現代のバイクも魅力的なモデルが様々ありますが、昔のバイクには今のバイクには無いような迫力や当時ならではのかっこよさが詰まったモデルがたくさんあります。

今回はスズキの旧車にフォーカスして人気車種について解説していきます!

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スズキの人気旧車

GT380


通称「サンパチ」の愛称で親しまれるGT380は空冷2ストローク3気筒エンジンを搭載したネイキッドタイプのバイク。
3気筒ですがマフラーは4本出しとなっており、リアビューの迫力は抜群!

2ストローク3気筒のサウンドは鳥肌モノで、現代のバイクにはない荒々しさと爽快感あふれる吹け上がりで多くのライダーを虜にしてきました。
シリンダーヘッド上部に取り付けられたラムエアシステムは熱の溜まりやすい部分の空気の流速を高めて冷却するというもの。
同じ時代の空冷2スト車でも他には見ないほど目立つシステムなので、当時の最新技術を体感できるバイクとなっています。

GT380はヤンチャ系ライダーのファンも多く、旧車の中ではかなりの人気車種です。
そのため部品関連は不人気車よりは比較的手に入りやすいので乗り続けていくこともできるバイクだと思います。
良い車体は当然値が張りますが、この時代の2スト3気筒に乗るならまずおすすめしたいバイクです。

GS400


当時400cc初のDOHCエンジンを搭載して1976年に登場したGS400。
湘南爆走族を始め、様々なバイク漫画に登場するモデルということもあり、旧車の中で高い人気があります。

空冷4ストロークDOHC2気筒エンジンは排気音が独特で、いわゆる吸い込み音と呼ばれる「ンーーバァーー!!」というスロットルをオフにした際のサウンドが官能的。
見た目で選ばれるだけでなく、音で選ぶ方も多くいるのがGS400です。

現代のバイクでも多く採用されている高性能なDOHCエンジンですが、エンジンだけではなく軽快なハンドリングにも定評があり、乾燥重量は172kgと当時の400ccバイクではかなりの軽量車となっていました。

こちらもGT380同様にヤンチャ系のライダーから絶大的な支持があるバイクなので、パーツは他の旧車に比べて選択肢が多いバイクだと思います。

GSX250E/GSX400E


GSやサンパチと同クラスに人気なのがGSXシリーズ。
ゴキ、ザリという名前は旧車に詳しい方なら聞いたことがある名前だと思います。
「ゴキ」ことGSX250Eは跨った際にライダー目線からタンクの形がゴキブリのようだ、という改めて聞くとちょっとかわいそうに思えてしまう理由からこの呼び名がつきました。

一方「ザリ」ことGSX400Eは赤い車体とタンクからテールにかけてのライン、サイドカバーのデザインなどから見た目がザリガニっぽい、ということでこの呼び名に。
どちらも「そんな理由で?!」と思ってしまいますが、現代でもヤンチャ系バイク好きの間で呼ばれているため、由来はともかくそれだけ愛されていて人気のあるバイクということがわかります。

どちらも空冷並列2気筒エンジンを搭載しており、サウンドも現行車にはない迫力と重みのあるサウンド。
旧車としては人気車なのでアフターパーツを社外で作っているメーカーなどもあり、この先もまだまだ乗り続けていける部類の旧車だと思います。

GSX750E


ゴキ、ザリほどメジャーではありませんが、実は大型クラスにも独特の呼び名がある旧車があります。
通称「ベコ」と呼ばれているGSX750Eは角目のヘッドライトと大型らしい重厚感あるデザインなどから東北弁で牛を意味するベコという愛称で親しまれ、カラーリングによっては赤ベコ、青ベコと称されることもあります。

牛と言われると重々しいイメージをしますが、あくまで見た目からベコと呼ばれているだけで、中身はかなりの高性能。
空冷DOHC4バルブ4気筒は8500回転で69馬力を発生させ、パワフルなフィーリングが多くのファンを魅了しました。
アンチノーズダイブなど当時のレースシーンからのフィードバックを元に開発された技術も投入され、この時代から少しずつこの手のバイクにスポーツ要素が強くなり始めました。

今乗っていたらメジャーじゃないからこそ走っているのを見たら「おぉ!」と目で追ってしまうバイクですが、旧車という意味ではそこまで人気車ではないため、パーツ面では他の旧車ほど容易ではないかもしれません。
しかし同じ時代の他のバイクからパーツを流用して乗り続けている方もいるため、ショップ次第では割と楽に乗り続けていけるバイクかもしれません。

