400㏄アメリカンバイクのおすすめ人気車種を紹介!
公開日:2023.06.24 / 最終更新日:2024.09.10
当初、日本のメーカーはこのカテゴリーのバイクを作っていませんでした。
ところが1970年代後半からアメリカンスタイルのバイクが登場してくるとこれが人気となり、1980年代になると国内の全メーカーが生産を開始。
1990年代から2000年代にかけて一大ムーブメントを引き起こし、現在でも多くのファンがいます。
今回はそんなミドルクラスのアメリカンバイクについて解説することにします。
400㏄アメリカンバイクの魅力
アメリカンバイクはハーレー・ダビッドソンのイメージが強いのですが、日本国内メーカーもアメリカンバイクを販売しています。
クルーザータイプに分類されることが多いことからも分かるように、元々は長距離をノンビリとクルージングすることを考えられたバイクです。
現在、新車で発売されている400ccアメリカンバイクはカワサキのエリミネーターのみですが、中古車市場には普通二輪免許で乗れる中型クラスの車種が豊富。
外車にも負けないくらい個性的でデザインの美しいマシンが多いなど、現行のバイクにはない個性に溢れていて、モデルや年式によっては比較的安いものもあります。
鼓動感溢れるエンジン
400ccアメリカンバイクの多くにはVツインエンジンが採用されています。
ドコドコとした振動や重低音の効いた音が特徴で、耐久性も高いものばかり。
そして見た目にも美しいものが多く、エンジンの存在感が大きくなっています。
アメリカンバイクはバイク初心者にもおすすめ
400ccアメリカンバイクは車格が大きく、迫力があるスタイリングのカテゴリーで、デザインがオシャレなモデルが多いため所有感を満たしてくれるバイクばかり。
乗っていても満足感が高いバイクです。
直進安定性が高くシート高が低くて足つきが良いため、初心者でも安心して乗ることができます。
250ccクラスのアメリカンバイクだと車検が不要で維持費が安く、400ccと比較して車体も軽量なモデルが多いというメリットがありますが、高速道路やタンデムをする際にパワー不足を感じるデメリットがあります。
その点、400ccクラスなら高速道路やタンデム走行も十分なパワーがあるので快適。
自分のライフのスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
教習車に採用されているCB400SFなどのネイキッドバイクと比較すると、アメリカンバイクはホイールベースが長くてキャスター角も寝ているため、乗り初めはカーブ時や取り回し時のハンドリングが独特に感じます。
もしかしたら最初は違和感を持つライダーもいるかもしれません。
しかしオーナーの人たちに聞くと、乗っているうちに慣れてくるということです。
基本的に、速さを求めるバイクではないため(初代エリミネーター400など、一部速さも兼ね備えたモデルもあります)、景色を楽しみながらノンビリ風を感じて走りたい人におすすめなジャンルだと考えておくと良いでしょう。
400㏄アメリカンバイクの選び方
1990年代から2000年代にかけてブームとなり、現在でも人気のカテゴリーのため、中古車市場には多く台数が流通しています。
カスタムされたバイクも多く見られますが、初めてのバイクだとしたら、フルカスタムされた中古バイクはオススメしません。
この写真は筆者が中古車で購入した250㏄のVツインマグナというアメリカンバイクですが、このようにロングフォークにカスタムされていたり、ジョッキーシフト(左手で変速を行う)に変更をされているなど、メーカーオリジナルの状態から大きく変更されたフルカスタム車両は、ハンドリングや操作性が大きく変わるため、初心者にはあまり向いていません。
初心者ライダーや初めてのアメリカンバイクを選ぶ場合は、エンジンガードやサイドバッグ、ドライブレコーダー、USBポート、バックレスト、シーシーバーなど、ツーリングを快適にするカスタムパーツが装備された中古バイクを購入するのが無難。
そしてバイクに慣れてきたら、自分好みにカスタムしていけば良いのです
エンジンガード付きのアメリカンバイクは初心者や女性におすすめ
エンジンガードは立ちごけや転倒した際につく車体への傷を軽減するだけではなく、地面とバイクの間に空間ができるので引き起こしがしやすくなります。
アメリカンバイクは同排気量のネイキッドバイクやスポーツバイクと比較して車両重量が大きくなる傾向があり、その分引き起こしも難しくなるので、エンジンガードは初心者や女性におすすめのカスタムパーツです。
中古バイクを購入する際は価格や走行距離以外にも、車体にエンジンガードが装備されているかを見るのも良いでしょう。
