クラッチの分解に続き、今回はミッションの分解です!

ミッションとは?

ミッションとは変速機のことです。エンジンからの動力をクラッチが受け取り、クラッチがミッションに伝えます。クラッチから受け取った動力はミッションのギアによって変えられ、タイヤに伝えられていきます。

動力を変える意味は?

車が走るために必要な力は走行条件によって変化するため、動力を変える(=変速をする)必要があります。
例えば、坂道を登るときに5速だと力が足りずうまく登りませんが、1速にすると力があるので登ってくれます。
1速だと力はありますがスピードは出ないので、スピードを上げるには高回転をホイールに伝達する5速などを使用します。

いよいよ分解!

ミッションを持ってきました!!

どーん!!
め~ちゃくちゃ重くて2人で持ち上げました。

ミッションのケースは3分割できるので、まずは上の方を外していきます。

3つ並んでいるものがありますが、この先にはシフトレバーが来ます。

次に下のボルトを外していきます。

カバーの上下を外した状態です。

最後にミッションを抜いていきます。
画像はすでに抜いた状態です;;;

結構かたくてグイグイやりました。

今回、ギアの方もバラバラにしていくので万力で固定させます。

5段変速1後退のミッションです。

マニュアルを見ながらリングなどを外していきます。
部品点数が多く、マニュアルを読むのに苦労しました笑
これはボルトを外している画像です。

えいや!

力がすごい
普段こんな大きなボルトを外すことがないのでこんな大きいソケットがあるのね?!という感動です笑
ギアが動いてしまうので反対側を押さえてもらいながらやりました。

諸々、取れた状態です。

この状態になっても重かったです;;

今回の実習でギアを外した理由は「シンクロメッシュ機構」を見る為です。
シンクロメッシュ機構とは、回転数の異なるギアと軸の回転速度を同期させる機構です。シンクロメッシュ機構がないとシフトがスムーズに行われないのです!
さっそくどんな状態か見てみましょう!

普通にシンプルなギア。

この黄土色の部品はシンクロ・ナイザ・リングといいます。

シンクロ・ナイザ・リングが空転するギアのコーン部と呼ばれる場所にあたってブレーキをかける役目をします。

この小さな部品はシンクロ・ナイザ・キーです。

シンクロ・ナイザ・キーはシンクロナイザ・リングを押す役目をしています。

そして左側にある細い部品はシンクロ・ナイザ・スプリングです。
そして歯車がシンクロ・ナイザ・ハブ、受けがシンクロ・ナイザ・ハブ・スリーブです。

シンクロナイザ・スプリングがシンクロナイザ・キーを押します。
他のギヤからの回転をシンクロナイザ・ハブ・スリーブが受け取り、シンクロナイザ・ハブ・スリーブはシンクロナイザ・ハブに回転数を伝え、シンクロナイザ・ハブはメーンシャフトに伝達しています。

取り付けられている状態はこんな感じで、この後更にスリーブの上にシフト・フォークが来ます。
奥側のギアと噛み合えば1速、手前のギアと噛み合えば2速になります。

イメージ的にはシフトレバーで動こうとしたスリーブはほかのギアと噛み合おうとするのですが、回転回数が合わないのでうまく噛み合わないのです。そこで、動こうとしているスリーブの内側にあるシンクロナイザ・キーがシンクロナイザ・リングを押し、ブレーキをかけさせて同期させ、結果ギアとスリーブの回転回数が同じになりシフトが完了します。

今回はミッションについてのお話でした!
座学であらかじめシンクロメッシュ機構のことは知っていたのですが、構造が難しく理解しきれていないことが多々ありました!

今回、実物を実際にばらして、動きを見られたことでなんとか理解できた感じです;;
記事にするにあたり、何回も教科書などを見返してしまいました。笑

大きな部品なので、使用する工具も普段使わないような工具がたくさん出てきて新鮮でした。
久しぶりに力が必要な実習だったので、少しはムキムキになれてるといいです笑

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筆者プロフィール

イギリスパン

バイク王で働きながら整備学校に通い、二級自動車整備士を目指しています!