AT分解の実習!【整備士資格取得への道】
公開日:2022.05.13 / 最終更新日:2022.10.29
先日、実習でATの分解を行いました!
今回はその時のお話をします!
ATとは?
ATとはオートマチック・トランスミッションの略称で、車速やエンジンの回転数に合わせて自動変速をしてくれる機械のことです。
今回のミッションはクラッチ機構は湿式多板クラッチ式、変速機は遊星歯車式でした。
遊星歯車式はサン・ギヤ、インターナル・ギヤ、プラネタリ・キャリヤで構成されています。
全体図を撮り忘れたので早速ばらけている写真です;;;
これはオイルパンを外している状態です。
配線やネジが多くてゴチャゴチャしていて、電子部品の基板みたいです。
配線や指定のネジを外していきます。
二層構造になっており、ネジを外すとごちゃごちゃしている基盤部分が外れて茶色のクラッチドラムなどが見えてきました。
次にオイルポンプを外します。
インプットシャフトが下に転がってますが、本当は抜けないものです。
ネジを差し込んで…
スライドハンマーをまた別のねじ山に入れます。
ゴツゴツした部分が動くようになっていて、スライドさせて使用します。
ねじ山に当たったときの衝撃で部品が浮いてくれます!!
ガツン!ガツン!って感じでやるので楽しかったです笑
オイルパンとガスケット
組み立てるときが大変で、本体の溝にガスケットの溝やオイルポンプの溝を合わせなければならないのですが、中々合いませんでした。
取れたら今度はアウトプットシャフトを抜きます。
手に持っているのがパーキング・ギアでこれを外すと、シャフトに抜け防止のスナップリングがあるので外します。
またオイルパンが付いていた方の部品を外していき、こちら側のスナップリングも外します。
リバースクラッチ・ドラムとフロントのサン・ギヤです。中にリバースクラッチやハイ・クラッチと呼ばれる部品があります。
まとめてクラッチパックと呼ばれています。
蓋みたいになっているのはフロントのサン・ギヤです。
最初これがギヤだとは思っていませんでした笑
リバースクラッチ・ドラムを分解しました。
スナップ・リングを外すとクラッチ部分が外れました。
今見えている手前の部品はフロント・プラネタリ・キャリアとフロント・プラネタリ・ピニオンが付いてます。
アウトプットシャフトを外すため、こちらも外していきます。
バイクや実習でスナップリングを外すことが多く、結構すんなり取れたのでスナップリングは慣れてきたなあと感じました笑
アウトプットシャフトを外して、更に中の部品を外していきます。
フォワード・クラッチ・ドラム
ドラムの中でいろんなギアがかみ合って、変速をしています。
今回はフロント部分とリヤ部分のギヤに分かれているのですが、最初はそこが理解できずリヤのサン・ギヤの形を覚えられたと思ったらフロントのサン・ギヤまで覚えなければならなくて、この二つは見た目が違います。
また、インターナル・ギヤとプラネタリ・キャリヤは見た目は同じなのですが、部品が付く関係で若干見た目が違ったりなど見分けるのも大変でした;;;
自分で組み立てられるようになったら見るだけでなんの部品かわかるようになりました!
また、フォワード・クラッチ・ドラムの中に色んなクラッチがあると思ったら、外側も二段構造になっていたりなど、一つの部品で一つの名前というわけでなく、構造上、部品と部品がまとまっていることが多く覚えるのも大変でした;;;
そもそもどうやって変速をしているのか??
変速は油圧で行われています。
いくつかの穴があると思いますが、ここに油圧が加わります。
油圧によって、シフト・ソレノイド・バルブと呼ばれるバルブがONになったりOFFになったりしてシフト・バルブが動かされ、油路の変化が起き、先ほどののフォワード・クラッチ・ドラムやクラッチパック内のクラッチが締結し、ギアを固定します。
ATは入力のギヤや固定するギア、出力のギヤを変えることで変速比を変えています。
例えば、2速で走る場合は、左側にあるブレーキ・バンドと呼ばれる部品が油圧によって作動します。
ブレーキ・バンドが作動すると、フロントのサン・ギヤが固定されます。入力はリヤのサン・ギヤで出力はリヤのプラネタリ・キャリヤと呼ばれる部品です。
3速で走る場合はリヤのサン・ギヤで出力はリヤのプラネタリ・キャリヤと入力と出力は同じです。
固定要素はハイ・クラッチが作動し、リヤ・インターナル・ギヤです。
入力と出力が同じでも、固定されるギヤが変わると同速なのか、増速なのかギヤの関係が変わってきます。
まとめ
ATを分解してみて、MTと比べて、組む際はATの方が比較的楽だなあと思いましたが、ギヤの噛み合いなど作動や構造はMTの方が分かりやすいと個人的に思いました;;;
何が作動してどうなるかや、何のクラッチとギヤが関係があるかなどまだまだ覚えきれていない部分は多いので引き続き頑張っていきます!