バイクの長期保管時の注意点について解説!
公開日:2025.01.23 / 最終更新日:2025.01.23
バイクは乗っていれば摩耗・劣化が進んでいくということを認識している人は多いだろう。
しかし、乗っていなくても劣化は進んでいく。
そのため、冬に長期間乗らなず何もしないで放置しているとトラブルに結びつくことも…。
そのリスクを減らすための方法を紹介する。
ただし、数年の放置ではなく、あくまでもワンシーズンを想定しての内容になっていることを最初に断っておく。
長期保管する場合の保管場所
動かさないバイクをどこに置いておくのがいいか。
大きく分ければ、室内か屋外だが、ここでもう少し細かく分けて、その保管方法にも触れよう。

屋内保管が理想
紫外線や気温の変化、湿気などの外的要因が、徐々にバイクの劣化を促進させていく。
そのためバイクを保管するにあたって理想的な場所は、ショップのショールームのように冷暖房・空調設備が整った“室内”だ。
そこまでいかなくても室内に保管できれば、屋外と比べるとかなり劣化を抑えることができる。
いわゆるガレージだが、安いモノではない。
賃貸という方法もあるが、それでも出費はゼロではない。
そのためすべてのライダーがガレージを持つことは難しく、多くは屋外にバイクを置いている。
ただ、屋外に愛車を放置するのではなく、最低限バイクカバーをかけるようにしよう。
紫外線を防げ、盗難抑止効果も期待できるからだ。
ただしカバーをかければ万事解決というわけではない。
下から湿気などが侵入し、サビを発生させてしまうため、定期的にカバーを外して湿気を除去する必要がある。
寒冷地ではバイク販売店が預かりサービスを提供している場合も

北海道などの寒冷地では冬にバイクに乗ることが難しいため、バイク販売店が車体の預かりやメンテナンスのサービスを提供していることがある。
冬季期間に安全な場所にバイクを預け、春から最善のコンディションでバイクに乗り始めることができるためオススメのサービスだ。
長期保管する場合の注意点
長期保管をするうえで洗車も重要なメニューになる。
普段、定期的に乗っているとサビは発生しにくいが、長く放置したりすると発生しやすくなる。
長期間乗らないときは、洗車をすることで“サビの原因となる物質を取り除く”。
そして“空気をバイクに触れさせない”処置をすることで、サビを発生させる可能性を低下させられるのだ。
汚れをしっかり落としたら、続いてガソリン、タイヤ、油脂類、バッテリーのケアをする。
洗車をする

汚れにはサビの発生原因になるものもあるので洗車して落とす。
汚れたまま保管すると汚れが落ちにくくなる。洗車後は水分はしっかりと拭き取る。
ガソリンを満タンにする
タンク内の空気量を極力減らしてタンク内のサビを防止。市販のバイク用ガソリン添加剤を併用するのも良い。
タイヤの空気圧を調整する

規定の空気圧に調整。空気圧が低いとタイヤの変形やゴムの劣化が進みやすくなる。抜けにくい窒素ガスを入れるのも良い。
オイル交換をする
エンジンを循環したオイルは金属粉やゴミが混ざって汚れている。
長期間放置するとオイルパンの中にゴミが溜まってしまい再始動時のエンジントラブルに繋がる可能性がある。
バッテリーを外す

バッテリーは自然放電するため長期間乗らない場合は取り外しておく。
グリスアップをする

可動部の固着やサビを防ぐためグリスアップ。チェーンやワイヤー類にも注油を行う。
マフラーエンドを塞ぐ

虫などの侵入を防ぐため、養生テープなどでマフラーエンドを塞いでおくと良い。
バイクカバーをかける

雨風や紫外線からバイクを守る。結露対策で毛布かけてからバイクカバーをかけるのも良い、特に降雪地域では効果的。屋内保管でもかけた方が良い。
タイヤの接地面を定期的に変える
できればメンテナンススタンドでタイヤを浮かせておきたいが、なければ定期的に接地面を移動させ負荷のかかる部分を集中させない。
キャブレター車の場合

フューエルコックをOFF。ドレンボルトを緩めてキャブレター内のガソリンを抜く。
長期保管したバイクに乗り始める際の注意点
バイクに乗る前に各部の点検をすることは安全なライディングに結びつく。
とくに長期保管明けは、じっくりと各部をチェックしてほしい。対策を講じたうえで保管しても、何かしらの不具合が起きている可能性がゼロではないからだ。
また消耗品などもチェックして、交換が必要な場合はしっかりと交換してから走り出そう。
車体の点検を行う
走り出す前に、最低でもネン(燃料)・オ(オイル)・シャ(車輪)・チ(チェーン)・エ(エンジン)・ブ(ブレーキ)・ク(クラッチ)・トウ(灯火類)・バ(バッテリー)・シメ(締め付け)のチェックする。
バッテリーの充電を行う

現代のバイクの多くはフューエルインジェクションを採用しており、バッテリーが弱っていると動かないなんてことも。
そのため、走り出す前にバッテリーは万全の状態にすることが重要。
ちょっとの作業が、再始動時の大きな差に繋がる長期保管
寒い期間は、“バイクに乗らない”、“積雪などでバイクに乗れない”という人も少なくない。
その乗らない期間をどのように保管しておくかで、再び走らせる時が大きく変わってくる。
ここまでに紹介したように、長期保管に際してやることは、さほど手間のかかる作業ではない。
これまでやったことがなかったのであれば、ぜひやるようにしてほしい。
自らの手でバイクを触ることで、愛車への想いもさらに強いものにもなることだろう。