GS1200SS


80年代の耐久レースなど少しマニアックなレースシーンが好きな方にはたまらないスタイルのこのバイクは80年代当時ではなく、2000年代に発売されたバイク。
2001年に登場したGS1200SSはストリートバイクブームが始まろうとしていた時期に「耐久レーサーのスタイルを街中で楽しむ」というファッション要素としてこの時代のバイクの雰囲気をモチーフに作られたバイクです。
大型のハーフカウルに丸目2灯のヘッドライト、大きなタンクとセパハンなど、80年代当時に耐久レースで活躍したGS1000レーサーのようなスタイルは、今で言えばネオレトロ的なバイクだったのかもしれません。

ですが決して見た目だけのバイクではなく、1,156ccの4気筒DOHCエンジンは油冷式となっており、スズキ伝統の油冷でいてこのスタイル、という見た目にも中身にもどちらにもロマンを感じさせてくれる仕様となっています。

刺さる方にはたまらないスタイルですが、響かない方には良さが伝わりにくいバイクなので、万人ウケする人気車ではありませんが、年式も旧車の中では比較的新しく台数も多いため、今から乗るなら乗りやすいバイクだと思います。

GSX1100S KATANA


名前通り日本刀をイメージして作られたKATANAはバイクに乗っていない方にも知られているほど有名な旧車だと思います。
1980年のケルンショーで発表され、その先進的なデザインと性能の高さから世界中で話題を呼び、「ケルンの衝撃」として語り継がれています。
ですがこのケルンショーで発表されたプロトタイプを見てどう感じるかアンケートを取ったところ、最高評価と最低評価の2極化したため、わかる人にはわかるスズキの良さといったキャラクターが垣間見えています。

プロトタイプほぼそのまま1981年に市販車として登場し、空冷4バルブ4気筒エンジンは1981年当時の世界最速車となり、カタナのブランド力はより一層強くなっていきます。

その後750cc、400cc、250ccのカタナも登場し、大型ライダーだけでなく400cc以下の中免ライダーにも親しまれるバイクとなりました。
2000年にファイナルエディションが発売され生産終了となりましたが、2019年にはネオレトロブームによってGSX-S1000をベースにKATANAとして復活を遂げています。
当時のGSX1100S KATANAはもはや伝説的なバイクなので旧車の中でもかなりの人気車となっているため、多少値段は張るかもしれませんが、アフターパーツなどは日本だけでなく北米でも一部作られているため、しばらくは安心して乗り続けていける旧車だと思います。

GSX400インパルス


スポーツバイクの登場やストリートバイクなど、段々とバイクそれぞれのタイプが明確化され始めた90年代中盤に登場したのがGSX400インパルス。
インパルスという名前のバイクは80年代から親しまれていましたが、94年に登場したGSX400インパルスはネイキッドのシンプルなスタイルへ原点回帰するという意味で「オートバイらしさ」を意識して作られたモデルです。

エンジンは水冷4気筒を搭載しており、99年のマイナーチェンジではフロントブレーキにブレンボが標準採用されるなど、スズキのスポーツネイキッドとしてのキャラクターを確立しました。
スズキらしい特徴的なカラーリングが多いというのもインパルスが人気の理由で、赤黒のヨシムラカラー、かつてのGS1000をモチーフにした青白カラーも人気です。

ビキニカウルを装着したGSX400インパルスTypeSもあり、こちらは大柄で丸みの多いビキニカウルが少し古いレーサーレプリカのような独特な魅力を放っていました。

その後2008年を最後に生産終了となりましたが、他の旧車ほど年式が古くないため中古市場でも程度がいい個体が取引されていて、価格も他の400ネイキッドと同じくらいなので、一番盛り上がっていた時代の400ネイキッドに注目している方におすすめです。

RGV250Γ


世の中がレーサーレプリカに熱狂し始めた頃、NSRに対抗してスズキから登場したのがRGV250Γ、通称Vガンマ。
80年代前半からRG250Γで戦ってきたスズキですが、他車のレプリカはRG250Γのような2ストローク並列エンジンではなく、V型エンジンが主流となっていたため、RGV250Γでは2ストロークV型2気筒エンジンを搭載して登場しました。

