勝手に指標

  • 秘境感
    ★★★☆☆
  • 天空感
    ★★★☆☆
  • 潮風感
    ★★★★★
  • 爽快感
    ★★★★★
  • 根性感
    ★☆☆☆☆
  • 開放感
    ★★★★☆

風光明媚な瀬戸内の穴場ルート
フェリーで行く裏しまなみ海道

瀬戸内の島々を継いで走るしまなみ海道。もはやあまりにも有名なルートだが、このルートには大中型バイクでは味わえない知られざる?秘密がある。それは、原付なら更に楽しめるという事だ。
 しまなみ海道は、大島・伯方島・大三島・生口島・因島・向島の7島をつなぐ約50kmの本州四国連絡橋群の事だ。一般的にはこの区間は自動車専用道路として認識されている場合が多い。しかし、歩道・自転車道と並び、原付道が整備されており、本州から四国へ原付でも渡る事が可能なのだ。しかも、驚愕的に安い。軽二輪以上ならば尾道~今治ルートの片道は3980円だが、125㏄以下の原付クラスだと、同じルートでも何と500円!物価上昇の激しい昨今に、こんな事があって良いのか?と疑うほどの安さなのである。
 そう、このルートは原付クラスの聖地と言っても過言でない素晴らしき穴場ルートなのである。
 ルート上からは瀬戸内の島々の風景を楽しめる展望台や、歴史ある神社や水軍城跡、道の駅などの施設が点在し、見どころも満載。昔と比べ観光地化されているとはいえ、そこは瀬戸内の人々がリアルに生活する場である事は間違いない。島により流れる時間が微妙に違う通称“島時間”も存分に味わえる旅情抜群のフィールドなのだ。
 さぁ、では魅惑の原付旅へスタート!まずは世界初の3連橋、来島海峡大橋からだ。全長は4105m。専用の原付道からは、瀬戸内を一望する大展望を存分に楽しめる。そしてもう一つの見どころは、橋上に設置された謎のエレベーター。これは馬島へ降りるためだけに造られたもので、バイクに乗ったまま降りることができる超穴場的スポット。馬島自体も観光客皆無の瀬戸内の漁村風景と島時間が存分に味わえる。
 しかし、やはり定番かつ外せないのは大三島。しまなみ海道屈指の規模かつ、各種海鮮グルメはもちろん、瀬戸内の魅力を凝縮した様々な名産品も入手可能だ。また、宮浦港周辺はSTU48のMVロケ地としても知られており、ファンの方にとっても外せないポイントだろう。
 …と、ここまでは定番のしまなみ海道のガイド。ここからは超穴場な“ゆめしま海道”へ行ってみよう。弓削島より続く佐島・生名島を2本の橋で結ぶルートだ。因島よりフェリーでアクセスするしかなく、観光客皆無の穴場絶景ルートなのである。決してお手軽とは言えないが、瀬戸内特有のゆったりとした島時間を存分に味わう、とっておきの旅路。特に佐島は小島ながら多くの寺院が点在。このルートには八十八ケ所霊場巡りのスポットも数多くあり、弘法大師の信仰を辿る旅も楽しめる。
 2022年2月に完成予定の岩城橋が開通すれば、岩城島から弓削島まで信号皆無のゆめしま海道が全線開通する。ゆめしま海道を旅すれば、しまなみ海道を2倍楽しむ事ができるのだ。


しまなみ海道では125㏄以下のバイクは専用レーンを走行。自転車や歩行者もいるので十分に注意して走行しよう。

普通車と違い、専用ランプゲートより連絡橋にアクセス可能。意外と目立ちにくいので要確認!楽しい島めぐり旅を楽しめる。

来島海峡大橋途中の馬島には専用のエレベーターでアクセス。何とバイクごと乗れる珍しいスポット。これは絶対体験してみよう。

大島の亀老山展望公園からは瀬戸内から四国連山をも一望できる大絶景を堪能できる。古代より人気の世界屈指の絶景へ行こう!

ゆめしま海道へは因島よりフェリーで。数分の船旅。瀬戸内では一般的なコミューター的なフェリーだが、旅の雰囲気は最高に盛り上がる。

ゆめしま海道、佐島と生名島を連絡する生名橋。しまなみ海道のB面的なこのルートこそ瀬戸の旅情を存分に楽しめる裏絶景ロードだ。

マップ

  • 34.194547, 132.959498
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    しまなみ・ゆめしま海道 ~本州四国連絡橋 しまなみ海道~

大きい地図はこちら

  • in-out
  • ビューポイント
  • スポット(レストラン、道の駅、温泉、etc.)

ロードデータ

交通量

しまなみ海道原付道は意外と交通量はあるものの、密度が低いため気にはならない。しかし、絶景が故、わき見運転には十分に注意して走行しよう。

路面

全て高規格完全舗装。申し分ない。しかし、原付道は比較的狭いため、互いの速度差には十分注意した走行が必要。また、各島でも節度のある運転を心掛けたい。

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筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。