ホンダ スーパーカブシリーズの種類について解説!特徴や違いはどんなところにある?
公開日:2023.02.24 / 最終更新日:2024.09.10
スーパーカブは1958年に登場してから現在までにシリーズ合計で1億台を超える販売台数を誇ります。
輸送機械としては文句なしに世界最多で、しかも現在もまだ継続して記録更新中という凄いバイクです。
スーパーカブが世界中で長い間愛され続けているのは、扱いやすくて高性能なだけでなく、高い信頼性と耐久性を持っているから。
つまり、オススメできる中古車がたくさんあるバイクだと言うことができます。
そんなスーパーカブ、今どんなモデルが中古車で購入できて、どんな特徴があるのか、具体的に説明していくことにしましょう。
一番スタンダードなのはスーパーカブ50
スーパーカブは半世紀以上にわたって様々な進化を遂げてきました。
2012年にはスーパーカブ50のフレームやエンジンが全面的に見直されています。
この写真は変更を受けた後のモデルになります。
古い時代のマシンとデザインは似ていますが、エンジンにはホンダ独自の低フリクション技術が採用され、環境性能を高めながらパワーと扱いやすさ、低燃費を実現しています。
吸気系はインジェクションで、燃費は105km/lと超経済的。
車体やサスペンションも一新され、フロントフォークにも一般的なテレスコピックタイプが採用されていて、乗り心地やハンドリングが向上しています。
走り重視で選ぶならスーパーカブ110
スーパーカブ110は、厳しくなってきた排ガス規制に対応するために新しく開発されたモデルです。
燃料消費や環境性能が向上していますが、それだけではありません。
低フリクション技術が投入されたことで、非常に完成度が高いエンジンになっています。
外観は50とほとんど変わりませんが、二段階右折や30km/hの速度制限がないのは魅力。
エンジンの排気量が2.2倍もあるので非常にパワフルです。
燃費は63.5km/lと50には負けますが、それでも十分すぎるほどに経済的。
インジェクションモデルに関してはボアアップなどのチューニングパーツも少ないので、50を購入してパワーアップさせるのは昔ほど簡単ではありません。
もしも高年式のスーパーカブで、パワーや走りを求めるのであれば110がオススメです。
カブシリーズの最上級モデル スーパーカブC125
スーパーカブシリーズの頂点に位置するのがC125です。
デザインは1958年に誕生した初期型C100をイメージしながらも現代的なアレンジを加え、ホイールは切削加工されたアルミの17インチキャストホイール。
チューブレスタイヤだからパンクしたときも空気がいきなり抜けたりすることもありませんし、パンク修理も簡単です。
メーター周りのデザインも上品かつ質感の高いもので、実用車的というよりも高級バイクのよう。
スマートキーシステムを採用してライト類はオールLEDと豪華装備満載です。
動力性能も高く、カブシリーズ最高の9.8馬力を発揮。
車体や足回りもシッカリしているので、高いレベルの走りを楽しめるバイクになっています。
コンパクト・上品・オシャレなリトルカブ
スーパーカブシリーズの中でもオシャレ路線を突っ走っていたのがリトルカブ。
14インチホイールを装着してコンバクトな車体サイズになっていることに加え、デザインも見直されてカラーリングも上品。
乗り降りが簡単で可愛らしいスタイルだったので女子にも人気でした。
1997年から2017年まで発売されていましたが、残念なことに現在はラインナップから消えてしまいました。
スーパーカブ中で最もスタイリッシュな、このモデルを手に入れることができるのは中古車だけ。
ちなみに写真のモデルはインジェクションを採用したモデルでクランクケースがブラック。
クランクケースがシルバーのモデルは、キャブレター仕様なので中古車購入時は参考にしてみてください。
ジョルカブはオシャレなレトロスクーター
90年代にラインナップされていたレトロデザインスクーター、ジョルノにスーパーカブのエンジンを搭載したマシンがジョルカブ。
オシャレなスクーターで、マニュアル変速のライディングを楽しみたいというライダーにピッタリです。
搭載されているのはキャブレター仕様のエンジンですが、それでも燃費は110km/lを実現しています。
あまり長い期間生産されていないので、カブシリーズの中ではレア度が比較的高め。
もしも興味があるのなら、売り物が出た時は見逃さないようにしたほうが良いかもしれません。
荷持をたくさん搭載するならスーパーカブ50プロ
スーパーカブのヘビーデューティー仕様とも言うべきモデルがプロ。
新聞配達や宅配での使用を考えて作られたバイクです。
荷物を搭載するカゴが装着されているだけではありません。
前後14インチの小径ホイールになったことで車高が低くなり、乗り降りや重い荷物の積み下ろしが簡単。
ハンドリングも軽快で小回りがききます。
フロントフォークのインナーチューブが太くなり、リアショックのストロークが伸ばされているのも重い荷物を積んだときのショック吸収性や乗り心地を考えているから。
日々の買い物や大きな荷物を持ってのお出かけに大活躍するバイクです。
穴場モデルは中国生産時代のスーパーカブ110プロ
