※本記事に使用している『バイオハザード:デスアイランド』の作中画像は株式会社KADOKAWA様より提供いただいた画像です。無断転載や二次使用を禁止します。

全世界で人気の高いサバイバルホラーゲーム「バイオハザード」シリーズ最新CG映画の『バイオハザード:デスアイランド』が2023年7月7日(金)に公開予定です。

映画予告映像はレオンがバイクで走るシーンから始まり、歴代ゲーム主人公のレオン・クリス・ジル・クレア・レベッカの5名による共闘シーンは原作ファン必見。

また、バイオハザードのCG映画の見どころのひとつといえばバイクアクションのシーン。
前作の『バイオハザード:ヴェンデッタ』ではDucatiのXディアベルSが登場し、レオンが足でハンドルを制御しながら闘うなどCGアニメーションならではの迫力あるアクションシーンが魅力でしたが、今作でも迫力あるバイクアクションシーンは要注目です。

そこで今回は、『バイオハザード:デスアイランド』CGプロデューサーの宮本佳さんにバイクアクションシーンの制作過程や裏話などについてインタビューしました!

『バイオハザード:デスアイランド』CGプロデューサーの宮本佳さんへインタビュー

Q1.迫力のあるバイクアクションシーンはどのようにして制作されるのでしょうか?

残念ながら実写の映画の様に実際にバイクを道路で走らせることはできませんが、なるべくバイク上にいるキャラクターの動きがリアルに演出できる様に、モーションキャプチャーにてライダーの動きを撮影し、それをCGのキャラクターに入れ込むことで臨場感あるアクションシーンを実現しています。

Q2.今作バイクアクションシーンの制作にあたり、こだわった部分や力を入れた部分はどこでしょうか?

バイクアクションの醍醐味は、ライダーはバイクに跨るだけで、何にも守られていないシチュエーションで正に生死ギリギリのアクションを行うことだと思います。

実写作品と異なり、どうしてもそのドキドキ感を表現するのが難しいですが、今回は実写映画でさまざまなアクションシーンを撮影されてきた羽住英一郎監督のカメラワーク、カッティングなどのノウハウをCG映像の中にできるだけ持ち込んで、その臨場感を実現したところです。

Q3.今作バイクアクションシーンの制作にあたり、裏話や苦労話などはありますか?

Q1でも一部コメントをしていますが、本来モーションキャプチャーという技術を用いて、ライダーの挙動、バイクの挙動まで撮影できれば、いま以上の臨場感を生み出すことができますが、実際に走っているバイクでの挙動をモーションキャプチャーで撮影することはかなり難易度も高く、おそらく予算的にも実現させるのは難しいでしょう。

そのため、実際の動きは止まった状態での人の動きをモーションキャプチャーで撮影し、それを使用、もしくはガイドにしてCGのアニメーターがライダー、バイク共にアニメーションをつける方法で実際の作中の映像を作成しています。

アニメーターの力量が高かったとしても、本物のライダーとバイクの挙動をリアルに表現することは非常に困難であり、その再現に多くの時間を費やしました。

また、もう一つの苦労はバイクが高速道路を走り抜ける際と周囲の車両の表現です。
CGでは全てのデータを3Dで構築して、最終的な映像を出力させる際に、このデータをコンピューター上のメモリーに乗せて計算するわけですが、その限界と容量が大きくなればなるほど計算自体の時間がかかる宿命を持っています。

今回のバイクバトルのシーンではかなりの距離を走行するため、その一連の道路を用意しなくてはいけないことに加えて、走行中にレオンと敵のバイク以外にも一般の車両などを走行させなくてはいけなく、この辺のバランスをとることが最も大変だったかもしれません。

Q4.バイオハザードのCG映画に登場するバイクの車種はどのようにして選ばれるのでしょうか?選ぶ上でポイントにしている点などはありますか?

