗進んでしまうこともあります。


旧車のフロントフォークでは、インナーチューブのサビによるオイル漏れも多く見られます。
サビによって出たバリがリップを切ってしまうのです。

こうなると何度オイルシールを交換してもすぐなオイルが漏れるようになってしまうので、インナーチューブの修正や交換も必要になります。

オイル漏れを修理するには?


オイルシールからオイル漏れが発生した場合、放置しておくと漏れはどんどん酷くなっていきますから修理をしなければなりません。


初期の段階でオイルが滲んできているような状態の時に良く使われるのがオイル漏れの防止剤。
ゴムの材質を復活させて、シールポリマーの皮膜を形成することでオイル漏れを止める添加剤です。

各メーカーから様々な添加剤が出ていますが、効果や使用方法が少しずつ異なりますから、説明書を良く確認するようにしてください。


オイル漏れを確実に修理する方法はオイルシールを新品に交換することです。
もし自分でオイルシールを交換する場合は、リップ部分にラバーグリスやシリコングリスなどを塗ることを忘れずに。

組み込み時のリップを傷つきにくくするだけでなく、初期の摩耗を防止。
耐溶剤、耐熱性に優れたグリースなら、長期間リップ部分に残って潤滑してくれるのでオイルシールの寿命を伸ばしてくれるのです。

合わせ面からのオイル漏れ


オイルシールを使っていないカバーやヘッドなどの合わせ面からオイルが漏れてくることもあります。
原因は3つ考えられます。

1つはカバーなどを固定しているボルト、ナットが緩んでしまった場合。
確認してみて緩んでいるようであれば、増し締めをすることで漏れが止まることもあります。
もしもネジが緩んでいなかったとしたら、次に疑うのはシールしているガスケットがダメになっていること。


ガスケットも経年変化で劣化してきますから、オイルが漏れるようになったらガスケットを交換することになります。

ところがガスケットを交換してもオイルが漏れが修理できないこともあります。
こういった場合、金属部分に傷ついている、あるいは歪んでいるという可能性あります。

例えば空冷4気筒エンジンを搭載した旧車では、ヘッドが熱的に厳しく、更に均一に冷却することができないので、長く使っているとヘッドに歪みが出ることも少なくありません。

ガスケットを挟み込む部分が歪んでしまうと、ガスケットを挟み込んでも隙間が生じ、ここからオイルが滲んでしまいます。
この場合は内燃機屋さんで面研という作業を行い、盛り上がった部分を削り落として平面を取り戻すことでオイル漏れを治すことができるのです。

オイル漏れが酷くなってくると、重要な部分を潤滑するオイルが減り続けていきますから、最悪の場合は焼き付かせてしまったりすることにもなりかねません。

サスペンションなどはダンピングをオイルで調整しているので、オイルがなくなれば減衰性能は低下してしまいます。
オイル漏れを放置しておいて、良いことは一つもありません。
発見したら、なるべく早く修理をして、快調な状態を維持するようにしてください。

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