各バイクメーカーからラインナップされている新車は魅力的なモデルばかりですが、中には人気があってかっこいいバイクなのに排気ガス規制の影響などによって生産終了となり、新車購入できなくなってしまったモデルも数多く存在します。
そういったモデルは中古でしか購入することができず、現行の新車ラインナップにはない魅力を持ったモデルも様々。

今回はカワサキの中古でしか買えない、生産終了となったバイクを紹介していきます!
1980年代などいわゆる旧車と呼ばれるジャンルではなく、2000年以降も生産されていた比較的新しい年代のモデルを紹介するため、絶版車ではありますが現実的に購入・維持が可能なモデルが中心となっています。

カワサキの人気中古車を紹介

ここからはカワサキの中古車に関して、人気車種を紹介していくことにします。
特徴などを記載しますので参考にしてみてください。

エストレヤ

エストレヤ

1960年代に人気だったメグロのクラシックなスタイルとフィーリングを250ccクラスで再現したのがエストレヤです。
メグロはカワサキと統合されて、その技術がカワサキのバイクにも生かされることになりました。
そういう意味でエストレヤは、カワサキの歴史を表現しているようなバイクだと言えます。
レトロなデザインでメッキパーツを多用しているので質感が高く、当時を彷彿させるキャプトンマフラーも装備。
シリンダーが直立した単気筒エンジンはロングストロークのために250ccでありながら力強いトルクを発揮。
スポーツ系と比較するとスペックが劣るためパフォーマンスが高いといえるようなバイクありませんが、スポーツ系では得られないような単気筒の排気音と鼓動感を楽しみながら走ることができます。
カワサキのレトロモデルにはW800やメグロK3がありどれも人気ですが、もしもレトロスタイルで250ccのモデルが欲しい場合はエストレヤがおすすめです。

エストレヤ スペック

ESTRELLA 2017年モデル スペック
全長 2075 mm 全幅 755 mm
全高 1055 mm シート高 735 mm
ホイールベース 1410 mm 車両重量 161 kg
燃料タンク容量 13 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト空冷単気筒
最高出力 13kW(18PS) / 7500RPM
最大トルク 18N・m(1.8kgf・m) / 5500RPM

バリオス2

バリオス2

250ccながら4気筒エンジンを搭載したネイキッドがバリオス2。
レーサーレプリカであるZXR250をベースとしたエンジンは14000rpmで40馬力を発生する超高回転型です。
その甲高い排気音はF1サウンドと例える人がいるほど。
低速トルクは初期のモデル、バリオスよりも強化されましたが、それでも回転を落としてしまうとあまり力がありません。
元気に走ろうと思ったらエンジンを高回転まで回す必要があります。
そんなスパルタンな感じが好きなライダーにとってはとても面白いバイクと言えるでしょう。
シート高は745mmで足つき性は比較的良く、クセが少なくて乗りすいハンドリングなので、低回転のトルクが薄いことを除けばストリートでも乗りやすい性格です。
現状では250cc4気筒ネイキッドバイクは中古車でしか買うことができません。
過去作られたモデル数もそれほど多くないので250cc4気筒のネイキッドが欲しいのであればバリオス2は要チェックのバイクです。

バリオス2 スペック

BALIUS Ⅱ 2007年モデル スペック
全長 2070 mm 全幅 735 mm
全高 1055 mm シート高 745 mm
ホイールベース 1400 mm 乾燥重量 151 kg
燃料タンク容量 14 L 燃料供給方式 キャブレター
エンジン 4スト水冷並列4気筒
最高出力 29kW(40PS) / 14000RPM
最大トルク 20N・m(2.1kgf・m) / 13000RPM

250TR

250TR

エストレヤをベースとして1970年代オフロードバイク的なイメージを与えられたバイクが250TRです。
6.6リッターのタンクが装着されたことでシンプルかつスリムな車体になっています。
車体やエンジンはエストレヤと同じですが、オフロード用の幅広いハンドルによって、ストリートではバイクを操りやすく、タイヤがフロント18インチ,リア17インチのエストレヤから前後共に1インチずつ大きくなったことでハンドリングもより安定感が強くなっています。
またブロックタイヤを装着しているので、多少路面が悪い場所でも走ることができてしまうのも嬉しいところ。
レトロ路線のバイクですが、アクティブな遊び方にもある程度対応できるバイクです。