110プロの車体サイズは50とほとんど変わりません(細かなスペックは微妙に異なっています)。
ただ、重い荷物を搭載したときにパワーがある110の方が楽に走れることは確かです。
このモデルに関して言うと、もう一つのポイントは中古車価格でしょう。
上記の50プロと写真を見比べてデザインが違うことに気がついた人もいるかもしれません。
実はこの110プロ、中国で生産されていた時期のモデルなのです。
2009年に登場した時、車体とエンジンを全面的に見直すと同時に、角を基調としたデザインに変更されたのですが、コレがイマイチ(というか、かなり)不評でした。
そこで2017年、熊本製作所に生産が移管され、当初からのスーパーカブのイメージを元にして、現在のデザインへと変更されました。
けれど中国生産時代のモデルから基本的に車体やエンジンは変わっていません。
つまり、現行モデル同様に高性能でありながら中古車価格が比較的安めに設定されることが多い(程度や走行距離によって価格は異なります)という穴場的なモデルなわけです。
デザインに関しては同時代のスーパーカブ50などにも共通していることですが、プロの場合はフロントにカゴが装備され、ライトの形状などが違うので、他のスーパーカブほどデザインの違いは目立ちません。
プロを探しているのであれば、敢えて中国生産モデルを探してみるのも面白いかもしれません。
根強い人気を誇る先代ハンターカブがCT110
オフロードを気軽に走ったり、狩猟や釣りを楽しむための道具として生まれたのがハンターカブです。
アメリカのアウトドアシーンで長い期間かけて鍛えられ、進化したハンターカブは、いくつかのモデルが国内でも発売されましたが、いずれもあまり人気にはなりませんでした。
写真のCT110も同様です。
登場した80年代前半は、バイク黄金期の真只中。
誰もが高性能なバイクに目を向けていたので、ノンビリとオフロードを走るバイクの良さが分かりにくかったのでしょう。
ところがライフスタイルが変化していくにつれ、ジワジワとハンターカブの人気も上がっていくことになりました。
新型のCT125ハンターカブが登場した現在でも、CT110の方が良いという人もいます。
その理由の一つは車体がコンパクトで軽いこと。
動力性能、車体性能は新型と比べ物になりませんが「これくらいマッタリしている方がカブっぽくて良い」という意見も少なくありません。
ちなみにこのバイク、車両名はCT110で、ハンターカブという名前はついていませんでした。
それなのに誰もが昔からハンターカブと呼んでいるのは、いかにハンターカブのコンセプトが昔から広く浸透していたかの現れだと言えます。
本格的オフ走行も可能なCT125ハンターカブ
スタイルこそ似ていますがCT125ハンターカブはCT110と別物です。
なんといっても車体がゴツくて頑丈。
前後にディスクブレーキを装備し、サスペンションもオフロード走行を考慮してストロークを伸ばしています。
エンジンも非常にパワーがあり、実用車というよりもバイクとしての走りを楽しむことができるモデルです。
CT125ハンターカブは、2019年にモーターショーで発表されると大変な話題となりました。
やっとハンターカブに時代が追いついたのでしょう。
中古車市場でも人気は衰えませんが、タマ数もそれなりに多いので程度の良いモデルを選ぶことができます。
冒険心と遊び心をくすぐるクロスカブ50
スーパーカブをベースに、オフロード的なイメージを与えたマシンがクロスカブです。
遊び心をくすぐるデザインが魅力的。
四輪で言うところのクロスオーバー的な要素をスーパーカブに取り入れてできたマシンなのです。
オフロードでの走りを追求しているわけではないので、オンロードでの扱いやすさや気軽さはカブのままですし、普段着で走り出しても違和感がないスタイルになっています。
ちなみに同じクロスカブでも50と110では仕様が異なります。
110では17インチホイールでブロックタイヤを履いていますが、50は14インチでオンロードタイヤ。
だから同じクロスカブでも50の方がコンパクト。
110に比べるとシート高が44mmも低くなっています。
オフロードもこなせるクロスカブ110
CT125ハンターカブが発売された時、クロスカブ110はなくなってしまうのかなあ、なんて思ったものですが、現在でもこのクロスカブ110は併売されています。
その理由はハンターカブにはないカジュアルさと、とっつきやすさがあるから。
CT125ハンターカブが、ゴツいワークブーツだとしたら、クロスカブ110はスニーカー的なイメージです。
車体もCT125より若干小さくて軽いというのも見逃せない点。
ストローク量の多いプロのサスペンションを採用し、ブロックタイヤを装着しているから、多少のオフロードであれば臆することなく踏み入っていくことができます。
中古車価格もCT125ハンターカブより安めの設定になっているものが多いようです。
とっても気軽で、オフロードで遊ぶこともできるから、バイクライフの幅を広げてくれることができるのです。
スーパーカブシリーズには魅力がたくさん!
スーパーカブにここには紹介しきれないほど多くのバリエーションがあり、それぞれが魅力的です。
中古車なら様々な時代のバリエーションモデルを探すことができます。
是非店頭で実車を見比べてみてください。