勝手に指標

  • 秘境感
    ★★★★☆
  • 天空感
    ★☆☆☆☆
  • 潮風感
    ★☆☆☆☆
  • 爽快感
    ★★★☆☆
  • 根性感
    ★★★☆☆
  • 開放感
    ★★☆☆☆

走って楽しむ国内屈指の絶景周遊
絶景を目指し、絶景ロードを往く

耶馬渓は大分県内陸部に位置する、九州屈指の観光ポイントだ。特に見事な渓谷美が楽しめる事で有名で、その見応えは国内屈指と言っても過言でない。日本三大奇勝の一つにも数えられており、古来より多くの人々に親しまれてきた場所でもある。その、風雨が浸食した台地の特徴的な景観は、大正5年に日本新三景として、平成29年には日本遺産にも認定されており、国内定番の絶景スポットとして知名度を誇っている。
しかし、耶馬渓周遊は少々複雑だ。特徴的な絶景ポイントが複数点在しており、象徴的な観光エリアも数か所に分かれている。大きく分類しても、深耶馬渓・裏耶馬渓・奥耶馬渓と3エリアに区分されており、細かく見れば“耶馬十渓”と呼ばれる程、細分化されているのだ。つまり、各エリアを巡り、ポイントを押さえた観光をする為には“周遊”する必要があるのだ。もちろん整備された山間路とは言え、中速コーナーの連続するワインディングが続く。まさに走りながら楽しむ観光エリアとも言えるだろう。つまり、バイクが喜ぶ御馳走ルートなのだ。絶景を目指し、絶景ロードを往く。バイクで訪れると単なる“絶景ロード”とは一味違う楽しみ方があるのも、耶馬渓の特徴だろう。
耶馬渓のハイシーズンは、一般的には紅葉で彩られる晩秋というのが定説だ。しかし、深緑の美しい夏も穴場な季節なのだ。その理由は気温と清涼感。もちろん、南国九州。真夏は普通に暑い。しかし、耶馬渓路は渓谷沿いの深緑に囲まれ、木々のトンネルを楽しめる区間も非常に多く、猛烈な太陽光線を避けたツーリングが楽しめる。渓谷美を楽しむと共に、清涼感に溢れた“避暑ツーリング”の人気エリアでもあるのだ。
耶馬渓ツーリングでメインとなるルートは、エリアを南北に縦断しつつ奥耶馬渓へアクセスする県道28号線だ。またそのルートより分岐し、裏耶馬渓・奥耶馬渓へアクセスするメイプルファームロード耶馬も忘れてはいけない。特にこのルートは短いながら、秘境感溢れるお勧めの絶景ロード。紅葉時は特に素晴らしいが、小気味良い良線形ロードと清涼感溢れる木々のトンネルは、この時期だからこそ走りたいバイクロードだと言える。
だが、このエリアは国内屈指の景勝地。やはりハイシーズンの休日は駐車場待ちの渋滞が発生する程の盛況振りだ。奇岩景勝地を観光するなら、午前中しかも少し早めに訪れるのが吉。しかし、菊池寛の短編小説“恩讐の彼方に”の舞台にもなった場所も実在しており、見応えも素晴らしい。阿蘇と同時に、九州ツーリングでは絶対に外せない絶景スポットだ。穴場の夏だからこそ、今年は走りに行ってみよう。

裏耶馬渓の名所“立羽田の景”。約1kmにわたり岩峰が林立する景勝地だ。一見、中国の様な特徴的な光景が人気の絶景ポイント。

本耶馬渓のDEEPスポット“古羅漢”。100m程度の岩山だが、古来よりの修行場だ。登頂ルートは大変エキサイティングながら、頂上よりの展望は素晴らしい。

古羅漢の頂上からは中国の天台山になぞらえられたと言われている。約30分程度で登頂可能。鎖場や断崖のハードルートは北側だが、南側は比較的楽なルートだ。

奥耶馬渓、魔林峡の象徴でもある念仏橋は、昭和3年竣工の石造メガネ橋。大分県は古い石造橋が大変多い。またその多くが現役な事にも驚かされる。

深耶馬渓の代表的景観でもある“ひさしもみじ”。県道28号線沿い、深耶馬渓の玄関口に位置する絶景スポット。バイクで走りながら楽しむのが最もお勧めだ。

深耶馬渓の名物は蒸したてのそばまんじゅう。街道沿いにも多数の店が軒を連ねており、蕎麦の香がルート上にまで漂ってくる。休憩がてらぜひ頂いて行こう。

マップ

  • 33.389205, 131.141396
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    耶馬渓路~大分県道28号線 森耶馬渓線他~

大きい地図はこちら

  • in-out
  • ビューポイント
  • スポット(レストラン、道の駅、温泉、etc.)

ロードデータ

交通量

国内屈指の観光地ながら、観光エリアが広域に点在しており十分に快走を楽しめる。しかし、ハイシーズン時は駐車場渋滞も頻発。バスやマイカーも多い為、十分注意しよう。

路面

山間部ながら概ね走りやすい2車線路で酷道感は少ないが、場所により狭路区間も若干ある。舗装状態は良好で大型クルーザーでも安心だろう。が、落ち葉には注意!

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筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。