勝手に指標

  • 秘境感
    ★★★☆☆
  • 天空感
    ★★★★☆
  • 潮風感
    ★★★★★
  • 爽快感
    ★★★★★
  • 根性感
    ★★★☆☆
  • 開放感
    ★★★★☆

全ての感動要素が凝縮した王道
日本が誇る絶景ロードの代表格!

箱根山周辺は、関東ライダーにとって聖地とも言える絶好のツーリングルート。バイクに乗ってまず行くならココ!…という程、あまりにも有名なスポットだ。また、年始の箱根駅伝でも知られており、全国トップクラスの知名度を誇る。しかし、景色・ルート・雰囲気、どれを取っても素晴らしいの一言。やはり定番には定番の理由があるのだ。
 この箱根山岳ルートは現在でこそ、絶景&爽快ツーリングロードとして名を馳せているが、近代までは九十九折れの険しい道が続く難所だったのだ。昭和期においてさえ、自動車設計の基準として、箱根山を無事に越せる事が命題の一つでもあった。沿線には待避所や注意看板も残されており、この道がいかに厳しいルートだったかを偲ぶ道路遺構も点在している。エンジン・ブレーキ共に高性能化された現代のマシンにとっては、この悩みは過去のものとなったが、道路線形は昭和期のままの区間が多く、複合コーナーの連続する典型的な山岳ワインディングルートだ。そのため、バイクにとって格好のツーリングルートとなっている反面、事故多発路線でもあり、細心の注意が必要なテクニカルルートでもあるのだ。
 箱根山周遊で最も抑えておきたいルートはやはり芦ノ湖スカイライン。箱根ターンパイク若しくは国道1号線を組み込む事で、箱根外輪山を一周できる展望絶景ルートを堪能できるのだ。そこはまさに天空世界。広大な富士の裾野を一望できる飛翔感抜群の光景が広がる。そして、正面には富士の雄姿が。この風景は余りにも圧倒的。絶景という文言はまさにこの景色のためにある言葉と言っても過言でない。確かに大定番の観光ルートではあるが、この風景は何回堪能しても飽きる事はない。これが定番の所以たるパワーなのだ。ただし、残念な事に、自動車専用道路であるため125㏄以下は通行禁止。箱根髄一の絶景スポットである大観山へは原付でも行けるが、この絶景を存分に楽しむには通航制限の都合上、軽二輪クラス以上がお勧めだろう。
 最もハイライトである芦ノ湖スカイラインは総延約10kmの山岳ワインディングだ。前述のように、そこはまさに天空世界。しかし、外輪山外側斜面にそったトラバースルートのため、芦ノ湖の展望は望めない事に注意。芦ノ湖の展望を望むならば、湖北側の湖畔ルートか、大観山からの展望が最もお勧めだろう。だが、湖の展望はあまり問題でない。芦ノ湖スカイラインの標高は約980m。つまり、標高差約1000mもの大パノラマが随所で楽しめるのだ。感激必至!一生に一度は訪れるべき絶景ロードの筆頭格である。しかし、標高は約1000m。下界とは約6℃の気温差があるため、時期と気温を十分に留意し、入念な防寒対策を用意しておこう。また、時期・時間帯によっては凍結の可能性もある。実際に転倒事故も発生しており、事前の十分な天候確認が必須なルートである事にも要注意だ。
 大定番ながら、バイクツーリングでの感動要素が全て詰まった屈指の道。日本が誇るトップクラスの絶景ロード。未体験の方は、この連休にぜひ走ってみてはいかがだろう?


周辺の峠ルートからは富士一望の絶景が比較的手軽に楽しめる。足柄峠からの富士山展望も素晴らしい。箱根峠周遊と組み合わせて楽しむのも良いだろう。

概ね、外輪山外側をトラバースするルートのため、芦ノ湖を含むカルデラ内側の展望は開けない。しかし、高規格に整備されており、走り応えは抜群!10kmが一瞬だ。

日本三大関所の一つでもある箱根の関所。現在は観光地化されているが、東海道の要所として重要視されてきた歴史背景をリアルに体験できる施設。中々楽しめるぞ。

箱根山は伊豆への入口。ここより尾根を継いで走る伊豆スカイラインも屈指の絶景ロードだ。十国峠のレストハウスより運行されているケーブルカーよりの展望も感激モノだ。

芦ノ湖スカイライン髄一の絶景スポットが杓子峠。狭い展望所ながら富士山が最も美しく見えるスポットの一つ。通過してしまいがちだが、絶対に寄ってみよう。

芦ノ湖スカイラインの隠れた名物がレストランフジビューの富士箱根・芦ノ湖カレーだ。ダム湖ではないが、何と日本ダムカレー協会に認定されている程の作り込み!必見!

マップ

  • 35.239349, 138.978126
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    箱根外輪山峠道~箱根山周遊ロード~

大きい地図はこちら

  • in-out
  • ビューポイント
  • スポット(レストラン、道の駅、温泉、etc.)

ロードデータ

交通量

首都圏定番の観光地の上、周囲全てが絶景。休日はマイカー・ライダー含め非常に多い。渋滞は少ないがバイクの事故も頻発しており、注意深いライディングを心掛けて頂きたい。

路面

全域が完全舗装2車線路だが、旧街道ルートは道幅の狭い区間も点在しており要注意。気温変化が激しく、初春や晩秋の早朝は凍結に要注意だ。

筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。