バイクのシミー現象とは?発生する原因と対処方法を解説!
公開日:2024.12.19 / 最終更新日:2025.01.19
バイクのシミー現象とは、走行中にハンドル全体が小刻みに振動する現象です。
シミー現象が発生すると、ハンドルのコントロールが難しくなります。
そのまま走行すると重大な事故につながりかねないため、バイク販売店など専門家による車体の点検や整備が必要です。
本記事では、シミー現象の特徴やおもな原因、発生した場合の対処方法を解説します。
ハンドルの振動がシミー現象かどうか気になる方は、ぜひ参考にしてください。
バイクのシミー現象とは

シミー現象とは、バイクや自動車などのハンドルが走行中に細かく振動する現象です。
路面から伝わる振動とシミー現象はどのように違うのでしょうか?特徴や放置しておくとどうなるかも解説します。
シミー現象の特徴
シミー現象はタイヤの偏摩耗やホイールのゆがみやサスペンションの不調など、車体の不具合が原因でハンドル全体が小刻みに振動する現象です。
バイクだけでなくタイヤで駆動する車や自転車などでも起こる可能性があります。
ハンドルの振動は路面の状態が悪い場合にも生じますが、その場合はスピードが上がるほど振動が大きくなります。
シミー現象は比較的低速の40~50km/hで発生しやすいと言われており、加速していないにもかかわらずハンドルの振動がだんだん大きくなることが特徴です。
ただし、シミー現象は100~120km/hの高速走行時に発生することもあります。
40~50km/hで発生するものは「低速シミー」、高速で発生するものは「高速シミー」と呼ばれています。
シミー現象を放置するとどうなる?
シミー現象が起きているまま走行を続けると、振動がだんだんと大きくなり操縦が困難になります。
単にハンドリングが不快なだけではなく、転倒や重大な事故につながる可能性が高くなるため運転を続けるのは危険です。速やかに点検、整備しましょう。
シミー現象は放置していても改善されるものではありません。
原因が解消されない限り条件がそろえば再び発生します。めったに起こらなくても放置しないようにしましょう。
バイクのシミー現象が起こる主な原因

バイクのシミー現象が起こる理由はさまざまな原因が考えられますが、タイヤとホイールに関係する不具合が多く見られます。
ここからは、シミー現象が起こるおもな原因を紹介します。
なお、原因が複数絡み合っている場合もあるため、一通りのチェックが必要です。
タイヤの空気圧不足、パンク
シミー現象は、タイヤの空気圧と関わりが深いです。
タイヤの空気圧が極端に不足するとクッション性が低下し、路面からの振動が吸収できなくなります。
そこに回転への抵抗が加わることでシミー現象が発生しやすくなります。
空気圧が適正よりも低い状態が続くとシミー現象に限らず、タイヤのパンクやバーストを引き起こすこともあり大変危険です。
タイヤの空気圧はこまめに点検しましょう。
タイヤの偏摩耗(へんまもう)
バイクなどのタイヤは路面と摩擦が生じるため、走行するうちに摩耗していきます。
偏摩耗とはタイヤ表面(接地面)の摩耗が均一ではなく、凸凹状や片減りなど部分的に偏って発生している状態をいいます。
偏摩耗したタイヤは回転抵抗が増して摩耗が激しい方向へ曲がろうとする力が働くため、シミー現象の原因となる可能性があります。
特に、フロントタイヤの偏摩耗はシミー現象を起こしやすい傾向にあります。
偏摩耗はシミー現象以外にもハイドロプレーニング現象を引き起こすことがあります。
ハイドロプレーニング現象とは濡れた路面上で水がタイヤに入り込み、ハンドルやブレーキ操作が制御できなくなる現象です。
タイヤを確認して偏摩耗が発生している場合、最寄りのバイク販売店やバイク用品店に相談してタイヤ交換や原因を解消するための整備を依頼しましょう。
ホイールバランスの狂い
