SS(スーパースポーツ)とはどんなバイク?おすすめの人気車種を紹介!
公開日:2023.10.30 / 最終更新日:2024.08.14
スポーツ派のライダーに人気なのがスーパースポーツと呼ばれるカテゴリーのバイクです。
名前の通り、スポーツ性を徹底的に追求したマシンのこと。
乗り心地や快適さなどは重視していないので、ネイキッドやクルーザーに比べるとストリートでの使い勝手が良いとは言えませんが、そんな振り切った設計思想に惹かれるライダーも少なくありません。
今回はそんなスーパースポーツの特徴や人気車種などに関して説明していくことにしましょう。
SS(スーパースポーツ)とはどんなバイク?
スーパースポーツはレースのベースマシンとしても使われるので、ライバルを凌駕する速さが必要です。
そのために最先端の技術が投入され、高品質なパーツなどが惜しむことなく採用されて、妥協を排した設計になっています。
リッタークラスのスーパースポーツは2000年代にブームとなり、その後もライバルと競うようにモデルチェンジを繰り返してきたので年々パフォーマンスが高くなっています。
SS(スーパースポーツ)のメリット
スーパースポーツは数あるバイクのジャンルの中でもライディングを楽しむことに特化しており、運動性能はトップクラス。
ライダーの操作に対して俊敏にバイクが反応するので、ライディング操作やマネージメントシステム、車体のセッティングなどを変えながら、そのバイク本来の運動性能を引き出していく喜びもあります。
スポーツライディングを楽しみたいエキスパートライダーにとっては最高のバイクだと言えるでしょう。
各メーカーの最新技術が投入されたフラッグシップモデル
リッタークラスのスーパースポーツになると200PS以上という高い馬力を発揮し、最高速度も300km/hを超えるものもあります。
さらに最新の電子制御を組み合わせることで、このパワーを自由に引き出せるようになっているのです。
ブレーキやサスペンションなどの装備も最高レベルのものが使用されているので、とても高い走行性能を実現しています。
贅沢な装備などによる高いステイタス性も魅力です。
防風性能・空力性能の高さ
超高速域では空気抵抗を減らすことも重要になります。
そのためにスーパースポーツのフルカウルは、空気力学的な検討やテストを繰り返して空気抵抗を徹底的に低減しています。
前傾の乗車姿勢も相まって、高速走行時の防風性能や空力性能が非常に高くなっています。
軽量な車体
速さを追求していくうえで軽さは最も重要なポイントになることから、スーパースポーツでは細部まで軽量・コンパクト化がはかられています。
同じ排気量でも他のジャンルのバイクと比較すると軽いことがほとんどです。
SS(スーパースポーツ)のデメリット
速さを追求して妥協を排した設計がされているということは、裏を返すと犠牲になる部分もあるということになります。
そこが妥協できるかどうかが、スーパースポーツを選ぶうえでは重要になります。
ライディングポジションがキツい
運動性を追求した結果、スーパースポーツはシートが高くてハンドルが低くなっています。
足つき性が悪いモデルが多く、前傾姿勢になるため荷重が手首にかかりやすくなります。
頭を上げていなければいけないので首が疲れるという人もいますし、腰痛持ちの方などは辛いポジションといえます。
車体本体価格が高いモデルが多い
最先端技術を惜しみなく投入しているため、通常のロードスポーツモデルと比較して価格が高い傾向にあります。
上位モデルともなると新車のメーカー希望小売価格が消費税込みで300万円オーバーのマシンもあります。
公道では性能を発揮しきれない
スーパースポーツは非常に高いレベルの性能を追求しているため、一般道でのツーリングでは性能を持て余すことになります。
本来の性能を発揮できる場所は、サーキットのみだと考えた方が良いでしょう。
マシンによっては高速域を重視したギア比になっていて、ストリートでは使いにくい場合もあります。
SSとレプリカの違い
スーパースポーツに似たカテゴリーとしてレーサーレプリカがあります。
速さを追求しているという点ではスーパースポーツと同じですが、レプリカの場合はベースとなるレーシングマシンがあり、その忠実なレプリカであるというところが大きな違いです。
SS(スーパースポーツ)の人気車種
スーパースポーツはそれぞれのメーカーが威信をかけて作っているので、どのマシンもとてもパフォーマンスが高くて魅力的です。
今回は排気量1000ccクラスのリッターSSと呼ばれる車種に絞って紹介していくことにします。
