バイクメーカーとして有名なカワサキですが、実はバイクはメイン産業ではありません。
川崎重工業では航空機・鉄道車両・船舶などをはじめとした様々な乗り物を製造しており、その中のひとつにバイクがあります。
川崎重工内の各部門と共同開発したバイクには他のバイクメーカーでは再現が難しいテクノロジーを兼ね備えることもあり、他メーカーとは一味違った魅力を持つバイクがあることも特徴。
NinjaシリーズやZシリーズなどをはじめ、世界的な人気を誇るバイクを数多く生み出してきたメーカーとしても知られています。

今回はスカワサキが販売している現行モデル(新車ラインナップ)の中から人気車種をピックアップして紹介します!

※本記事の内容は2024年6月の執筆時の内容となるため、最新の情報とは異なる場合があります。
※掲載しているバイクのイメージ画像はメーカーオリジナルの状態と異なる場合があります。

Kawasaki 新車バイクの人気車種

Z250

カワサキZシリーズ共通のSUGOMIデザインが採用され、ストリートファイター的なスタイルに仕立て上げられているのがZ250です。
走りを感じさせる精悍なデザインですが、バイク自体の性格まで尖っているわけではありません。
並列2気筒エンジンはストリートでの扱いやすさも十分に確保されていて、高回転型で回すと気持ちの良い加速を楽しむことができます。
街中からワインディングまで、どんな場所でもハンドリングは素直でライダーの意のままにバイクをコントロールすることができます。
全体の完成度が高いのでビギナーでも安心して走ることができ、ベテランでも満足できるバイクになっているのです。

Z250 スペック

Z250 2023年モデル スペック
全長 1990 mm 全幅 800 mm
全高 1060 mm シート高 795 mm
ホイールベース 1370 mm 車両重量 164 kg
燃料タンク容量 14 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列2気筒
最高出力 26kW(35PS) / 12500RPM
最大トルク 22N・m(2.2kgf・m) / 10500RPM

Z650RS

1970年代に鋭い走りでザッパーの愛称で親しまれたZ650をイメージしたのが現代のZ650RSです。
並列2気筒エンジンは全域でトルクフル。
現行Z650RSが登場したときは「4気筒じゃないのか」などという声も聞かれましたが、このツインは力強いフィーングで走るのが楽しくなるということで評判になりました。
実際にZ650RSに乗ってみてファンになってしまったライダーは少なくありません。
ハンドリングも軽快で、ベテランライダー達からも高い評価を得ています。
先代のZ650も現行のZ650RSも、走りの楽しさでライダーを魅了するという点は変わっていないのです。

Z650RS スペック

Z650RS 2023年モデル スペック
全長 2065 mm 全幅 800 mm
全高 1115 mm シート高 800 mm
ホイールベース 1405 mm 車両重量 188 kg
燃料タンク容量 12 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列2気筒
最高出力 50kW(68PS) / 8000RPM
最大トルク 63N・m(6.4kgf・m) / 6700RPM

W800

レトロなモダンなデザインの車体に空冷バーチカルツインを搭載したバイクがW800です。
360度クランクのパラレルツインエンジンによる力強い加速とキャプトンマフラーが奏でる排気音にはファンがたくさんいます。
見た目はクラシックですがストリートなら動力性能もまったく不足はありません。
低回転からトルクがあるので、実用速度域からスロットルを大きく開けたときの加速感には感動してしまうほどです。
前後18インチタイヤが生み出すハンドリングは安定感があり、ストリートやツーリングでは非常に扱いやすいバイクになっています。

W800 スペック

W800 2024年モデル スペック
全長 2190 mm 全幅 790 mm
全高 1075 mm シート高 790 mm
ホイールベース 1465 mm 車両重量 226 kg
燃料タンク容量 15 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト空冷並列2気筒
最高出力 38kW(52PS) / 6500RPM
最大トルク 62N・m(6.3kgf・m) / 4800RPM

メグロK3

W800をベースとして、更に質感とクラシカルなイメージを高めているのがメグロK3です。
クロムメッキパーツを多用して銀鏡塗装や手塗りのエンブレムなどが採用されました。
ちなみにメグロは戦前にスタートしたバイクメーカー。
当時の日本では珍しく、高品質なビックバイクを作ることで有名でした。

1960年代に入ってメグロはカワサキと経営統合されて伝統が受け継がれていきます。
そこから数多くのカワサキビックバイクを生み出されていくことになりました。
メグロK3には、そんなヒストリーに対しての尊敬の念が込められているのです。

メグロK3 スペック

MEGURO K3 2023年モデル スペック
全長 2190 mm 全幅 925 mm
全高 1130 mm シート高 790 mm
ホイールベース 1465 mm 車両重量 227 kg
燃料タンク容量 15 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト空冷並列2気筒
最高出力 38kW(52PS) / 6500RPM
最大トルク 62N・m(6.3kgf・m) / 4800RPM