実際にはそれほど理由を持って選定はしていません(笑)
今回は現場から監督にこんなバイクにしたいけどどうだろうかと提案をして、監督もそれに承諾をしてくれました。

レオンは前作ヴェンデッタでは『ドゥカティ・ディアベル』というグランツーリスモを中心に添えながらも、走りにも力を入れた非常にマッスルだけどスタイリッシュなデザインをしたバイクに乗っていました。

Ducati X Diavel S

そこで今回は全く趣向を変えてレーサータイプのバイクに乗せたいという理由で今回のバイクをデザインしました。
今回の車両はいくつかの実写バイクをデザインソースにしながらも実際3DのCGデザイナーがオリジナルデザインをしたバイクです。

敵役のバイクに関しては、レオンのバイクと対照的にまた、敵の人間離れしたアクションを強調するためにモトクロスバイクを選択しました。

こちらもデザインソースとして参考にしたバイクはありますが、オリジナルのデザインになります。

Q5.今作の見どころを教えてください。また、注目して見るとより楽しめるポイントなどがあれば教えてください。

今回紹介させていただいたバイクアクションシーンを含め、冒頭からアクションシーンを可能な限り盛り込んでいます。

通常アクションシーンは動きだけではなく、ものが壊される、炎、爆発などエフェクト表現を伴うことが多く、さまざまなシーンの中でも制作に労力がかかるものになります。

故に通常は厳選してアクションシーンを入れ込むわけですが、本作は過去のバイオハザードの主役級のキャラが集まる作品のため、惜しみなくアクションシーンを盛り込みました。
特に最後のバトルシーンは10分以上続く、迫力あるアクションシーンで制作スタッフ一同、このシーンにはかなりの情熱を注ぎ込みました。

映画館の大スクリーンでぜひ味わっていただけるとありがたいです。

宮本佳さん、インタビューに回答いただきありがとうございました!

バイオハザード:デスアイランドに登場するバイクは?

CGアニメーションには制作スタッフの情熱が詰まっているということが分かりました。

そこで気になるのが今作でレオンが乗っているバイク。

今作ではレーサータイプのバイクに乗っているようですが
いくつかの実写バイクをデザインソースにしながら3DのCGデザイナーがオリジナルデザインをしたバイク
ということなので、前作のようにオフィシャルな車種の発表は無く、オリジナルデザインのようです。

そこで今回はBikeLifeLab独自にレオンが乗るバイクのデザインベースとなった車種を予想してみました!

バイオハザード:デスアイランドでレオンが乗っているバイクはカワサキのNinja H2に似ている?

今作でレオンが乗るバイクのデザインのベースモデルとなったのは、その特徴的なデザインからカワサキのNinja H2の可能性が高いと予想します。

Kawasaki Ninja H2

作中で登場するシーンを一見するとツアラーモデルのNinja H2 SXシリーズのようにも見えますが、外装の形状や乗車姿勢から、NinjaH2にアンダーカウルを取り付けたデザインがしっくりくるように見えます。

作中でレオンが乗るバイク
Ninja H2 アンダーカウル装備
Ninja H2 SX

また、レオンが乗っているバイクのマフラーはエンド部分がカーボンになっている事から、カスタムパーツも取り入れられデザインされているのかもしれません。

アンダーカウルやマフラー以外にもカスタムされている箇所や別の車種と共通する部分が見つかるかもしれませんね。

また、レオンが乗るバイクとNinjaH2のスピードメーターはよく似ています。
スピードメーターは作中で数秒程度しか映りませんが、細部まで非常に細かく表現されている事が分かります。

レオンが乗るバイクのメーター
Ninja H2 のメーター

上記の特徴から、今作でレオンが乗るバイクのデザインのベースモデルとなったのはKawasaki NinjaH2の可能性が高いと予想します。

NinjaH2ってどんなバイク?

