この前の授業でステアリングの実習を行いました。
ステアリングには「ラック・ピニオン型」と「ボール・ナット型」があるのですが、今回はラック・ピニオン型についてお話します!

ステアリングとは?

乗り物の進行方向を任意に変えるための「操舵装置」です。
「ステアリング・ホイール(ハンドル)」、「ステアリング・シャフト」や「ステアリング・ギヤ」などで構成されています。

ラック・ピニオン型とは?

ステアリング・ギヤの種類で、ハンドルの動きをピニオンギヤと呼ばれる部品がラックと呼ばれる部品に伝えて、ラックはタイヤに繋がる部品に力を伝えてホイールを操舵します。
ラック・ピニオン型とボール・ナット型を比較したときに、ラック・ピニオン型は構造が簡単で高い剛性と応答性に優れています。
一般的にはラック・ピニオン型が用いられることが多いです。

ラック・ピニオン分解!

万力に挟みます。アルミ部分を挟むので直接挟まないようにします。

画像に収まり切りませんでした…!車の横幅程あるので大きいです。
画像は「ピニオン・シャフト」、「ラック・ハウジング」と「ラック・チューブ」、「タイロッド・エンド」が映っています。
「ピニオン・シャフト」は「ステアリング・シャフト」に当たります。
「ステアリング・ホイール」の操作による回転をステアリングギアボックスへと伝達するためのシャフトです。

「ラック・ハウジング」と「ラック・チューブ」は「ステアリング・ギヤボックス」に当たります。
中にラックやピニオンを納めています。
「タイロッド・エンド」は「ステアリング・リンケージ」の一部で、ステアリング・ギヤとタイヤの中間に取付けられ、ステアリングギヤからのトルクをタイヤに伝えています。

分解にはSSTという特殊工具が必要でした。

車の分解は、部品が大きくて楽しいです!
SSTと言っても全部を使うわけではなかったです。

まずはタイロッド・エンドとブーツを外します。

ブーツ、ビリビリでした…!

次にギヤ機構とタイロッド・エンドを連結しているラック・エンドを外します。

次にスターターを外します。

これを…

こう!
工具で挟めるように面取りされており、モンキーとスパナを使って外しました。

次にラック・ガイドを外します。
「ラック・ガイド」は「ラック(ギヤ)」が浮かないようにラックを押し付けています。

ナット(ロック・ナット※右下にある金色の部品です!)が特殊な形をしているので、ここでSSTが登場しました!

そしてピニオンを外すのですが、その前にプレロードを測ります。

プレロードを測るのは部品にかかっている荷重を調べる為です。
写真がなかったのでここで登場しましたが、部品がすべてついている状態でも測りました。

測定をした後、ピニオン・シャフトを外します。

こちらもラック・ガイド同様、SSTを使用して外しました。
歯面に損傷や錆がないか、ベアリングの点検も行います。

最後にラックを外しました。

こちらも歯面の損傷、錆はないか、ダイヤル・ゲージと呼ばれる回転物を測れる器具で曲がりの点検を行います。
ダイヤル・ゲージの写真は撮り忘れてしまいました!!;;;

力が伝わる順番は、「ステアリング・ホイール(ハンドル)」の動きが「ピニオン」に伝わり、「ピニオン」と「ラック」のギヤが噛み合い、「ラック」の左右へ動く往復運動が「ラック・エンド」、「タイロット・エンド」に伝わり、ホイールが操舵されます。

全部外れたラック・ハウジングとラック・チューブです。

ずいぶんすっきりしました!!

今回はラック・ピニオン型のステアリングの分解でした!
ステアリングは難しいという先入観があったのですが、ばらしてみると部品もそんなに多くなく、
構造の理解も比較的簡単でした。
次回はボールナット型について書いていこうと思います!

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筆者プロフィール

イギリスパン

バイク王で働きながら整備学校に通い、二級自動車整備士を目指しています!