前回に引き続きステアリングについてお話します!
今回はボール・ナット型です!!

●前回記事:【ラック・ピニオン型】ステアリングの分解

ボール・ナット型とは??

ステアリングの種類で、ハンドルの操作によりウォーム・シャフトが回転すると、ウォームシャフトの溝の中をスチール・ボールが転動します。セクタ・ギヤとピットマンアームと呼ばれる部品が回転し、ホイールに力を伝えます。
前回のラック・ピニオン型と比較をすると、耐摩耗性、耐衝撃性に優れており、大きなギア比が可能でトラックなどに使われることが多いです。

ボール・ナット分解!

万力に挟んで分解していきます。
ラック・ピニオン型に比べてコンパクトな印象です。

まずはピットマン・アームを外します。
ピットマン・アームはギヤボックスの力を受け取り、ホイールの各部品に力を伝える役目をしています。

ここでもSSTが登場します。
外すときにはもとの位置に戻せるようにアイマークを付けます。
(写真右側に白い線が見えてるやつです;;ピットマンアームの方にもついています。)

スプライン嵌合になっているので組付け時にスプラインを潰さないように気を付けなければならないです…!

次にセクタ・シャフトを取り出すためにエンドカバーを外します。

ナットをそれぞれ外して、中心の切れ込みをマイナスドライバーで回すと、カバーが浮いてきます。

セクタ・シャフトを外す前に、ベアリングにかかっている負荷を調べるため、プレロード測定(回り始めるまでに使う力)を行います。

先ほどのエンド・カバーを外す際にマイナスで回した部品でプレロードの重さを調節します。
測定後セクタ・シャフトを外しました。

セクタ・ギヤ部分なのですが、中心と両端の長さが違うのが見えると思うのですが、これでハンドルを切った時のギヤ比を変えています。

セクタ・シャフトについていたボール・ベアリングです。
個人的にボール・ベアリングは触ったとき滑らかでコロコロしていて好きです笑

次にウォーム・シャフトを外しました。

ウォーム・シャフトがはまっていた部分のハウジングとハウジングについていたテーパ・ローラ・ベアリングです。

ボール・ナット部分を分解していきます。

バラバラとボールが飛び出してきました。
スチール・ボールを数えたところ58個ありました。
スチール・ボールは2部屋をそれぞれ循環しており、画像で見ると管が半分に割れているような部品「ボール・チューブ」がそれぞれを隔ててくれています。

組付け時にスチール・ボールをそれぞれ2部屋に均等に分けるのですが、ボール・チューブがないとお互いの部屋を行き来できてしまうのでごちゃまぜになり、だいぶ悲惨なことになります…。

今回はボール・ナット型でした!
教科書で見ると部品点数がラック・ピニオン型とそんなに変わらないように感じたのですが、実際にばらしてみると圧倒的にボール・ナット型の方が多かったです…!
また、ラック・ピニオン型と比べて組付けが難しいと感じました!!

◆公式SNSにて更新情報をお届け!

筆者プロフィール

イギリスパン

バイク王で働きながら整備学校に通い、二級自動車整備士を目指しています!