バイクには様々なタイプがあり、バイクの天敵でもある雨を避けることのできる屋根が付いたバイクというものもあります。

今回はそんな屋根付きバイクついて解説していきます。

屋根付きバイクとは


バイクは通常ライダーが跨って運転するものですが、屋根付きバイクには運転するライダーを雨風から守る屋根(ルーフ)がついています。

乗って楽しむためのファンバイクというよりは、配達業務など仕事で使われることが多いバイクタイプですが、中には毎日のバイク通勤に使用する方もいます。

屋根付きバイクのメリット

軽い雨に強い

屋根があることにより、小雨程度の軽い雨が降っても濡れにくいメリットがあります。
台風などの大雨やゲリラ豪雨など横殴りの雨だと話は別ですが、それでもライダーの真上に屋根があるため、通常のバイクよりは濡れにくくなっています。

雨天時の視認性を確保しやすい


屋根付きバイクにはフロントスクリーン部にワイパーがついている事が多いため、雨の中でも視認性を確保しやすくなっています。

ヘルメットのシールドに雨粒がついて前が見えにくくなってしまうことはよくありますが、屋根付きバイクであれば車と同じようにワイパーがあるため雨粒が付いたヘルメットよりも視認性wo高く保ちやすいでしょう。

正面から風に強い

フロントスクリーンがあるおかげで正面からの風に強く、走行風がライダーに当たりにくくなっています。
冬場は直接走行風が当たらないため寒さを感じにくく、長時間の運転でも快適です。

屋根付きバイクのデメリット

メーカー純正のラインナップが少ない

屋根付きバイクはビジネス利用がメインのため、メーカー純正ラインナップはかなり少なくなっています。
中古車であればある程度選択肢がありますが、新車購入の場合は限られた選択肢から選ぶ事になってしまいます。

通常の二輪と比較して車体本体価格が高くなる傾向にある

こちらもビジネスシューズを想定したバイクならではのことですが、純正から屋根付きのバイクは通常のバイクと比べて価格が高い傾向にあります。

仮に純正では屋根が付いていないバイクを専門業者がカスタムしてルーフキットを取り付けることも可能ですが、こちらもそれなりの金額になることが多いため、屋根付きバイクは排気量だけで考えれば高価なバイクタイプだと言えるでしょう。

雨に全く濡れないというわけではない


屋根がついているから絶対に濡れない!というわけではなく、あくまで防げるのは停車時の雨や走行中は小雨程度で、走行風にのって横から吹き込んでくる雨は防ぐことができません。
特に足元や肩のあたりが濡れやすく、本格的な雨の中を走る場合は雨具が必要になります。

車重が重い

屋根付きバイクは通常のバイクに比べてルーフがあるため車重が重くなっています。
ベースの車体が125㏄のスクーターなど元が軽ければそこまで問題はありませんが、通常の125ccスクーターに比べて多少取り回しが大変に感じるかもしれません。

横風に煽られやすい

正面からの風には強い屋根付きバイクですが、風の当たる面積が大きい分横風の影響を受けやすく、橋の上など横風が強い場所では通常のバイクに比べて風に煽られやすい傾向にあります。

運転にコツがいる

ルーフがある分車高が高く、交差点でのカーブ時に車体を傾けすぎると電柱や歩行者に接触してしまう可能性があり、運転には多少の慣れが必要です。
他にも通常のバイクとは形が違うため横幅が大きく感じたり、屋根付きバイク特有のクセがあるかもしれません。

屋根付きバイクの人気車種

ホンダ ジャイロキャノピー


最もよく見かける屋根付きバイクと言っても過言ではないジャイロキャノピー。
通常モデルは50ccの原付一種となり、リアタイヤのトレット幅を広げたカスタム車はミニカー登録で乗ることができます。

エンジンには2ストローク、4ストロークの2種類があり、車体価格は2ストロークのほうが安いですが、長く乗る前提で燃費や維持費を考えると4ストロークのほうが結果的に安い場合も。
ビジネスユーズでももちろん、日常の足として使っている方も多いバイクなので、初の屋根付きバイクとしても選びやすいモデルです。

ホンダ キャビーナ


ホンダが1994年から発売していた量産車初の屋根付きバイクがキャビーナ。
50ccと90ccの2モデルがあり、ジャイロとは違って2輪のモデルになります。

ただし古い車両のため、中古市場では流通台数の少ない希少な存在です。

アイディア AAカーゴ


ファストフードの配達などでも最近よく見かけるようになったAAカーゴ。
電動の屋根付き3輪モデルで災害時には走る蓄電池としても使える現代的なバイクです。

かなりしっかりとした屋根が付いていて、ウォッシャー機能付きワイパーというのも高ポイント。
50cc相当のモデルと125cc相当のモデルがあり、使い方に合わせて選べる電動屋根付きバイクです。

アディバ AD1 200


後輪ではなく前輪を2輪にすることで安定性を高めているのがAD1 200。
プジョー製のエンジンを採用しており、パワフルで信頼性も高いため、ビジネスシューズだけでなく通勤用としても選ばれやすいバイクです。

フロントスクリーンはワイパー付きとなっており、ルーフは取り外してリアトランクに収納することもできるため、普段はルーフなしで使って、雨が心配なときはルーフを装着するなど使い分けが可能です。

アディバ AD3 400


街中の移動だけでなく、これ1台で移動からツーリングまで完結させられるのがAD3 400。
プジョー製の400ccエンジンのため、高速走行も楽にすることができ、タンデムも可能です。

リアトランクにはキャリーケースも入る90Lと大容量となっており、晴れの日にはルーフを折りたたんで収納することができます。
前3輪の安定感で街中だけでなく遠方へのツーリングも楽しめるため、1台のバイクに機能性を求めたい方におすすめです。

屋根付きバイクのおすすめの選び方

ルーフ付にカスタムされた中古車を選ぶ


純正から屋根付きのバイクを紹介してきましたが、中古市場の中には専門業者が後付で屋根を取り付けたカスタムモデルもあります。
ですが屋根付きではないバイクを新車で購入し、業者に依頼するとかなり高額になってしまうことも。

受注から1ヶ月単位での納期がかかることも珍しくないため、よほどこだわりを持ったものでないと割に合わない事も考えられます。

ルーフカスタムされた車両も中古車として市場に出回っているため、新車だけでなくルーフカスタムの中古車にも注目して探すとお得な屋根付きバイクが見つかるかもしれません。

また、コロナ禍でデリバリー重要が急増したことで屋根付きバイクは中古市場でも多く出回っていますが、ビジネスで使われていた車両と、通勤で使用していた車両では使われ方が大きく違い、当然車両の状態も変わってくることが考えられます。
中古車を選ぶ場合は走行距離をはじめ車体の状態をしっかり確認し、可能であれば販売店に前オーナーがどのように使っていたかも確認できると良いでしょう。

意外と選択肢の多い屋根付きバイク

現在新車で売っているものだけでなく、中古モデルやカスタムモデルまで含めると意外と選択肢が多いのが屋根付きバイク。
2輪か3輪か、ガソリンエンジンか電動エンジンか、125cc以下か250cc以上か、など使い方次第でどの屋根付きバイクが一番合っているかは変わってくるはずです。

便利に使える屋根付きバイクで雨の日も安全にバイク移動しましょう!

筆者プロフィール

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