ホイールバランスとはタイヤを入れ込んだ状態での回転部分の重量バランスのことです。
タイヤやホイールは完全な円形ではないため、重り(バランスウェイト)でホイールバランスを調整することで、均等で安定性の高い回転を実現しています。
何らかの原因でホイールバランスが狂うと、重心がずれてタイヤの回転がいびつになります。
特に高い速度域での走行時にシミー現象(高速シミー)が発生する可能性があります。
ホイールバランスの狂いはシミー現象だけでなく、ほかのパーツの故障やタイヤの寿命低下にもつながる可能性があります。
タイヤ交換時はもちろん、車体に大きな衝撃を受けたときなどもバランスが変わることがあるためチェックする事が望ましいでしょう。
なお、ホイールバランスの調整にはホイールバランサーという専用の計測器を用いるため個人で行うことは難しいです。
路面との共振
路面の凹凸で発生する振動と車体の振動が一致すると共振が発生します。
共振により振動が増幅された場合もシミー現象が発生する可能性があります。
リアボックスへ重量物を積載
リアボックスに積載制限を超える重量物を積載した場合もシミー現象が発生する可能性があります。
重量物の積載で重心がリア側に移動するとフロントが軽くなり車体のバランスが崩れ、タイヤにかかる抵抗が部分的に増えるからです。
特に発進や急加速など、リア側へ重心が移動するときにシミー現象が発生しやすくなるため注意しましょう。
その他の原因
上記以外にも、シミー現象が起きやすくなる原因として以下が挙げられます。
・チューブレスタイヤ、ホイール、タイヤの損傷
・スポークホイールのセンターが出ていない
・足回りの異常
・フロントフォークのゆがみ
このように、原因の多くはバイクにあるため整備・点検などの速やかな対処が必要です。
バイクの運転中にシミー現象が起きた場合
ここまで見てきたようにシミー現象はさまざまな原因があり、いつ起こるかはわかりません。
自分のバイクにもシミー現象が発生する可能性があることを頭に入れ、パニックにならず正しい対処を取れるようにしておきましょう。
そのまま走行を続けない
シミー現象による振動が大きくなるとハンドルを制御できなくなるため、そのまま走行を続けることは危険です。
走行中にシミー現象と思われるハンドル振動が発生した場合、急ブレーキをかけるのは非常に危険です。
振動を抑えるためハンドルをしっかり押さえながら減速し、安全な路肩に停車しましょう。
停車後は、レッカーサービスや懇意のバイク販売店に連絡し、バイクを引き上げてもらってください。
危険ですので、そのまま乗り続けないようにしましょう。
シミー現象は特定の速度で起こりやすいですが、その速度を出さなければ良いというわけではありません。
車体に何らかの問題があることが多いため、まず原因の解決が必要です。
バイク販売店に整備を依頼する
シミー現象の原因はタイヤ周りにあるケースが多いです。
まずは、バイク販売店などの専門業者に依頼して、タイヤやホイールに損傷や問題がないかを確認してもらうと良いでしょう。
シミー現象の原因を特定し整備することは個人では困難です。
発生した際の状況を整備士に伝え、車体を点検・整備してもらうのが確実な対処方法と言えるでしょう。
シミー現象かもと思ったら早急にバイクの点検・整備を!
バイク走行中に普段と違う小刻みなハンドルのブレを感じたら、シミー現象の可能性があります。
シミー現象による振動が大きくなると、ハンドルをコントロールできなくなり、大きな事故につながるおそれがあります。
すぐに停車し、バイク販売店などに点検・整備を依頼しましょう。
たまにしか起きない場合でも、そのまま走行を続けるのは危険です。
バイク王では、国家資格を持った整備士がバイクの点検・整備を承っています。
バイク王でご購入のバイクはもちろん、他店でご購入のバイクも点検・整備いたしますので、シミー現象が疑われる異常な振動が発生している場合には、お気軽にご相談ください。