NinjaH2はカワサキが2015年より製造・発売を開始した大型スポーツバイクで、カワサキが発売するスポーツバイクのNinjaシリーズ最高峰のフラッグシップモデルです。
開発・販売しているカワサキモータースのみならず、川崎重工業の宇宙航空系テクノロジー・ガスタービン・機械テクノロジーといった各部門の技術を総動員させて設計・開発された究極のスポーツバイク。
アッパーカウルに付いたリバーマークは川崎重工が総力を挙げて開発した象徴となっており、川崎重工の製品の中でも歴史的意義を持つ製品にだけ与えられる特別なものとなっています。
その性能と特徴あるルックスから発売後に世界中で大きな反響を呼びました。

Ninja H2 リバーマーク

川崎重工のテクノロジーを集結させたエンジン

NinjaH2最大の特徴は搭載されているエンジンにあります。
スーパーチャージドエンジンという独自開発されたスーパーチャージャー付きのエンジンが搭載されており、
エンジンの回転する力で羽車を回して空気を圧縮し、多くの混合気を送り込むことで高い出力を発揮することができるようになります。
パワーバンドも幅広く持っており、どの回転域からも力強い加速力を発揮します。

登場初期の2015年モデルのNinjaH2は最大出力200馬力を発揮し、ラムエア加圧時は最大210馬力ものパワーを発揮。
発売からモデルチェンジを繰り返し、最新モデルのNinjaH2 CARBONは231馬力(ラムエア加圧時242馬力)を発揮するという圧倒的なエンジンスペックを誇るスポーツバイクとなっています。

その速さは驚異的で、2018年8月に開催されたモータースポーツイベントの「ボンネビルスピードウィークのP-PB 1000クラス」において、なんと当時の世界最速記録となる時速337.064kmを樹立するほど。

圧倒的なトップスピードと加速力を誇るNinja H2ですが、そのエンジンはなんと完全自社製品。
設計や生産などを全てカワサキの自社内で行われており、スーパーチャージドエンジンの開発には川崎重工グループのガスタービン技術等が活用されています。

空力性能を意識したデザイン

NinjaH2はその圧倒的なパワーを最大限に発揮するために空力性能にこだわったデザインを採用しています。
一般的にバイクは高速で走行するほどタイヤと地面の接地感が低下する傾向にあるため、ダウンフォースを発生させることで高速走行時の安定性の向上が見込めます。

スポイラーやミラーは空気抵抗を減らしてダウンフォースを発生させやすい形状をしており、カウル表面の空気の流れをコントロールするとともに排熱性の高い形状となっています。
空力性能を意識したデザイン設計には最先端の流体解析技術を有する川崎重工グループの持つ航空宇宙カンパニーの空力制御技術が活用されています。

この他にも高性能なパーツをはじめ最先端の電子制御技術を取り入れたり、カワサキとして初の片持スイングアームを採用するなど、Ninjaシリーズ最高峰のフラッグシップモデルにふさわしい究極のスポーツバイクです。

まとめ

今作でレオンが乗るバイクはオフィシャルに発表はされていないものの、デザインのベースとなったモデルはカワサキのNinja H2である可能性が高いと予想します。

もしレオンの乗っているバイクがNinjaH2だった場合には、「圧倒的な速さを誇る究極のスポーツバイク × 最強のエージェント」という夢のような組み合わせとなります。

今作のバイクアクションシーンも迫力あるシーンの連続で目を離せません。

敵役の正体や乗っているバイクも気になるところですが、解説を行うとネタバレになってしまうため、ぜひ劇場で確かめてみてください。

敵役は驚きの人物で、乗っているバイクもイタリアメーカーの有名車種を彷彿とさせるデザインが特徴的でカッコいいバイクですので、バイクのデザインベースを予想してみるのも楽しいでしょう。

作中ではバイクアクションシーン以外にも『バイオハザード』シリーズの歴代主人公が共闘するシーンをはじめ、見所が沢山ありますので、気になった方は劇場へ足を運んでみてはいかがでしょうか?

『バイオハザード:デスアイランド』の詳しい情報はこちらの公式サイトで御覧ください。
https://biohazard-deathisland.com/

【作品詳細】
映画『バイオハザード:デスアイランド』
公開日:2023年7月7日(金)
監督:羽住英一郎
脚本:深見真
CG制作:Quebico
プロデュース:トムス・エンタテインメント
配給:角川 ANIMATION
制作:DEATH ISLAND FILM PARTNERS
原作:株式会社カプコン

© 2023 CAPCOM / DEATH ISLAND FILM PARTNERS ALL RIGHTS RESERVED.

筆者プロフィール

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