東京湾に面した房総本当の内側(内房)は外房と比べると穏やかな雰囲気が特徴的。
観光地も多く、秘境感のあるダイナミックな風景は若干少な目だ。

しかし、房総ならではの鄙びた風景が実は多い地域でもある。
高速道路や高規格道路の整備が進み南部までのアクセスは非常に便利になったが、20年程度前までは一部狭窄部もある旧規格道路が主要路だったのだ。
現在も海岸道路は旧線形路が多く、どこか昭和感の漂う懐かしい雰囲気が楽しめる。
交通量も適量で潮風感も抜群。自分のペースでゆったりとしたツーリングを楽しめるのが特徴だ。

観光のポイントは、まず定番。立地や文化を学びつつ、穴場を探すのは王道を堪能してからがより楽しむコツだろう。

内房のおすすめツーリングロード

内房なぎさライン


木更津市~館山市を連絡する国道127号区間の愛称だ。区間総延は約50km。東京湾一望の海岸風景を横目に走る、潮風感抜群の海岸道路だ。
ハイライトは海岸直近を走る富津岬以南のルートだが、旧線形の狭路区間も多く走行には要注意。
漁師町を継いで走る鄙びた風景が魅力で、首都圏有数の人気ツーリングシーンでもある。
鋸山や各地海水浴場といった観光地を継いでおり、休日はマイカーも多い路線だが意外と渋滞は少なく快走が楽しめる。
アクアライン経由だと都内より南房総までは約1時間。アクセスが極めて良好な上、晴天時は東京湾越しに富士山を遠望する絶景を気軽に楽しめる。
ツーリング初心者にもお勧めで満足感も高い絶景ロードと言える。

内房ツーリングデジタルガイド

内房ツーリングに必須のデジタルガイドを公開!
QRコードを読み込むかURLをクリックすると、内房ツーリングのおすすめ定番ルートガイドがマップで一覧表示!
グルメガイドや絶景スポット等のお得情報や穴場スポットも盛り沢山。これで内房旅は完璧!

https://www.google.com/maps/d/viewer?hl=ja&mid=1e4MTGVPXFXkN7SMiRYNwVdHIza46kcY&ll=35.35018817748044%2C139.95761384999997&z=10

内房特選ツーリングスポット10選

海ほたるPA



千葉県木更津市中島

東京湾アクアラインの海中トンネル出口に設けられた人工島(木更津人工島)。
東京湾一望の絶景が楽しめるPAで首都圏側より房総旅を楽しむ方は必ず立ち寄るスポットと言っても過言でない。
名称は“PA”ながら設備規模はSAを遥かに上回っており、食事や買い物も楽しめる。
日本夜景遺産にも指定されており、帰りは渋滞を避け、夜景を楽しむのもお勧めだ。

旧検見川送信所



千葉県千葉市花見川区検見川町
東関東自動車道 湾岸千葉ICより2.5km/5分

首都圏ベッドタウンの真ん中に佇む一件の廃墟。観光案内等は皆無ながら、レトロかつモダンな趣を醸すこの建物こそ、日本初の国際放送を発信した送信所の跡なのだ。
竣工は大正15年。モダニズム建築の先駆者と呼ばれた吉田鉄郎氏の設計による建物で国内ラジオ放送の拠点となったのである。
NHKワールド・ラジオの前身となった重要な文化財。超穴場ながら必見だ。

久津間海岸海中電柱



千葉県木更津市久津間
海へ続く電柱群が幻想的な光景として有名になった江川海岸。
写真はその江川海岸だが、現在はその電柱群は撤去されており、写真の光景は過去のものとなってしまった。
しかし、その江川海岸に隣接している久津間海岸には電柱群が残されており、この写真とほぼ同じ光景が楽しめるのだ。
しかも、江川海岸より徒歩でアクセスが可能。これはレア情報だぞ!

千葉フォルニア(海浜公園通り)

※写真は駐車禁止になる以前に撮影したものです

千葉県袖ケ浦市南袖
東京湾アクアライン連絡道 木更津本線料金所より5km/10分 
シュロの木が林立する風景がまるでカリフォルシアのよう!…という事から何時しか“千葉フォルニア”と呼ばれだし人気になったスポット。
袖ケ浦海浜公園へのアクセス路沿いの風景だ。
現地は駐車禁止となっており撮影は厳しいが、通過するだけでも雰囲気は楽しめる。

中の島大橋(鳥居崎海浜公園)



千葉県木更津市中の島
東京湾アクアライン連絡道 木更津本線料金所より8km/20分
潮干狩り場のある中の島への連絡橋。ドラマ“木更津キャッツアイ”の舞台にもなった人道橋だ。
全高は何と27m。歩道橋としては日本一の高さを誇る橋でもある。
“恋人の聖地”…とも呼ばれているが、東京湾と富士山を見渡す一級の展望スポットでもある。
入場自由・無料だが、車両の通行は不可。

富津岬 明治百年記念展望塔



千葉県富津市富津
館山自動車道 木更津南料金所より17km/23分
富津岬の最先端にある五葉松をデザイン化した展望塔だ。
竣工は昭和46年。全高21.8mを誇る大展望台で東京湾全域を望む素晴らしい景色が楽しめる。
また、目前には明治・大正期に首都防衛のために建造された第一・第二海堡の姿も。
展望と富士山と夕陽。内房が誇る屈指のスーパービューを楽しもう。

東京湾観音より内房の展望



千葉県富津市小久保
館山自動車道 富津中央ICより5km/10分
全高56m。昭和36年に建造された私設の大観音像だ。
建立者は東京の深川で材木問屋を営んでいた宇佐美政衛氏。
戦没者慰霊と世界平和への想いより、当時の価格で1億2000万円もの費用を投じて建立された。
最上階へは314段の螺旋階段でのアクセスだが、東京湾と富士山を一望する素晴らしい展望が楽しめる。拝観料は500円。

原岡桟橋



千葉県南房総市富浦町
館山自動車道 冨浦ICより2.5km/5分
沖へ続く桟橋が美しい房総を代表する絶景スポット。
SNSで一気に人気が広がったポイントながら、地元では古くより親しまれてきた場所だ。
海水浴場が隣接しており、オンシーズン中は混雑しがちだが、夕暮れ時の富士山を借景とする光景は非常に幻想的。
付近は住宅が隣接しているため見学時はエンジン音等に細心の注意を!

ばんや 本館



千葉県安房郡鋸南町
9:30~17:45※土日は~18:45 無休
館山自動車道 鋸南保田ICより1.7km/4分
鋸南町の保田漁協直営の食堂。内房の新鮮な幸が安価に頂ける超人気スポットだ。
食堂のみならず、鮮魚や干物等の製造直販も行っており、売り場を眺めるだけでも潮騒感が堪能できる。
人気店のため、休日は長蛇の列必至。早め到着がお勧めだ。
刺身系だけでなく煮魚・焼魚といったメニューもお勧め。

進来軒


11:00~14:00 月・火・金曜休
東関東自動車道 穴川西料金所より1.3km/3分
日本のラーメン史において絶対に避けて通る事ができない銘店がココ。
日本ラーメンの元祖は明治期に東京浅草で開店した“来々軒”との説が主流だ。
この進来軒のオーナーはその来々軒にて修行した方。つまり直系の味を継承した唯一無二の店なのだ。
日本最古のラーメンと呼ぶに相応しい名店。ラーメンファン垂涎の店と言えるだろう。

筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。