250TR スペック

250TR 2012年モデル スペック
全長 2100 mm 全幅 870 mm
全高 1095 mm シート高 775 mm
ホイールベース 1420 mm 車両重量 146 kg
燃料タンク容量 6.6 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト空冷単気筒
最高出力 14kW(19PS) / 7500RPM
最大トルク 18N・m(2.1kgf・m) / 6000RPM

Ninja250SL

Ninja250SL

車名のSLはスーパーライトの略。
その名の通り軽量な車体を生かした鋭い走りを信条とするのがNinja250SLです。
同年代のNinja250より23kgも軽量な車体に低速からトルクのある単気筒エンジンを搭載。
車体がとても軽いうえに扱いやすいエンジン特性なので、初心者や体格が小さな人でも乗りやすいのですが、腕のあるライダーにとっては高いコーナーリング性能が魅力。
軽さを活かして鋭く向きを変え、単気筒エンジンのトルクで軽快に立ち上がるような走り方がでてきしまいます。
250ccの軽さをここまで生かしたスポーツバイクは、このバイク以降登場していないといっても過言ではないでしょう。
ビックバイクとは違う、ライトウエイトスポーツを楽しみたい方にもオススメです。

Ninja250SL スペック

Ninja 250SL 2016年モデル スペック
全長 1935 mm 全幅 685 mm
全高 1075 mm シート高 780 mm
ホイールベース 1330 mm 車両重量 149 kg
燃料タンク容量 11 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷単気筒
最高出力 21kW(29PS) / 9700RPM
最大トルク 22N・m(2.2kgf・m) / 8200RPM

DトラッカーX

DトラッカーX

Dトラッカーシリーズは250ccモタードの代表車種と言っても過言ではありません。
長い期間発売され続け、多くのモタードファンを育ててきました。
ベースはオフロードモデルKLX250ですが、ホイールを前後17インチ化してオンロードタイヤを装着し、サスペンションセッティングも変更。
ホイール径が小さくなったことでKLX250よりも足つき性も良くなっています。
KLX250譲りのDOHC単気筒エンジンは元気で使いやすいから街をキビキビと走るのは大得意。
250ccクラスのモタードバイクは新車で発売されることが少ないので、もし欲しいのであればDトラッカーXがオススメです。
中古バイク市場に多く流通しているため選びやすく、カスタムされているバイクもあるので欲しいバイクのイメージに合ったものがないか探してみてください。

DトラッカーX スペック

D-TRACKER X 2016年モデル スペック
全長 2130 mm 全幅 795 mm
全高 1125 mm シート高 860 mm
ホイールベース 1420 mm 車両重量 138 kg
燃料タンク容量 7.7 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷単気筒
最高出力 18kW(24PS) / 9000RPM
最大トルク 21N・m(2.1kgf・m) / 7000RPM

ゼファー400χ

ゼファー400χ

カワサキのバイクの中でも非常に人気の高いのがゼファーシリーズです。
ゼファー400χは気筒あたり4バルブの399ccエンジンを搭載していますが、実はパフォーマンスを追求したマシンではありません。
むしろライバルたちと比較すると性能は低い方だと言っても良いくらいです。

それでもゼファー400Xの人気がまったく衰えない理由は、1970年代に空冷4気筒で世界的な人気になったカワサキの名車、Zの伝統を受け継いだ空冷4気筒エンジンのフィーリングやスタイリングもあるでしょう。
また、Zなど1970年代の旧車と違ってゼファー400Xであれば故障の心配も少なく、維持も比較的簡単。
ハンドリングやエンジン特性は、特に刺激的というわけではありませんが、乗りやすくてストリートを楽しく走るのに十分な性能を持っています。
ゼファーXの中でも火の玉カラーは人気が高いカラーリングとなっているため要注目です。

ゼファー400χ スペック

ZEPHYR X 2007年モデル スペック
全長 2085 mm 全幅 745 mm
全高 1100 mm シート高 775 mm
ホイールベース 1440 mm 乾燥重量 186 kg
燃料タンク容量 15 L 燃料供給方式 キャブレター
エンジン 4スト空冷並列4気筒
最高出力 39kW(53PS) / 11500RPM
最大トルク 35N・m(3.6kgf・m) / 9000RPM

ZRX400

ZRX400

ゼファーシリーズと対をなすカワサキの人気車種がZRXシリーズでしょう。
パフォーマンスに優れた水冷4気筒エンジンを搭載し、直線的なデザインで構成された外装類を身にまとっています。
このデザインは、1980年代前半発売されていたZ1000Rローソンレプリカをイメージしたものです。
最高出力は53馬力で400ネイキッドの中ではトップクラス。
ハンドリングは素直ですが、このクラスのバイクとしてはビックバイク的なドッシリした感じもあり、コーナーリング中も安定しています。
カワサキファンには、アップハンドルでスーパーバイクを戦っていたイメージが好きというライダーが少なくないのですが、そのイメージを400ccクラスで追い求めるとしたらZRX400がオススメと言えるでしょう。