88年に登場したRGV250Γは94年まで生産されましたが、90年によりスポーツ性能を高めたVJ22A型へ移行され、倒立フロントフォークを純正採用し、チャンバー膨張室を逃がすためのアルミスイングアームは今見ても芸術的。
その後93年に国内自主規制に合わせて最高出力が45psから40psに絞られたため、一番元気なRGV250Γに乗りたい方はそれ以前のモデルがおすすめです。

NSRやTZRと並んで人気のあるガンマですが、NSRほど絶対的な支持ではないため、乗っていても人と被ることは少ないと思いますが、NSRほどパーツの選択肢が無いというのは痛いところ。
ですがマニアの間では他車パーツを流用して維持している方や、パーツを作っている方もいるほどマニアが多いバイクなので、情報の集め方次第では比較的乗り続けやすいバイクだと思います。

RG500Γ


スズキが76年から82年まで7年連続でロードレース世界選手権のGP500クラスでメーカータイトルを獲得していたころ、GPマシンのスクエア4エンジンをベースに開発されたレーサレプリカがRG500Γです。
2ストローク水冷4気筒エンジンを搭載しており、公道車で2スト4気筒エンジンが搭載されているのは国産車ではRG500ΓとRZV500のみ。
2ストらしく煙を立てながら加速していく様と排気音はこの時代ならではの味があるものです。
やはり500という排気量は大きく、250の2気筒マシンのサウンドとは違った厚みのある多気筒サウンドは病みつきになる方も多いはずです。

500Γは通称ゴガンと呼ばれていますが、ヨンガンと呼ばれているRG400Γも存在し、こちらは大型ではないので普通自動二輪免許でも運転できますが、台数が少ないためかなりレアの存在。
RG500Γは今から乗り始めてもしばらくは乗り続けることができるマシンですが、90年代のレーサーレプリカほどの人気ではなく、年式も古いため多少苦労する点もあるかもしれません。が、この時代の本物と言えるマシンだと思います。

GSX-R750


今やスズキのアイコンともなっている油冷ですが、そんな油冷が市販車で初めて採用され、発売されたのがGSX-R750。
水冷よりも軽くて構造がシンプルで、空冷よりも冷却効果の高い油冷は、シリンダーヘッドの裏にオイルを噴射することでエンジンオイルで冷却も兼ねられる当時としては画期的なシステム。
油冷エンジンはフィーリングが少し独特で、空冷とも水冷とも違った粘り気のある分厚いサウンドと吹け上がりが特徴的です。

85年に登場したGSX-R750は丸目2灯の耐久レーサー風カウルがライダーたちを引き付け、有名ドラマ内で俳優が乗っていたこともあって更に人気が高まりました。
90年代のスポーツバイクは今のバイクにも通じる部分を多数感じますが、80年代のレプリカマシンは今のバイクにはない雰囲気があり、当時のGSX-R750は特にそれが強く感じられるバイクだと思います。

92年に水冷化され、その後2017年まで引き継がれましたが、初期のGSX-R750と90年代、2000年代以降はそれぞれ全く違ったバイクに仕上がっているため、旧車が好きなら80年代のGSX-R750がおすすめ。
海外でも発売されていたバイクなので日本国内だけでなく海外にも情報、パーツがあり、旧車ではありますがまだ現実的に乗れるバイクだと思います。

スズキの旧車は好きな人にはたまらない

今回はスズキの人気旧車を紹介してきました。
やはり現在主流で旧車扱いされているのは90年以前のものが多く、人気どころはネイキッドなら70年代、レプリカなら80年代と言ったところでしょう。
ですが古ければ古いだけ維持するのが大変というわけではなく、人気車かどうか、海外でも発売されているか、などが維持の大変さがわかるポイント。
古くても人気車であればバイク屋さんがパーツを作っていたり、整備の情報があったりしますが、不人気車は作ったところで売れる見込みが立たないので社外パーツも作られていないし、調べても情報が出てきません。

いくらちゃんとしたバイクでも年式が経っていれば多少苦労しながらでも維持していくのが旧車ライフなので、本気で好きであればどんなバイクでも乗り続けることができると思いますが、だからこそ最初買う際の状態は重要視したいところです。

今回紹介した車種以外にも人気の旧車は沢山あり、バイク王では生産終了となった絶版車・旧車を専門的に取り扱うバイク王絶版車館を展開しています。
在庫ラインナップはWEB上で確認できるため、気になった方は是非一度好みの旧車を探してみてください!

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