Z900RS

世界中で大人気となった名車Z1をモチーフとして作られたネオクラシックがZ900RSです。
水冷4気筒エンジンにはカワサキ独自のサウンドチューニングが施され、迫力ある排気音と加速感を実現。
Z1を知るベテランライダー達からも絶賛されるほどのフィーリングを生み出しています。
足回りは前後17インチのラジアルタイヤや倒立フォーク、リアのリンク式サスペンションなど走りを重視した設計。
レトロイメージと最新テクノロジーが融合したことで大人気のモデルです。
Z900RSの中でもアニバーサリーモデルは生産台数が限られているため希少性が高くなっています。

Z900RS スペック

Z900RS 2023年モデル スペック
全長 2100 mm 全幅 865 mm
全高 1150 mm シート高 800 mm
ホイールベース 1470 mm 車両重量 215 kg
燃料タンク容量 17 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列4気筒
最高出力 82kW(111PS) / 8500RPM
最大トルク 98N・m(10kgf・m) / 6500RPM

Z H2

200馬力を発揮するスーパーチャージド998ccエンジンを搭載したネイキッドがZ H2です。
スーパーチャージャーによる加給が始まってからの猛烈な加速は圧巻の一言。
自然吸気のエンジンとは違う豪快な走りを楽しむことができます。

超高速域での高い安定性を確保しながら、スポーツライディングを楽しむことができるハンドリングになっている点も魅力。
ZシリーズのデザインコンセプトSugomiを取り入れながらもエアインテークなどの関係からZ H2独特なフロントマスクになっています。

Z H2 スペック

Z H2 2023年モデル スペック
全長 2085 mm 全幅 810 mm
全高 1130 mm シート高 830 mm
ホイールベース 1455 mm 車両重量 240 kg
燃料タンク容量 19 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列4気筒
最高出力 147kW(200PS) / 11000RPM
最大トルク 137N・m(14kgf・m) / 8500RPM

Ninja250

250㏄スポーツバイク人気の火付け役となったバイクはNinja250シリーズといっても過言ではないでしょう。
初代にあたるNinja250Rから基本コンセプトを変えることなく進化を続け、ライバルたちが登場してきた現在も高い人気を誇っています。
並列2気筒エンジンは全域で扱いやすく、高回転まで気持ちよく伸びていく特性。
高性能でありながら乗りやすさを兼ね備えていて、街乗りからツーリング、スポーツライディングまでこなせる万能なマシンであることが多くのライダーに支持されている秘密でしょう。

Ninja250 スペック

Ninja 250 2023年モデル スペック
全長 1990 mm 全幅 710 mm
全高 1125 mm シート高 795 mm
ホイールベース 1370 mm 車両重量 166 kg
燃料タンク容量 14 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列2気筒
最高出力 26kW(35PS) / 12500RPM
最大トルク 22N・m(2.2kgf・m) / 10500RPM

ZX-25R

250㏄クラスのフルカウルスポーツバイクでありながら4気筒エンジンを搭載して話題になったのがZX-25R。
10000rpmから17000rpmの爽快感と甲高い排気音は、ライダーを夢中にさせます。
高速走行時はラムエアシステムによってエアを多く取り込むことで更にパワーが向上。
超高回転型エンジンなので、ストリートではシングルやツインエンジンに比べて忙しくギアチェンジしなければなりませんが、ストリートでも回して走る楽しさを感じられるという点が大排気量のスポーツバイクにはない魅力です。

ZX-25R スペック

Ninja ZX-25R 2021年モデル スペック
全長 1980 mm 全幅 750 mm
全高 1110 mm シート高 785 mm
ホイールベース 1380 mm 車両重量 183 kg
燃料タンク容量 15 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列4気筒
最高出力 33kW(45PS) / 15500RPM
最大トルク 21N・m(2.1kgf・m) / 13000RPM

Ninja400

250ccクラスの車体サイズでありながら400cc並列二気筒エンジンを搭載しているのがNinja400です。
排気量が1.6倍になるので低中速の力強さは250ccクラスとは別物。
加速性能が高くなるだけでなく、ストリートライディングやクルージングのときにも余裕が生まれ、スポーツライディングではパワーでマシンをコントロールする楽しさが増えます。
400ccとしてはスリムかつコンパクトな車体サイズも魅力。
維持していくうえでは車検の手間と費用がかかりますが、それを上回る魅力があります。
もしも250ccで物足りなさを感じているのであれば、Ninja400を強くオススメします。

Ninja400 スペック

Ninja 400 2023年モデル スペック
全長 1990 mm 全幅 710 mm
全高 1120 mm シート高 785 mm
ホイールベース 1370 mm 車両重量 167 kg
燃料タンク容量 14 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列2気筒
最高出力 35kW(48PS) / 10000RPM
最大トルク 37N・m(3.8kgf・m) / 8000RPM

