勝手に指標

  • 秘境感
    ★☆☆☆☆
  • 天空感
    ★☆☆☆☆
  • 潮風感
    ★★★★★
  • 爽快感
    ★★★★☆
  • 根性感
    ★☆☆☆☆
  • 開放感
    ★★★☆☆

紺碧の日本海が旅の相棒
海岸トレースの潮風道へ

京都府北部の日本海沿岸、特に丹後半島一帯は、透明度の高い蒼い海が一番の見どころ。そのアクアブルーの海を存分に楽しめるのが国道178号線、通称“丹後半島周遊道路”だ。 
丹後半島は“半島”ながら、目立って突出している訳ではない為、範囲の尺が比較的曖昧。とは言え一般的には、久美浜湾~天橋立間の海岸沿い、約90km前後が総延長と言えるだろう。意外と長大でボリューム感のあるルートの為、走り応えや旅感も十分。近隣のライダーのみならず、関西圏のライダー定番のツーリングスポットでもあるのだ。
 全線高規格に整備された2車線道路で、走り応えも抜群。沿線風景も海岸風景のみならず、棚田や岩礁直上のトラバース等、風景変化に大変富んでおり、まさに“絶景ロードの詰め合わせ”といった様相だ。しかし、何と言ってもハイライトシーンは、その見事なまでに澄んだ日本海の美しい海風景だろう。
内海に面した半島東側は、海岸間近を走っており海面が目前!普段見る都会港湾の色からは想像もつかない位ほど美しい水面が広がっている。海底まで見渡せるアクアブルー。沖縄や離島でしかお目にかかれないような憧れの風景を、バイクに乗ったまま堪能できるという垂涎の絶景が広がっているのだ。近隣には観光名所である“伊根の舟屋地区”もあり、観光車両は比較的多い区間だが、この色を見るだけで旅情緒は抜群だ。
ハイライトシーンは“海の色”である事は間違いないが、この周遊道路はその他にも素晴らしい風景が満載だ。半島北東部は里山を縫って走る日本の原風景的シーン。北部は断崖上のワインディング。北西部は棚田と紺碧のコラボと、風景変化が大変豊か。総延長は約90kmと決して短いルートではないが、展望台や観光スポットも点在しており飽く事のない旅路を楽しめるだろう。ただし、海岸沿い沿線のランチスポットは意外と限られており、計画的なタイムスケジュールと早めの到着を心掛けておかないと、恐怖の昼飯渋滞に巻き込まれる事になる為、要注意だ。また、一般的な観光雑誌では、丹後半島と言えば琴弾浜の“鳴き砂”が有名だろうが、鳴き砂を体験できる穴場な浜は意外と多く、あえて観光客の群れに突入する必要はない。むしろ、鳴き砂を求めて穴場の絶景浜辺巡りをするのも楽しみの一つだろう。
比較的有名ながら意外と穴場も盛り沢山の丹後半島。休日の交通量は確かに多めながら、爽快に走りを楽しむ事は十分に可能。この絶景に会いに遠方より泊りがけでも走りに行きたい絶好の旅スポットである事は間違いない。

半島北西部のルートは、海岸より若干距離はあれど、アップダウンの連続するダイナミックな線形が特徴的。能登半島北部にも似た、日本の原風景を想わせる幻想的な光景を楽しめる。
半島北部屈指の絶景が袖志の棚田。界隈の道路上より棚田と海の極上コラボが堪能できる、丹後半島絶景の筆頭格とも言える極上ロード。交通量も少な目で爽快感抜群!

久美浜湾を周遊できる約15kmの久美浜ブルーラインもプチ絶景ロードとしてお勧め。ほぼ沿線とも言える小天橋は、果てしなく続く白砂が見事!一部では鳴き砂も体験可能だ。

天橋立は丹後半島東部に位置する京都府のNo1の観光地。日本三景に数えられる全長3.6kmの湾口砂州で、バイクでの通行も可能。天橋立傘松公園から遠望するのが最もお勧めだ。

船舶収納庫の上に住居を備えた特徴的な建物が密集する漁村集落。映画等にも度々登場しており馴染みの深い観光地だろう。観光客は多いが一度は行っておきたい日本の原風景だ。

半島西海岸は幻想的な夕陽を堪能できる地域としても有名。特に網野漁港へ落ちる夕陽は写真目的のファンも訪れる穴場的絶景だ。隣接する浅茂川浜も黄昏時は大変美しい。

マップ

  • 35.616766, 135.236081
  • 13
  • 17
  • 5
  •     

  • 35.616766, 135.236081

    丹後半島周遊道路~国道178号線~

  • 35.586688, 135.196119

    天橋立傘松公園

大きい地図はこちら

  • in-out
  • ビューポイント
  • スポット(レストラン、道の駅、温泉、etc.)

ロードデータ

交通量

集落間を連絡する生活道路の為、朝夕の交通量は比較的多い。しかし、基本的に観光車両は少な目で快適な走行が可能。特に半島北部は、変化に富んだ風景と共に爽快感抜群だ。

路面

基本的に高規格に整備された幅広2車線。北部の一部は幅狭2車線区間もあるが舗装状態は良く、むしろワインディングが楽しい路線。落石も少なく初心者でも安心して走れる。

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筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。