スーパースポーツはライバルとの性能競争によって進化し続けていることから、同じマシンでも年式によってフィーリングなどが異なります。
ストリートでは少し前のモデルのほうが乗りやすいと評価されている場合もあるので、中古車も含めて選ぶと良いでしょう。
ホンダ CBR1000RR
現行モデルではありませんが、現在も高い人気を誇っているのがCBR1000RRです。
長年熟成されてきたこともあって、意のままにスポーツライディングを楽しむことができるハンドリングになっています。
ストリートであれば現行のCBR1000RR-Rよりも乗りやすくて面白いというライダーも少なくありません。
CBR1000RR スペック (2019年モデル) | |||
全長 | 2065 mm | 全幅 | 720 mm |
全高 | 1125 mm | シート高 | 820 mm |
車両重量 | 196 kg | ホイールベース | 1405 mm |
エンジン | 4スト水冷並列4気筒 | ||
最高出力 | 141kW(192PS) / 13000RPM | ||
最高トルク | 113N・m(11.5kgf・m) / 11000RPM |
ホンダ CBR1000RR-R
オフィシャルサイトのPVに「Born to Race」(レースのために生まれてきた)とあるように、サーキットでの速さを徹底的に追求して生まれたのがCBR1000RR-Rです。
車体やエンジンの性格はスパルタンそのもの。
最高出力218psを14500rpmという超高回転で発生します。
CBR1000RRとは別格のバイクだと考えた方が良いでしょう。
上位モデルのCBR1000RR-R FIREBLADE SPは、前後にオーリンズの電子制御サスペンションを採用しています。
CBR1000RR-R スペック (2022年モデル) | |||
全長 | 2100 mm | 全幅 | 745 mm |
全高 | 1140 mm | シート高 | 830 mm |
車両重量 | 201 kg | ホイールベース | 1455 mm |
エンジン | 4スト水冷並列4気筒 | ||
最高出力 | 160kW(218PS) / 14500RPM | ||
最高トルク | 113N・m(11.5kgf・m) / 12500RPM |
ヤマハ YZF-R1
R1の特徴はなんといってもエンジンです。
理想のライディングを追求した結果、クロスプレーンを採用した直列4気筒を搭載。
爆発間隔が一般的なフラットプレーンの直列4気筒とは異なるので、排気音やフィーリングも独特です。
最高出力は200psと、このクラスの中では控えめですが、ライダーとの強い一体感を生み出すマシンとなっています。
上位モデルのYZF-R1Mは電子制御式サスペンションを採用し、ドライカーボン製のカウルを装着しています。
YZF-R1 ABS スペック (2022年モデル) | |||
全長 | 2055 mm | 全幅 | 690 mm |
全高 | 1165 mm | シート高 | 855 mm |
車両重量 | 201 kg | ホイールベース | 1405 mm |
エンジン | 4スト水冷並列4気筒 | ||
最高出力 | 147kW(200PS) / 13500RPM | ||
最高トルク | 113N・m(11.5kgf・m) / 11500RPM |
スズキ GSX-R1000
スーパースポーツでありながらストリートでの扱いやすさも犠牲にしないという考えで作られてきたのがGSX-R1000。
可変バルブタイミングシステムを採用したエンジンは、低回転から太いトルクを発生しています。
上位モデルのGSX-R1000RではフロントフォークにBFF(バランスフリーフォーク)、リアサスにBFRC-lite(バランスフリーライト)を採用。
ローンチコントロールシステム(ゼロ発進時のスタートダッシュをアシストするシステム)などを装備しています。
GSX-R1000は、2001年からシリーズ累計20万台以上の販売を記録しましたが、排出ガス規制などの対応によって生産中止となりました。
GSX-R1000R ABS スペック (2021年モデル) | |||
全長 | 2075 mm | 全幅 | 705 mm |
全高 | 1145 mm | シート高 | 825 mm |
車両重量 | 203 kg | ホイールベース | 1420 mm |
エンジン | 4スト水冷並列4気筒 | ||
最高出力 | 145kW(197PS) / 13200RPM | ||