中古車でエンジンガードが装着されていれば、購入後に取り付けるよりもお得になるケースもあります。
また、バイク販売店は納車整備時にカスタムパーツの取り付けしてくれる場合も多いので、そういったショップであれば納車整備時にエンジンガード取付などを相談をすることもできます。
エンジンガードは転倒して傷が付く前に取り付けた方が良いので、納車前が一番良いタイミングです。
400ccアメリカンバイクのおすすめ人気車種を紹介
400ccのアメリカンは、各メーカーから様々なモデルが発売されていました。
また、仕様の異なるバリエーションモデルも多く、中古車も含めるとたくさんの選択肢があります。
年式が2009年以前のモデルの多くは、キャブレター仕様になっています。
カワサキ ELIMINATOR(現行モデル)
2023年6月現在新車で唯一購入できる400ccアメリカンバイクがELIMINATORです。
パワフルな並列2気筒エンジンを搭載し運動性にも優れています。
ライディングポジションは足を前に出して乗るクラシックなクルーザーバイクとは異なり、ネイキッドバイクに近いものがあります。
スマートフォンアプリによって様々な情報をスマホで確認でき、ETC2.0を標準装備しています。
SEモデルは、GPS対応前後2カメラのドライブレコーダーやUSB-Cの電源ソケットを標準で採用。
ビキニカウルが装着され、マフラーなどがブラックアウトされています。
Kawasaki ELIMINATOR スペック (2023年モデル) | |||
全長 | 2250 mm | 全幅 | 785 mm |
全高 | 1100mm | 車輛重量 | 176 kg |
シート高 | 735 mm | 燃料タンク容量 | 12 L |
エンジン | 4スト水冷並列2気筒 | ||
最高出力 | 35kW (48PS) / 10,000rpm | ||
最大トルク | 37 N・m (3.8 kgf・m) / 8,000rpm |
カワサキ エリミネーター400(旧モデル)
カテゴリー的にはアメリカンバイクに分類されることが多いエリミネーター400ですが、スポーツバイクの4気筒エンジンを搭載したドラッグレーサーとして登場してきたバイクです。
そのためにパワーも前期モデルでは56ps、後期のモデルでも53psを発揮しています。
いわば最も速い400ccアメリカンバイクです。
後期モデルではスポークホイールにメッキパーツを多用したLXが誕生しました。
Kawasaki ELIMINATOR400 スペック (1995年モデル) | |||
全長 | 2245 mm | 全幅 | 720 mm |
全高 | 1090 mm | 車輛重量 | 212 kg |
シート高 | 720 mm | 燃料タンク容量 | 12 L |
エンジン | 4スト水冷並列4気筒 | ||
最高出力 | 53PS / 12,000rpm | ||
最大トルク | 3.4 kgf・m / 10,000rpm |
ヤマハ ドラッグスター400
90年代、アメリカンバイクブームの火付け役の一台になったのがドラッグスター400です。
400ccアメリカンバイクの王道とも言えるバイクで、生産終了から現在に至るまで高い人気を得続けています。
駆動はシャフトドライブを採用しており、ドラッグスター400クラシックではタイヤを深くカバーするディープフェンダーを採用するなど、よりクラシカル感の強いデザインが特徴となっています。
YAMAHA DragStar 400 スペック (2016年モデル) | |||
全長 | 2340 mm | 全幅 | 840 mm |
全高 | 1065 mm | 車輛重量 | 234 kg |
シート高 | 660 mm | 燃料タンク容量 | 15 L |
エンジン | 4スト空冷V型2気筒 | ||
最高出力 | 22kW (30PS) / 7,500rpm | ||
最大トルク | 31 N・m (3.2 kgf・m) / 6,250rpm |
ホンダ スティード400
ドラッグスターと人気を二分していたのがスティード400です。
カスタムパーツがとても多かったので、中古車でも様々なカスタムを施されたマシンがたくさんあります。
スティード400VLSは、個性的なスプリンガーフォークを採用。
メーカー純正のスプリンガーなのでハンドリングや安定性も十分。
スティード400VCLは虚飾を排したシンプルなデザインが特徴。
スティード400VSEは、ワイルドなデザインを強調したモデルです。
スズキ イントルーダークラシック400
