この前自動車検査(車検)実習を行いました。
今回はその時のお話をします。

今回の実習車はシルビア(S15)です!

実習車はSPEC SとSPEC Rがあり、違いはターボ搭載かNA(ターボなどの過給機が装備されていないノーマルの状態)かの違いらしいのですが、どちらのエンジンルームを見比べても違いはなく、ターボは外されているようでした。

そもそも車検とは??

車検は保安基準に適しているかの確認です。
劣化部品等の交換を目的としていないので、車検時に部品の摩耗限度がギリギリでも、保安基準の数値を下回っていなければ通ってしまいます。
お店に車検を出したときに、整備車検(定期点検)も行われます。
この定期点検は法律で実施期間が設けられており、1年点検及び2年点検があります。
点検を行う目的は、「性能の確認」、「安全上及び公害防止上の確認」、「作業精度の向上」です。

まず、日常点検の項目で、エンジンルームの確認を行いました。
ブレーキ液の量や、バッテリの液量、エンジンオイルの液量などの確認を行いました。

ブレーキ液
冷却水残量
エンジンオイル

そしてヘッドランプやストップランプ、ウィンカーなどのランプ類の確認を行います。

メーターの点灯確認やルームランプも確認します。

次に、24ヶ月定期点検の実習を実際にやってみました
ベルトの緩みやエア・クリーナ・エレメントの確認など順調!のはずでした。
ブレーキ系統の確認を行うため、リヤのキャリパーを外し、パッドの残量確認、ディスクローターの摩耗限度を調べ、ホース類の確認などなどの確認が取れたところで元に戻そうとしたところ、キャリパーが入りません。
ピストンが引っかかってしまい、ピストンを戻そうにも引っ込んでくれません;;;

パッドの残量をノギスで測って…

ディスクはマイクロメーターを用いました。

キャリパーのピストン、頑張って引っ込めてこれです;;;

ピストンを一度出すことになりました。

写真は清掃後なのですが、ピストンとキャリパーの中の錆がひどく、動きが渋くなっていたようです。
綺麗にして戻したら、パッドを挟んで元に戻ってくれました。

下回りの緩み等がないことも確認したら、ブレーキテスターに乗せます。

ブレーキテスターはブレーキがどれくらい利いているか、数値化してくれる装置です。

フロント、リヤ、サイドブレーキを各部計測しました。
計測を行い左右差やどれくらい利いているか、%の値を出し、基準値をクリアしているか確認しました。

更にスピードも測ってくれ、スピードメーターとどれくらいずれているかの確認も行います。

最後に、光軸の点検を行います。

ヘッドライトと機械を正対させ…
まずはエルボー点を見ます。

エルボー点とは??

エルボー点はすれ違い用前照灯(ロービーム)の照射光線の最大屈折点を見ています。
カットオフを有するすれ違い用前照灯の計測の際に合わせます。

画像を見てもらうとわかる通り、傾斜の下辺部に中心を合わせています。
合わせた後、ヘッドライトがどの方向を向いているのか数値で確認します。

基準値内なら合格です!
大体の車は下向き、左に向くようになっています。
左に向く理由として、日本は左側通行なので、対向車が眩しくないようにする、
歩道側の様子が良く見えるようにするなどの理由があるそうです。

エルボー点の確認ができたら、光度の計測をします。

光度の測定は、機械を指定された数値に合わせて測定しました。

今回は車検についてのお話でした!
他にも排ガス測定や排気音の測定などなどやることが盛りだくさんで、試験の時も時間を目一杯使いました;;
よく車検時に落ちやすい項目と言われる光軸の機会を触れたり、車のキャリパーのピストンを外せたりなど、普段中々できないことができて良かったです!

筆者プロフィール

イギリスパン

バイク王で働きながら整備学校に通い、二級自動車整備士を目指しています!