ZRX400 スペック

ZRX 2008年モデル スペック
全長 2075 mm 全幅 745 mm
全高 1135 mm シート高 770 mm
ホイールベース 1450 mm 乾燥重量 187 kg
燃料タンク容量 15 L 燃料供給方式 キャブレター
エンジン 4スト水冷並列4気筒
最高出力 39kW(53PS) / 11500RPM
最大トルク 37N・m(3.8kgf・m) / 9000RPM

W400

W400

カワサキのWシリーズは長い歴史を持つブランド。
現在も非常に人気が高いのですが800ccモデルしかないので普通自動二輪免許のライダーは乗ることができません。

ですが、中古車に眼をむけるとW400という選択肢が出てきます。
このW400はW650の400ccバージョンです。
車体が共通なので、クロームメッキパーツを多用した高い質感やクラシックな雰囲気はそのまま。
ベベルギアを使ったバーチカルツインエンジンの美しさも変わりません。
さらに嬉しいのはシート高が下がっていること。
W650の800mmより35mm低い765mmになっているのです。
エンジンのトルクもW800ほど強くないので、逆に乗りやすいという側面もあります。
こういった点によって女性ライダーからも高い人気を得ている人気マシンです。

W400 スペック

W400 2008年モデル スペック
全長 2175 mm 全幅 855 mm
全高 1115 mm シート高 765 mm
ホイールベース 1460 mm 乾燥重量 193 kg
燃料タンク容量 14 L 燃料供給方式 キャブレター
エンジン 4スト空冷並列2気筒
最高出力 21kW(29PS) / 7500RPM
最大トルク 29N・m(3kgf・m) / 6000RPM

バルカンS

バルカンS

クルーザーのスタイルでありながら、走りの楽しさを追求したパフォーマンスクルーザーがバルカンS。
雰囲気を重視したアメリカンスタイルのクルーザーの多くはVツインエンジンを搭載していますが、バルカンSはNinja650系の並列ツインエンジンを採用。
ハンドリングも軽快で、スポーツ走行を楽しむことができます。
シート高も705mmと低く、足つき性も抜群です。
中途半端なバイクのように感じてしまうかもしれませんが、逆に見たらクルーザーとしてのんびり走ることもできて、スポーツもできる欲張りなバイクという事でもあります。
実はこのコンセプトは、今カワサキで人気になっているエリミネーターとそっくり。
すでに生産が中止されているモデルですが、実は時代を先取りしていたのかもしれません。

バルカンS スペック

VULCAN S 2022年モデル スペック
全長 2310 mm 全幅 855 mm
全高 1090 mm シート高 705 mm
ホイールベース 1575 mm 車両重量 229 kg
燃料タンク容量 14 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列2気筒
最高出力 45kW(61PS) / 7500RPM
最大トルク 62N・m(6.3kgf・m) / 6600RPM

ZRX1200DAEG

ZRX1200DAEG

ZRXシリーズの集大成とも言うべきモデルがZRX1200DAEGです。
それまであったZRX1200と異なり、日本専用モデルとなったことで日本人ライダーの体格に合わせたポジションとし、足回りのセッティングも日本での使い方を考えて設定されました。
そのため、街やワインディングでは1200ccクラスのビッグネイキッドとは思えないほど気持ちよく走ることができます。
前モデルZRX1200はキャブレターでしたが、DAEGはインジェクションで扱いやすく、更にとてもパワフル。
エンジンも日常域で常用する低中速域のトルクを重視した特性になっています。
現行のカワサキのリッターバイクは高性能だけれど、もう少しビックバイクらしいスタイルやエンジンフィーリングを楽しみたいというのであれば、ZRX1200DAEGが良いかもしれません。

ZRX1200DAEG スペック

ZRX1200 DAEG 2015年モデル スペック
全長 2150 mm 全幅 770 mm
全高 1155 mm シート高 795 mm
ホイールベース 1470 mm 車両重量 246 kg
燃料タンク容量 18 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列4気筒
最高出力 81kW(110PS) / 8000RPM
最大トルク 107N・m(10.9kgf・m) / 6000RPM

