勝手に指標

  • 秘境感
    ★★☆☆☆
  • 天空感
    ★★★★☆
  • 潮風感
    ★☆☆☆☆
  • 爽快感
    ★★★★★
  • 根性感
    ★☆☆☆☆
  • 開放感
    ★★★★☆

広大な展望と長大な爽快路へ
ライダーの聖地。関東の北海道!

群馬県は“関東最大の秘境”とも呼ばれており、絶景や展望ロードが点在する。

もちろん、一部でウワサされているような“関越道の群馬県内は未舗装…”何て事は全くない。
むしろ赤城山麓の前橋市や渋川市一帯は広大な市街地。地域柄クルマ社会のため、平日・休日問わず通勤渋滞や行楽渋滞が凄まじい。
恐らく首都圏周辺ライダー達の中には“走り”を堪能するツーリングエリアと捉えていない方もいるだろう。
しかし、赤城山麓にはとんでもない絶景ロードが隠されているのだ。それがこの赤城西麓・南麓広域農道なのだ。


全体的に道幅が広く、直進の多いルートで構成されているため快適に走ることができるのも特徴。
カーブも緩めで初心者でも比較的安全にワインディング走行が楽しめる。

ツーリングルートはシンプル

ルートは極めてシンプル。赤城山の西麓に沿って山麓を半周する様相だ。
総延は計約45km。距離的なボリュームも十分で走り応えは抜群だ。
またその魅力の一つが流れの良さ。信号が少なく快走区間が長いのだ。
眼下の市街地や国道バイパスといった渋滞道路とは全く対照的だ。
線形は中高速コーナー中心の構成で全線幅広2車線路。
山裾をトラバースしており、シーンに応じダイナミックなアップダウンが楽しめる。


豪快な複数のアップダウンも連続。丘陵地帯に似たダイナミックな雰囲気も楽しめる。
信号が少なく非常に快走できるルートだ。

まさにバイクで行かなければ勿体ない!とまで言える良道と言えるだろう。
そしてその風景が特に素晴らしい。市街地との2~300mの標高差を一望できるパノラマ展望のロケーションが随所に広がるのだ。


主に赤城山山麓をトラバースする様相。市街地とは200m前後の標高差があり、展望に優れた素晴らしいパノラマ風景を楽しむ事ができる。

景色はまるで関東のプチ北海道

また、高原上の広大な畑はモザイク状に広がっている。
沿線には牧場や草原も点在しており、関東のプチ北海道とも言える独特の光景なのだ。
知名度的には若干マイナーで雑誌等に取り上げられる事も多くはないが、関越自動車道からのアクセスも良くバイクと共に楽しめる関東屈指の絶景ロード。
その走り応えと併せても国内屈指と呼んで過言はないのだ。
当然、地元ライダーの聖地と化しており、休日はヤエーの飛び交うツーリングロードとなっている。
首都圏より2時間の場所に隠された驚くべき穴場的ルートなのである。


沿線には畑や牧場といった景色が広がり眺めが良い。開放的な雰囲気を感じる事ができるのも特徴的だ。
その様相はプチ北海道。関東地方とは思えない雄大な光景を存分に楽しもう。

この広域農道も含め、赤城山麓は関東の北海道とも言える壮大な風景が特徴だ。
広域農道以外の支線沿線にも酪農や畑作地帯が広がり、富良野や美瑛を彷彿させるパッチワーク状の丘陵風景も楽しめる。
しかし、枝道にはダートも多く闇雲な侵入は控えた方が吉だろう。
また地域・路線の歴史が非常に古く、広域農道以外は意外と旧線形で街路が複雑な事にも注意が必要だ。
そして、季節によっては北関東が故に凍結が少々心配な地域ではあるが、積雪地ではなく日中の日帰りツーリングならば比較的凍結リスクは低めだ。
とは言え、標高は約550m前後。決して高地ではないが、早朝や夕暮れ時の油断は禁物。気温に注意しつつ慎重なライデイングが必要だろう。
しかし冬期は空気も澄み、対岸の榛名山や白銀の谷川岳もくっきりと遠望できる関東屈指の展望絶景ゾーンだ。
穴場ながら感動的な絶景ツーリングが楽しめる事に間違い無い。

ツーリングスポット


関東最大のメガソーラー施設、沿線の穴場絶景ポイントだ。
施設敷地内の丘上からは谷川岳まで見通す大パノラマが広がる。異空間的な風景は見応え抜群!
いちご昭和村生越ECO発電所“展望の丘”
群馬県利根郡昭和村生越・貝野瀬地区 見学自由・無料

周辺には名湯も点在。滝沢温泉は明治時代創業の歴史深い温泉地。
二酸化炭素と鉄分を含む特徴的な濁り湯が魅力だ。
露天は加温・循環併用ながら、素晴らしい源泉浴槽も併設。新鮮な源泉が豊富に掛け流されている。
滝沢温泉 滝沢館
群馬県前橋市粕川町室沢滝沢241 TEL:027-283-5711
2食付9000円~(2名1室10,000円~)/日帰り入浴10:30~15:00 630円 カルシウム・ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩冷鉱泉 泉温24.5℃ 60l/分湧出 露天:加温循環かけ流し併用 ※源泉完全かけ流し浴槽有

マップ

  • 36.540904, 139.046747
  • 11
  • 17
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大きい地図はこちら

  • in-out
  • ビューポイント
  • スポット(レストラン、道の駅、温泉、etc.)

ロードデータ

交通量

観光車両も少なく、地元車両も含め全体的に少な目ながら、通勤時間帯は裏道として利用されており、時間帯・路線によっては軽く渋滞する場合もある。とは言え、流れは十分良い。

路面

全線完全2車線の爽快ルートだ。しかし路肩は全体的に狭く、駐車は非常に危険。
また、あくまで農道のため、農耕車両の優先通行に配慮しよう。速度過剰になりがちなため十分に注意!

筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。