勝手に指標

  • 秘境感
    ★★☆☆☆
  • 天空感
    ★★☆☆☆
  • 潮風感
    ★★★★☆
  • 爽快感
    ★★★★☆
  • 根性感
    ★★☆☆☆
  • 開放感
    ★★★☆☆

潮風が気持ち良い爽快ロード
日本最長の半島を走ろう!

佐田岬半島は、約40kmにも及ぶ日本最長の半島だ。瀬戸内海と宇和海を隔てており、先端は四国最西端!年間を通じて多くの旅人が訪れる中四国地域定番の観光スポットであると同時に、三崎港からは九州への玄関口としてフェリーも就航しており、重要な交通の要所でもある。その佐田岬半島の尾根に沿って走るのが、この佐田岬メロディーラインだ。
半島付け根の八幡浜市より三崎港までの総延約39kmの区間だが、全線高規格の2車線で構成された非常に爽快なツーリングロードだ。一番の特徴は、その名の通り走ると音楽が流れる事。50km/hの速度で走る事により、路面に穿たれたサイプからのロードノイズを音楽に変えた、まさにレコードの逆の発想。速度抑制と楽しさを両立した珍しい道路なのだ。
実はこの国道197号線、現在は爽快&快適ルートだが、かつては“197→イクナ国道”とも呼ばれ、四国を代表する“酷道”でもあったのだ。そして、その悪線形&極悪っぷりは、旧道として現在も堪能できるのである。しかし、単に酷い旧道を走れる事…だけではなく本当の穴場はその景色。線形は確かに酷道ながら、風景はまさに絶景ロードなのだ。
前述のように、新国道でもあるメロディーラインは佐田岬半島の尾根に沿って比較的高い位置を走っている。また、高規格道路線形の為、トンネルも点在しており、展望に関しては思った程望めないのが実情なのだ。その点、旧国道はまさに断崖絶壁をトラバースする大迫力のシーンが連続!全線1.5車線の狭路の為、別の意味のスリルも多いが、絶景度合いは新道の比ではない。もちろん交通量は地元の農耕車以外皆無。自分だけのプライベート絶景ロードを楽しむ事も可能だ。
そして、もう一つの穴場は尾根に点在する風力発電の風車。佐田岬半島は日本有数規模の風力発電施設が集中しており、林立する巨大な風車を間近で見学する事も可能だ。この風車群もメロディーライン本線からほんの僅か外れており、観光客は大変少ない。また、この風車群を繋いで高規格道路が整備されており、地元では“裏メロディーライン”として密かに人気の穴場絶景道でもある。何と言っても半島内で最も高所に位置している上、障害物も少な目。アクセスは判りにくいものの、素晴らしい展望が楽しめるのだ。
名称は定番ながら、色々穴場なポイントも多い佐田岬メロディーロード。本部ブログにおいてはメロディーラインの座標表示をこの裏メロディーラインの位置にセットしてある。皆様もこの密かな穴場絶景道を堪能してみてはいかがだろう?

半島の尾根に沿って林立する風力発電所の風車群。“裏メロディーライン”はその直下を縫って走るダイナミックなルートだ。2車線も高規格道路も多く大型車でも豪快な走りを楽しめるぞ。

かつての国道197号線は“イクナ”とも呼ばれ、酷道の見本のような典型的な四国道。しかし、断崖絶壁をトラバースしており、宇和海の見事な展望をあちこちで楽しめる絶景ロードだ。

現在のメロディーラインは一部の路面に細かいサイプが刻まれており、時速50kmでロードノイズが音楽として聞こえる。バイクだと少々聞き取り難いが、十分判別可能だぞ。

佐田岬の先端に設置されていた、旧陸軍の芸予要塞佐田岬砲台。米軍の本土進攻に備え、整備されていた古い要塞だ。現在は内部が一部整備され、砲台内部を見学する事も可能。

宇和海と瀬戸内海を隔てる佐田岬半島は、両方の海を一気に眺められるちょっとお得な風景も堪能できる。岬先端から九州までは約13km。肉眼で大分市を眺める事もできるぞ!

半島先端部の三崎港より大分市の佐賀関港までは、約70分の船旅。バイクだと大型車でも片道3650円と大変お得だ。九州旅への玄関口でもあり、多くの旅人が訪れるポイントでもある。

マップ

  • 33.431820, 132.212778
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    佐田岬メロディーライン ~国道197号線~

大きい地図はこちら

  • in-out
  • ビューポイント
  • スポット(レストラン、道の駅、温泉、etc.)

ロードデータ

交通量

周辺では定番の観光ロードながら地域の連絡ルートでもあり、観光車両と地元車両が混在。渋滞は無いながら交通量は比較的多めだ。休日はマイカーも多く、注意が必要。

路面

メロディーライン本線は高規格の幅広2車線。路面状態も申し分無い。しかし、周辺道路はほぼ全て1.5車線の酷道状態。四国の厳しさを全身で堪能できるぞ。

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■筆者プロフィール

筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。