ディーゼルエンジンの仕組みは?ガソリン車との違いは?実際に分解して調べてみた!
公開日:2022.07.15 / 最終更新日:2023.02.17
今回はその時のお話をします!
ディーゼルエンジンの特徴
燃料と使われる車種
ディーゼルエンジンの特徴は着火性の良い軽油を燃料としており、圧縮後にシリンダ内に霧状に噴射し、自己着火により燃焼させます。
低回転の力強いトルクを発生させることができるので、主にトラックに使用されています。
ガソリン車との違い
ガソリン車との大きな違いは燃料だと思います。
着火性の高い軽油を使用しているため、ディーゼルエンジンはスパークプラグがなくても燃焼することができます。
軽油とガソリンの違い
引火点の違い
引火点(火を近づけて燃えること)はガソリンの場合は-40℃と低く、常温でも火を近づけると引火するのに対し、軽油の場合は45℃以上なので常温で火を近づけても引火しません。
授業中、先生が軽油を持ってきて火を近づけても全く燃えなかったです!ただ、霧状になると燃えるとのことでした。
着火点の違い
着火点という自ら発火してしまう温度はガソリンが300℃なのに対し、軽油は250℃と着火点は軽油の方が低いのです。
そのため、軽油の方が、圧縮して高温になった空気に圧縮した軽油を霧状に噴射することにより自己着火させやすいのです。
車やバイクに全く無知だった頃はなんで軽油じゃダメなんだろう?と思っていたのですが、エンジンの仕組みの違いでダメなんだなあと授業を受けて理解しました笑
ガソリン車に軽油を入れると?ディーゼル車にガソリンを入れると?
ガソリン車に軽油をいれるとプラグが被って始動しなくなると聞いたことがありますが、逆にディーゼル車にガソリンを入れるとどうなるんだろうと思い調べてみると、ガソリンでは潤滑性が足りず、ありとあらゆる部品が壊れるみたいでした;;;
ディーゼルエンジンをバラす!
今回バラすのは6気筒のディーゼルエンジンで、列型のP型ポンプと言われるものです。
P型の他にA型と呼ばれるものもあり、ケースや噴射量や圧力などが違います。
P型の方が噴射量は多く、噴射圧力も高めになっているので中・大型車向きの構造です。
フューエル・ポンプ
カムによってピストンが押されており、ピストンがスプリングによって戻るときに燃料を圧送しています。
カムシャフトを外したいので、シャフトを回し、タペットを浮かせます。
写真で茶色い部分から見えているのはカムです。タペットはその奥にあります。
カムが回転をタペットが受け、更にその奥にある部品が上下に動くことによって燃料を吸入、圧送、噴射します。
タペットが下りてこないように棒状の部品を挿して固定します。
名前が分からないのですが、この棒、切り掛けが合ってタペットの面と合うようになっていました。
カムシャフトを外す前に複数の部品を外さなければカムシャフトが外せないので外していきます。
これはガバナという部品で、遠心力によって開き、調速(燃料噴射量の制御)を行います。
フライウェイトと呼ばれる茶色い部分がカムシャフトと共に回転していて、スピードが上がると遠心力で開き、レバーなどなどを引っ張って燃料噴射量を少なくしています。
SSTを用いて外していきます。
ガバナが外れました。
次にタイマを外します。
タイマは噴射時期の調節を行っています。
タイマもガバナと原理は似ていて、遠心力によって噴射時期の調節をしています。
色んな部品が外れてすっきりしました。右の画像が取り外したカムシャフトです。
タペットなどをばらしていきます。
SSTを使って外していきます!
左側のレバーをポンプ側に押して、タペットを更に浮かして刺さっている棒を外します。
棒が外れたらタペットなどを抜いていきます。
4気筒分外しました。
これでポンプの部品をが概ね外れた状態になりました。
画像右側のトレーの下から2番目の段の部品で、真ん中にある棒みたいなものがプランジャと呼ばれる部品です。
プランジャが動くことによって燃料の吸入、圧送、噴射が行われます。
今回の実習のまとめ
今回はディーゼルエンジンの列型ポンプについてでした!
ガソリンエンジンと構造が違うため理解するのに中々苦戦しましたが、一つ一つの役割を理解していけばそれぞれの働きが連動しているなあと実感できました!