勝手に指標

  • 秘境感
    ★★★☆☆
  • 天空感
    ★★★☆☆
  • 潮風感
    ★☆☆☆☆
  • 爽快感
    ★★★☆☆
  • 根性感
    ★★☆☆☆
  • 開放感
    ★★★☆☆

歴史深き古道と圧巻の展望!
懐かしき日本の原風景を走る

山中湖を見下ろす三国峠は、富士山を望む大展望が広がる関東屈指の絶景ポイント。
この絶景をバイクと絡めて楽しむ最近のトレンドが、道志道とセットでの周遊ルートなのだ。

 

 現在、キャンプ場銀座としても人気で、レジャーロードとしても有名な道志道。
しかし、この道の歴史は大変古く、鎌倉街道の脇往還として鎌倉時代には既に多くの往来があった事が記録されている。
しかし、各峠のトンネルが竣工し、自動車での往来が可能になるまでは、事実上陸の孤島的な地域であり、関東屈指の秘境地帯でもあったのだ。

 

現在は山伏トンネルの開通により国道413号線が東西に貫通。
相模原市と山中湖を一気につなぐ絶好のツーリングルートとなっている。同時に、このルートはライダーの聖地として、休日には多くのバイクが往来するルートにもなっているのだ。

 

道志道は、南北を山塊に囲まれた細い谷合の地形。道志川沿いに田園地帯が点在し、美しい日本の原風景が広がる長閑な雰囲気が特徴的だ。
大展望やパノラマは全く望めないルート。しかし、穏やかな空気に包まれた里山地帯は、どこか懐かしさを感じる優しい雰囲気だ。
そして、昭和感溢れる道路線形も農村風景に彩りを添えている。

 

また、道志道の隠れた魅力の一つが旧道巡り。

明治期に建設されたルートをトレースするように、昭和期の旧道が随所に残っているのだ。

現在の国道413号線は全線2車線に整備されており、路面状況も悪くはない。

しかし、この時期の旧街道は1.5車線の狭路酷道。90年代前後の“第一次キャンプブーム”の頃ですらこの道が現役だったのだ。

道志の秘境っぷりを現在に伝える密かな生き証人とも言える道なのである。

 

気合を入れてワインディングを走るのもバイクの魅力に違いない。

だが、道志道では“癒し”の作用か、自然とアクセルが緩んでくる。
決して派手さはない。しかし、走って感じる満足感の高さでは、関東屈指と言えるだろう。

道志道にライダー達が集う理由はこの空気感・風景にあるのかもしれない。

また、首都圏より1時間程度の好アクセスにも関わらず、ビルやコンクリートとは全く逆の原風景を楽しめるロードスポットである事も大きな要因なのだろう。

 

道志道自体は山伏峠を抜け山中湖でその終点を迎える。
しかし、ライダー達は、その少し先、パノラマ台で総仕上げを行う事となる。

目前には山中湖と富士山の大パノラマ。まさに絶景の見本と呼ぶべく感動の展望が控えているのだ。

 

この場所は絶景の定番として、非常に知られた場所。
ただ訪問するだけでは単なる絶景スポット巡りの一端に過ぎない。

 

しかし、道志道とセットで周遊する事でパノラマ台の魅力も更に引き立つ事となる。

道志道の原風景的雰囲気が女性的とすれば、このパノラマ台の風景は雄大さの際立つ男性的な光景。まさに対照的な光景だ。

 

このメリハリこそ、このルート最大の特徴。それぞれもまた良いルートながら、二つ併せる事で更なる旨味が増すのである。

 

道路とは人の歩む歴史そのもの。道が、又は人が、互いにその様相のメタファーとされるシーンや表現も数多い。道志道とパノラマ台の光景。この二つの対照こそ、その象徴と言える光景の集約なのだろう。
この道もまた、絶景ロードと呼ぶに相応しいルートと言えるに違いない。

北に道志山塊、南に丹沢山系と山地に挟まれた谷状の地形。山間地域ながら陽当たりの良い鄙びた風景が広がる。源頼朝にゆかりのある地域とも言われており、歴史探訪も面白い。

旧国道は1.5車線の狭路ながら、道志界隈の物流に革命をもたらした。一部区間は現在も生活路として現役道として残されており、実際に走行も可能だ。

山中湖と道志村を結ぶ山伏隧道は昭和28年に竣工。大正期の趣を残すピラスターが特徴的だ。現在、旧道トンネルは撮影スタジオとして利用されているが、車両での走行は不可。

道志村には源頼朝の伝説が数多く残る。試し切り石と呼ばれるこの石は、頼朝が太刀で切りつけたとの伝承が。考古学的証明は皆無ながら、浪漫深い伝承探訪もお勧めだ。

道の駅どうしはライダーの聖地。休日は多くのバイクが集結し、周辺探訪の拠点となっている。まずはここを目指してツーリングに出かけてみよう。

周辺のオススメツーリングロード

マップ

  • 35.412543, 138.909179
  • 12
  • 16
  • 5
  • 35.693882, 138.658910

    フルーツライン~東山広域農道~

  • 35.63265203925573, 138.52663375762455

    玉川温泉

大きい地図はこちら

  • in-out
  • ビューポイント
  • スポット(レストラン、道の駅、温泉、etc.)

ロードデータ

交通量

平日は比較的交通量は少ないながら、休日はレジャーにツーリングと多くの観光客が訪れる。特に休日の午前中は渋滞も発生する場合があり、十分注意して走行しよう。

路面

全線舗装の2車線路ながら、路肩の狭い区間も多い旧規格道路。路面は概ね良好ながら、荒天後は落ち葉や小落石等も珍しくないため、十分な注意が必要だ。

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筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。