最高トルク | 117N・m(11.9kgf・m) / 10800RPM |
カワサキ ZX-10R
WSB(スーパーバイク世界選手権)で圧倒的な強さを誇ったのがZX-10Rです。
サーキットでの走行性能を追求するとともにストリートでの使い勝手も考えられていて、エレクトリッククルーズコントロールやスマートフォン接続機能を備えたTFTインストゥルメントパネルを採用。
ZX-10RRは市販車でありながらレースを強く意識したホモロゲーションモデルで、チタンコンロッドや軽量ピストンなどの採用により最高回転数がアップ。
マルケジーニの鍛造ホイールを装着しています。
Ninja ZX-10R スペック (2023年モデル) | |||
全長 | 2085 mm | 全幅 | 750 mm |
全高 | 1185 mm | シート高 | 835 mm |
車両重量 | 207 kg | ホイールベース | 1450 mm |
エンジン | 4スト水冷並列4気筒 | ||
最高出力 | 149kW(203PS) / 13200RPM | ||
最高トルク | 115N・m(11.7kgf・m) / 11400RPM |
BMW S1000RR
直列4気筒エンジンのスーパースポーツは日本製メーカーの独断場でしたが、そこに真っ向勝負を挑むべく登場してきたのがS1000RR。
先進の電子制御システムと可変バルブタイミング採用のエンジンなどによって、パフォーマンスでは日本製マシンにまったくヒケを取っていません。
グリップヒーターなどライダーフレンドリーな装備も嬉しいところ。
現行モデルでは、フロントカウルに大型のウイングレットが採用されています。
S1000RR スペック (2023年モデル) | |||
全長 | 2075 mm | 全幅 | 740 mm |
全高 | 1205 mm | シート高 | 832 mm |
車両重量 | 202 kg | ホイールベース | 1455 mm |
エンジン | 4スト水冷並列4気筒 | ||
最高出力 | 154kW(210PS) / 13750RPM | ||
最高トルク | 113N・m / 11000RPM |
ドゥカティ パニガーレV4
MotoGPで圧勝を続けているドゥカティのスーパースポーツがパニガーレV4です。
国産のスーパースポーツはレースのレギュレーションに合わせて排気量を1000cc以下にしていますが、パニガーレV4は1103ccで215.5psを発揮しています。
イタリアンデザインと仕上げの美しさにもファンが多いバイクです。
Panigale V4 スペック (2022年モデル) | |
シート高 | 850 mm |
車両重量 | 198.5 kg |
ホイールベース | 1469 mm |
エンジン | 4スト水冷V型4気筒 |
最高出力 | 158.5kW(215.5PS) / 13000RPM |
最高トルク | 123.6N・m(12.6kgf・m) / 9500RPM |
アプリリア RSV4
217psを発揮する1099ccのV4エンジンを搭載したイタリアンスーパースポーツがRSV4です。
熟成を重ねてきたこのマシンは、スポーツライディングでライダーの意のままに操ることができると高い評価を得ています。
RSV4 FACTORY スペック (2023年モデル) | |||
全長 | 2055 mm | 全幅 | 735 mm |
車両重量 | 202 kg | シート高 | 845 mm |
エンジン | 4スト水冷V型4気筒 | ||
最高出力 | 159.6kW(217PS) / 13000RPM | ||
最高トルク | 125N・m / 10500RPM |
MVアグスタ F4
イタリアの伝説的なデザイナー、マッシモ・タンブリーニによる美しいデザインがMVアグスタF4最大のセールスポイント。
エンジンはフェラーリのテクノロジーが注がれたラジアルバルブ(放射状に配置されたバルブ)で、テールカウル下に配置されたエキゾーストが官能的な排気音を奏でます。
絶対的な性能ではライバルに及びませんが、それでもポテンシャルは十分すぎるほど。
趣味性の高さによって、所有欲を満たしてくれるスーパースポーツです。
SS(スーパースポーツ)は最高峰のバイク
SS(スーパースポーツ)は、各メーカーが最高の技術を注ぎ込んで作っています。
実際にバイクに触れ、走ってみればその情熱が伝わってくることでしょう。
スポーツライディング好きなライダーの期待を裏切ることは決してないはずです。
刺激的な走りを、ぜひ体感してみてください。