勝手に指標

  • 秘境感
    ★★★★☆
  • 天空感
    ★★☆☆☆
  • 潮風感
    ★☆☆☆☆
  • 爽快感
    ★★★☆☆
  • 根性感
    ★★★★☆
  • 開放感
    ★★☆☆☆

この山景色こそ日本の原風景
四季を魅せる関東の奥座敷

 “茨城県は北関東か南東北か?”的な話題はたまにあるが、もちろん茨城県はれっきとした関東地方の一員である。しかし、今回のフィールドである奥久慈は、もはや南東北と呼んでも差し支えない、大自然と山岳展望を楽しめるエリアなのだ。その上、首都圏より2時間程度とアクセスも抜群。定番スポットを継いで走る周遊ルートが、奥久慈絶景ロードを楽しむ定番ルートと言えるだろう。“日本屈指!”という程の大インパクトな絶景ロードは少ないが、変化に富んだ小感動をいくつも楽しめるスパイシーな絶景ロードを楽しむ事ができるのだ。
枝道・間道を含めば無数にルート構築可能だが、やはり太平洋と内陸部を繋ぐ国道461号線がメインとなる。このルートは、正直展望や大パノラマは期待できないが、交通量は少ない上、信号も控えめな快走ロード。里山麓や山村を継ぎ、谷合を縫って走る林間ルートだ。完全2車線の上、路面も上々。タイトコーナー控えめの適度な連続カーブはバイク旅にとって最高の御馳走だ。そして、春と秋は特別な絶景があちこあちに。そう、春は無数の山桜、秋は見事な紅葉がライディングしながら楽しめるのだ。日本の原風景を感じる景色と季節の彩り。“絶景”とは展望やパノラマだけではない事を十分に実感できる爽快な道なのである。
また、この国道461号線は定番の観光スポットも複数継いでおり、観光を兼ねて走るのもお勧めだ。中でも花貫渓谷や竜神大吊橋・袋田の滝は有名どころだろう。奥久慈と言われてもピンとこないかもしれないが、観光スポットでわかる方も多いかもしれない。
そして、もう一本。少々穴場ながら外せないルートが奥久慈パノラマラインだ。これは正式名称“奥久慈林業地帯林道 袋田・男体・湯沢線”と呼ばれる林道だ。ご安心あれ。道路区分的には林道ながら全線完全舗装で大型ツアラーでも全く問題ない。ただ、部分的に路面が苔蒸していたり、ほぼ全線1.5車線の狭路。“パノラマライン”の名称ながら、ほぼ初見殺しの酷道だ。しかし、部分的ながら大展望を望めるダイナミックな風景を楽しめる上、桜や紅葉を存分に楽しめる絶景ルート。夏季のハイシーズンにはハイカーも多く、意外と交通量もあるため対向車には要注意だが、関東地方の奥座敷を名乗るに相応しい日本の原風景的光景を存分に楽しめる。
季節の旬はまさに今!陽光と共に、関東地方で楽しめる南東北旅へ行ってみよう!

奥久慈周遊のハイライトの一つが奥久慈パノラマライン。全長約15km、タイトコーナーの続く林道だが、絶景ポイントも点在。春と秋は見事な山景色を堪能できる。

奥久慈パノラマラインはほぼ酷道。しかし、全線舗装されており、大型バイクでも安心。一部荒れた部分もあるが、場所によっては展望も望める絶景ロードだ。

全長375mの竜神大吊橋は国内3位の長さを誇る歩行者専用橋。高低差100mの橋上からは国内最大級の落差を誇るバンジージャンプも楽しめる。

茨城県の定番と言えば筑波山。こちらも絶景ポイントとしては定番のスポット。奥久慈は首都圏より約2時間。筑波山と同時にルートに組む事も可能なアクセスの良さが嬉しい。

氷瀑で有名な上、日本三大名瀑とも呼ばれている袋田の滝。300円の入場料を支払い、観瀑台より見学する観光名所ながら、一度は訪れたい絶景スポットの一つでもある。

マップ

  • 36.695855, 140.420739
  • 15
  • 17
  • 5
  • 36.695606, 140.423250

    奥久慈周遊~国道461号線・奥久慈パノラマライン~

  • 36.69552, 140.41900

    つつじヶ丘展望台

大きい地図はこちら

  • in-out
  • ビューポイント
  • スポット(レストラン、道の駅、温泉、etc.)

ロードデータ

交通量

全体的に山間・里山麓を抜ける快走ルートで交通量は少い。観光スポット界隈にて多少の混雑はあるものの、休日でも目立った渋滞が発生する事は珍しく、爽快な走りを楽しめる。

路面

良く整備された2車線路が基本。初心者でも安心して走行可能だ。しかし、奥久慈パノラマラインは路面に苔蒸す、ザ・酷道だ。趣はある旅路だが決して侮るなかれ!

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筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。