ゼファー1100

ゼファー1100

ゼファーシリーズの最大排気量がゼファー1100です。
同じゼファーでもゼファー750は軽量コンパクトでキビキビ走ることができるバイクでした。
それに対して1100は大きくて重く、ビックバイクらしい迫力があるスタイリングです。
エンジンは特段高いパワーがあるわけではありませんが、全域で扱いやすいトルクを発生。
シフトダウン時のショックを吸収するバックトルクリミッターを採用しています。
フロントに18インチタイヤを採用していることもあり、落ち着きのあるハンドリング。
空冷で整備がしやすく、比較的パーツが豊富なのもこのマシンの魅力でしょう。
人気の高いモデルなので、もしも興味があるのであったら早めに行動することをオススメします。

ゼファー1100 スペック

ZEPHYR 1100 2007年モデル スペック
全長 2165 mm 全幅 780 mm
全高 1115 mm シート高 795 mm
ホイールベース 1495 mm 車両重量 265 kg
燃料タンク容量 18 L 燃料供給方式 キャブレター
エンジン 4スト空冷並列4気筒
最高出力 63kW(86PS) / 7500RPM
最大トルク 83N・m(8.5kgf・m) / 7000RPM

Z1000

Z1000

ハイバフォーマンスなストリートファイターとして知られているのがZ1000です。
コンパクトな車体に搭載されているエンジンはスーパースポーツZX-10Rがベースですが、更にボア×ストロークを拡大し、ストリート向けに中速を重視した特性にしているからパワーと加速力は強烈。
特に中速から高回転にかけて、一気にスピードが上がっていく様子はライダーを興奮させます。
カワサキのデザインコンセプトsugomiが採用され、特徴的なフロントマスクと相まって迫力あるスタイルを作り出しています。
Z1000は生産が中止され、現在はZ900が発売されていますが、パフォーマンスや刺激の強さに関して言うのであればZ1000が上と言えるでしょう。
もしもスパルタンなリッターネイキッドが欲しいというのであれば、敢えて中古でZ1000を選ぶという選択肢もアリでしょう。

Z1000 スペック

Z1000 2022年モデル スペック
全長 2050 mm 全幅 790 mm
全高 1055 mm シート高 815 mm
ホイールベース 1440 mm 車両重量 221 kg
燃料タンク容量 17 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列4気筒
最高出力 104kW(141PS) / 10000RPM
最大トルク 111N・m(11.3kgf・m) / 7300RPM

ZX-14R

ZX-14R

スズキのハヤブサのライバルの1台がZX-14R。
1441ccという並列4気筒エンジンを搭載したメガスポーツバイクです。
二輪の並列4気筒としては最大排気量で、驚くべきパフォーマンスを発揮するモンスターバイクですが、大排気量エンジンということもあり出力特性はジェントル。
どの回転域からでもスロットル操作だけで十分すぎるほどのトルクを発生します。
空力特性に優れたデザインによって高速巡航でのライダーの疲れも少なく快適。
パワー、快適性、スポーツ性が極めて高いレベルでバランスしているのです。
リアショックにオーリンズを採用しスペシャルからリーリングを施されたオーリンズエディションや、ブレンボモノブロックキャリパーと専用設計オーリンズTTXを装備したハイグレードというモデルもあるので、究極のスポーツツアラーを探しているのであれば中古車を調べてみてはいかがでしょう。

ZX-14R スペック

Ninja ZX-14R 2019年モデル スペック
全長 2170 mm 全幅 780 mm
全高 1170 mm シート高 800 mm
ホイールベース 1480 mm 車両重量 269 kg
燃料タンク容量 22 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列4気筒
最高出力 147.2kW(200PS) / 10000RPM
最大トルク 158.2N・m(16.1kgf・m) / 7500RPM

個性的バイクが欲しいならカワサキの中古バイクも注目

 
カワサキには独自のカテゴリーや歴史を継承したモデルなど、他のメーカーとは違う個性的なバイクがたくさんありましたが、排出ガス規制などによってそういったモデルがここ数年でラインナップから消えていました。
中古であればそういったバイクを手に入れる事ができるため、カワサキらしいバイクを探すのなら是非中古車にも注目してみてください!

筆者プロフィール

Bike Life Lab supported by バイク王

~バイクがあれば もっと楽しい~
すべてのライダーに贈るバイクコンテンツサイト「Bike Life Lab」では、お役立ちコラムからおすすめバイクロード、Bike Life Lab研究員によるお楽しみコンテンツまで幅広く掲載中。