ZX-4R SE

ZX-25Rのフレームをベースとした車体に並列4気筒400ccエンジンを搭載してしまったのがZX-4R SEです。
車体重量は190kgとZX-25Rよりもわずか7kg重くなっているだけ。
このバイク最大魅力は、この軽量な車体に400㏄クラス史上最高の77psを発揮するエンジンを搭載していること。
16000rpm近くまで回ってしまうフィーリングと加速感は他の400ccバイクでは味わうことはできません。
自由自在なコーナーリング性能にも定評のあるところ。
同じ車体のZX-25Rに比べると下からトルクがあるので、ストリートライディングやツーリングでも扱いやすくなっています。
スリムな車体なので足つき性も良好です。

ZX-4R SE スペック

Ninja ZX-4R SE 2023年モデル スペック
全長 1990 mm 全幅 765 mm
全高 1110 mm シート高 800 mm
ホイールベース 1380 mm 車両重量 190 kg
燃料タンク容量 15 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列4気筒
最高出力 57kW(77PS) / 14500RPM
最大トルク 39N・m(4kgf・m) / 13000RPM

ZX-10R

WSB(スーパーバイク世界選手権)で大活躍しているのがZX-10Rです。
ワークスチームが戦いの場で培ってきたノウハウがこのモデルに惜しみなく投入されています。
一体型ウイングレットを採用したカウルは超高速走行時のエアロダイナミクスを追求した結果生まれたもの。搭載されているのは並列4気筒998ccエンジンで、最高出力は203馬力を誇ります。
足回りにもショーワのハイグレードサスペンションやブレンボのブレーキキャリパーが採用されるなど妥協がありません。
速さを追求したマシンですが、TFT液晶メーターやスマートフォン接続機能などストリートでの使いやすさにも配慮されています。

ZX-10R スペック

Ninja ZX-10R 2023年モデル スペック
全長 2085 mm 全幅 750 mm
全高 1185 mm シート高 835 mm
ホイールベース 1450 mm 車両重量 207 kg
燃料タンク容量 17 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列4気筒
最高出力 149kW(203PS) / 13200RPM
最大トルク 115N・m(11.7kgf・m) / 11400RPM

NinjaH2 SX

カワサキが作り上げた究極のスポーツツアラーがNinja H2 SXです。
スーパーチャージドエンジンは圧倒的な動力性能と異次元の加速感を生み出します。
このバイクでもう一つ注目していただきたいのは先進の電子装備でしょう。

ボッシュと共同開発したARASテクノロジーが前後に配置されたレーダーで周囲の状況を読み取ります。
前を走る車との車間距離を自動的に調整するアクティブクルーズコントロールは長距離のツーリングでライダーの疲れを大幅に低減。
ブラインドスポットディテクションは後方の死角にいる車両を警告してくれます。
走行性能や最新テクノロジーを兼ね備えたカワサキの技術力を結集したマシンといっても過言ではないでしょう。

NinjaH2 SX スペック

Ninja H2 SX 2023年モデル スペック
全長 2175 mm 全幅 790 mm
全高 1260 mm シート高 820 mm
ホイールベース 1480 mm 車両重量 266 kg
燃料タンク容量 19 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列4気筒
最高出力 147kW(200PS) / 11000RPM
最大トルク 137N・m(14kgf・m) / 8500RPM

ヴェルシス1000 SE

Z1000の並列4気筒をベースとしたエンジンを搭載したマルチパーパスがヴェルシス1000SE。
前後に17インチのオンロード用ラジアルタイヤを装着していることからも分かるようにアドベンチャーバイクほどオフロードを強く意識したバイクではありません。

しかし、ロングストロークの前後サスペンションを組み合わせているので多少の悪路程度であれば臆することなく走り抜けられることでしょう。
更にこのサスペンションは快適な乗り心地も生み出します。
シチュエーションを選ぶことなく、どんなときも快適な走りを楽しむことができるバイクです。

ヴェルシス1000 SE スペック

Versys 1000 SE 2023年モデル スペック
全長 2270 mm 全幅 950 mm
全高 1490 mm シート高 820 mm
ホイールベース 1520 mm 車両重量 257 kg
燃料タンク容量 21 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列4気筒
最高出力 88kW(120PS) / 9000RPM
最大トルク 102N・m(10.4kgf・m) / 7500RPM

エリミネーター

クルーザーのスタイルだけを見るとノンビリとクルージングを楽しむバイクのように感じてしまうかもしれませんが、エリミネーターは走りを楽しむことができるマシンに仕上げられています。
スポーツクルーザーと言ったほうが、このマシンの性格を分かっていただけるかもしれません。
コーナーリングのことも考えられているので、通常のクルーザーよりは若干シートが高めですが、それでも足つき性は良好な部類。

上級モデルのSEはビキニカウル、ツートンのシート、前後のドライブレコーダー、フォークブーツなども標準装備されています。

エリミネーター スペック

ELIMINATOR 2024年モデル スペック
全長 2250 mm 全幅 785 mm
全高 1100 mm シート高 735 mm
ホイールベース 1520 mm 車両重量 176 kg
燃料タンク容量 12 L 燃料供給方式 インジェクション
エンジン 4スト水冷並列2気筒
最高出力 35kW(48PS) / 10000RPM
最大トルク 37N・m(3.8kgf・m) / 8000RPM

筆者プロフィール

Bike Life Lab supported by バイク王

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