イントルーダークラシックは2001年に登場したアメリカンバイクで、他の400ccアメリカンバイクを圧倒するほど車格が大きいのが最大の特徴です。
リアサスが隠され、一見リジッドフレームのように見える事も特徴で、駆動にはシャフトドライブを採用。
2006年モデルからは、キャストホイールを採用したキャストホイール仕様もラインナップされ、2009年モデルからはフューエルインジェクションが採用されています。
SUZUKI Intruder Classic 400 スペック (2014年モデル) | |||
全長 | 2500 mm | 全幅 | 955 mm |
全高 | 1110 mm | 車輛重量 | 275 kg |
シート高 | 700 mm | 燃料タンク容量 | 15 L |
エンジン | 4スト水冷V型2気筒 | ||
最高出力 | 24kW (33PS) / 8,000rpm | ||
最大トルク | 33 N・m (3.4 kgf・m) / 6,250rpm |
カワサキ VALCAN400
カワサキのアメリカンシリーズ、バルカンの400ccモデルです。
初期のバルカン400は並列2気筒エンジンでしたが、90年代後半にVツインエンジンを搭載した新型が登場します。
バルカン800のボア✕ストロークを小さくして400cc版としていたので、400ccとは思えないほど立派な車体になっていて、大型のバイクと並んでも見劣りしません。
フロントホイールには21インチを採用していました。
バルカン400クラシックはフロントホイールを16インチ化。
ディープフェンダーを採用して、よりクラシカルなイメージを作り出しています。
バルカン400をベースとして、古き時代のアメリカンスタイルに仕上げられたのがドリフターです。
前後のディープフェンダーに加え、昔のサドルを彷彿させる一体型シートを採用しています。
ホンダ SHADOW400
スティードと同形式のエンジンを搭載し、よりクラシカルなイメージで登場してきたのがシャドウです。
10年以上製造されていましたが、基本的に大きな変更を受けていません。
シャドウ400をベースとして、ロー&ロングのデザインを強調したのがシャドウスラッシャー400です。
シャドウカスタム400は、排出ガス規制に対応して2009年から登場したモデル。
インジェクションが採用され、駆動もチェーンではなくシャフトが使われているのでメインテナンスが基本的に必要ありません。
スズキ ブルバード400
クラシカルなデザインが多いアメリカンの中では珍しく都会的、かつ未来的なデザインを施されているのがブルバード400。
フロントには倒立フォークでシャフトドライブを採用しています。
後期モデルではライトカウルが取り付けられました。
SUZUKI BOULEVARD 400 スペック (2014年モデル) | |||
全長 | 2420 mm | 全幅 | 890 mm |
全高 | 1105 mm | 車輛重量 | 267 kg |
シート高 | 700 mm | 燃料タンク容量 | 15 L |
エンジン | 4スト水冷V型2気筒 | ||
最高出力 | 24kW (33PS) / 8,000rpm | ||
最大トルク | 33 N・m (3.4 kgf・m) / 6,200rpm |
ホンダ VT400S
VT400Sはハーレーのスポーツスターによく似たシルエットが特徴です。
バイクの性格としては比較的落ち着いている部類で、トルクフルなエンジンの特徴を活かし道路の流れに乗りながらゆったり走ることに向いていると言えます。
アメリカンバイクにカテゴライズされることが多いのですが、ミッドコントロールのステップも相まってネイキッドバイクのような一面もあります。
HONDA VT400S スペック (2011年モデル) | |||
全長 | 2295 mm | 全幅 | 870 mm |
全高 | 1135 mm | 車輛重量 | 229 kg |
シート高 | 750 mm | 燃料タンク容量 | 10L |
エンジン | 4スト水冷V型2気筒 | ||
最高出力 | 23kW (31PS) / 7,000rpm | ||
最大トルク | 32 N・m (3.3 kgf・m) / 3,500rpm |
400cc アメリカンバイクなら個性的なバイクを手にいれられる
400ccアメリカンバイクに、魅力的なモデルが豊富にあることをご理解いただけたかと思います。
多くのモデルが生産中止となっていますが、今見るととても個性的かつ魅力的なバイクばかり。
オーナーの人達に話を聞くと、最近注目度がとても高くなっているように感じると話してくれました。
もしかしたら、これからまた人気が復活するカテゴリーになるかもしれません。