外房は太平洋を望む解放感抜群の風景が堪能できる人気のエリアだ。
主要な移動ルートは海岸沿いの国道一択のため交通量は多いが、整備状態が良く流れは良い。
旧道や脇道を細かく調べると抜け道も点在しており、穴場感あるツーリングを楽しめる事も特徴だ。
かつては“陸の孤島”とも呼ばれていた地域ながら、郷土料理や文化等の見どころも多く、観光的要素も充実している。
また沿岸のみならず、若干内陸部はまた違った様相が楽しめ、風景変化の多彩なエリアでもある。

外房のおすすめツーリングロード

伊南房州通往還(国道128号)旧道


廃園になった行川アイランド~小湊地区を連絡する旧国道路。総延約4kmの海岸ルートだ。
この路盤は明治時代に建設した馬車道がその基礎となっているが、現在もその基本線形は当時とほぼ変わらない。
もちろん全面舗装されており、大型バイクでの通行も全く問題ないが、明治期の雰囲気を残したルートをそのまま走行可能な貴重な路線でもある。
狭路ながらも展望が素晴らしく、超穴場な絶景ロードだ。

外房黒潮ライン(国道128号)現道


外房の大動脈とも言える大街道。唯一の海岸道路という事もあり交通量も多いが、流れは意外とスムーズだ。
市街地を回避する高規格バイパスが整備されており、信号も少ない。また、太平洋を望む風景が大変素晴らしいのも特徴だ。
但し、安房鴨川周辺は地獄の渋滞ポイント。特に休日の夕方や通勤時間帯は修羅場となる。海沿いの県道か北側の県道へ回避するのが吉。
しかし、時間帯のコツさえ掴めば素晴らしい絶景ロードと言える。

嶺岡中央林道2号線


海岸沿いルートではないものの、超穴場の展望ルート。
“林道”とは言え、全線完全舗装済で若干狭路ながら大型ツアラーでも全く問題なく走行可能。
このルートは内房方面から外房鴨川方面へのショートカットロードとしても有効だ。
道幅は狭めながら、タイトコーナーが少なく、意外と爽快な走りが楽しめる。
北側は林間的な様相ながら、南側は太平洋の展望を望める絶景ルート。旅心くすぐる秘密の抜け道だ。

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外房特選ツーリングスポット10選

釣師海岸



千葉県いすみ市岩船
道の駅鴨川オーシャンパークより40km/55分
近年SNS等にて有名になりつつある絶景ポイント。風ヶ浦を彷彿させる特徴的な断崖絶壁と白亜の崖が美しい穴場的スポットだ。
アクセスは少々悪いがこの豪快さは関東屈指!転落即死亡確実の危険地帯でもあり、風景堪能の際は細心の注意が必要だ。

魚見塚展望台



千葉県鴨川市貝渚
道の駅鴨川オーシャンパークより5.5km/10分
全国的にはかなりマイナーながら、外房随一の展望を誇る。地元では“誓いの丘”と呼ばれ馴染み深いスポットだ。
前原海岸や鴨川松島・仁右衛門島といった外房一帯の海岸線を一望!夜には鴨川市街の夜景も楽しめる。

守谷海岸 海へ向かう道



千葉県勝浦市守谷  
道の駅鴨川オーシャンパークより25km/35分
波静かで透明度の高さが有名な守谷海岸をバックに写真を撮れるフォトスポット。特に、海から浮上するかのような臨場感抜群の雰囲気が密かな人気だ。
海水浴シーズンは観光客で賑わうがシーズンを外すと絶景感抜群の雰囲気も味わえる。

小浦海岸



千葉県夷隅郡御宿町岩和田
道の駅鴨川オーシャンパークより40km/55分
地元でも穴場として知る人ぞ知るスポット。アクセスするには小さな素掘りのトンネルを徒歩で潜る必要があり、冒険感も抜群だ。
観光地的な雰囲気は一切なく、自然が奏でる潮騒の音を存分に楽しめるまさに超穴場。非常に分かりにくい。

元祖国道128号“道の化石”



千葉県勝浦市大沢
道の駅鴨川オーシャンパークより20km/30分
明治期に建設された馬車道の廃道だ。冒頭にて紹介した伊南房州通往還道(国道128号旧道)の続きとなる路盤だが、コンクリート吹き付け施工にて化石化した様相は外房の主要街道だった面影を忍ばせる。
現在は封鎖され一般立ち入りは不可能。

第129震洋特別攻撃隊砂子ノ浦基地 兵舎・食堂跡



千葉県勝浦市松部
道の駅鴨川オーシャンパークより28km/40分
戦時中、勝浦に配備されていた第129震洋特別攻撃隊の基地跡。素掘り隧道の側面には当時配置されていた兵舎や食堂の跡が残る。
看板等は皆無だが貴重な遺構だ。また、砂子浦観音堂には震洋会が監修して制作された震洋五型の精密模型が展示されている。

桜花四三乙型発射基地跡



千葉県いすみ市行川
首都圏中央連絡自動車道市原鶴舞ICより15km/20分
桜花四三乙型と呼ばれるネ20ジェットエンジンを搭載した特攻機“桜花”の基地跡だ。陸上発射型は非常に希少で、激レアな遺構と言える。
カタパルト回転台跡や基礎・格納庫がしっかりと現存。状態も良く、見応えは抜群だ。が、非常に見つけ難い。

※周辺は個人所有地が点在。田畑等への立ち入りは不法侵入として罰せられます。

たこやき&パブ 北斗星


千葉県鴨川市天津
旅客定員12名 発車時刻11:00~19:00(以降は予約制) 不定休
道の駅鴨川オーシャンパークより15km/20分
外観は外房線でも走っていた183系。鉄道ファンには堪らない外観が特徴的な食堂だ。店内全てが鉄道のテーマパーク状態。
特筆すべきは0系新幹線のグリーン車シートが客席使用可能な事。メニューも豊富で外房のグルメが堪能できる隠れ家的名店だ。

ファミリーレストランこだま 勝浦タンタン麺



千葉県勝浦市鵜原
月・火・金曜10:30~14:45/17:00~19:45 水・木曜休
道の駅鴨川オーシャンパークより26km/35分
勝浦タンタン麺は、中華のそれとは違い、主に醤油とラー油で味付けされた全く別の麺。勝浦界隈では地域の常食として愛されている。
旨さと辛みの引き立つ特徴的な麺は県外のファンも多い。こちらは中でも超老舗。どっさりと載ったチェーシューが堪らない。

食事処なかむら 鴨川おらが丼



千葉県鴨川市内浦
11:00~20:00 火曜休
道の駅鴨川オーシャンパークより16km/23分
“おらが丼”とは鴨川市のご当地グルメ。季節の鴨川産食材を使用していれば何でもOKというユルめ定義ながら意外と侮れない。
特にこちらの海鮮丼は安価ながら鮮度抜群のネタが山盛り!ほぼ地元の方で席が埋まるという人気ぶりだ。

筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。