甲府盆地は、首都圏界隈の定番ツーリングエリアの一つ。
都心より約120kmとお手軽な上に絶景の宝庫。そして、ファンも狂喜する素晴らしい温泉郷なのだ。

この地域は山岳に囲まれた狭い盆地。その地理的特性が故に展望感抜群の風景が随所で楽しめるのだ。
市街地からは富士山をはじめとした圧倒的な山岳風景、丘陵地からは盆地一望のパノラマ。スポットからスポットへの移動過程でも多くの絶景を楽しむ事ができる。

また、国内屈指の温泉郷でもある。石和温泉等は比較的知られた温泉だが、甲府は知られざる温泉が多数点在しているのだ。
その多くは共同浴場であり、地域の銭湯として地元で愛されているが、一部の温泉ファン以外にはあまり知られていない。

だが、そのどれもが豊富な湧出量と素晴らしい浴槽鮮度を誇っており、市街地自体が国内屈指の温泉郷と呼んで間違いない。
絶景と温泉、そして爽快ロードを楽しみたいライダーの皆様にとって外せないエリアなのだ。

山梨県のおすすめツーリングロード

フルーツライン“東山広域農道”


総延約48kmにも及ぶ屈指の絶景展望ロード。甲府盆地を囲む丘陵地帯をアップダウンと共に駆け抜ける豪快な展望道だ。
甲府盆地の東部をほぼ半周するルートレイアウトで、沿線からはほぼ全域において市街地一望の大パノラマを楽しめる。
山麓沿いに整備された果樹園を繋ぎながら延びており、最盛期には周囲は果物でいっぱい!灌木は伐採され見通しも良好だ。
市街地直近ながら、広域農道であり信号もほぼ皆無。爽快感抜群の走りを楽しめる。
近隣地域は当然、首都圏ライダー達の聖地とも言える絶景道と呼べるだろう。

東八中央農免農道“みやさか道”


フルーツラインに優るとも劣らない展望感を楽しめる、もう一つの絶景道。総延約13kmと少々短い上に、観光地を経由していないためか若干マイナーなルートだが、甲府盆地を南から北へ見渡す素晴らしいパノラマを楽しめる。
そして何と言っても一番の目玉はリニア実験線を展望しつつ、その走行シーンを間近で眺められる事。
“リニアの見える丘”からは甲府盆地の展望と共に、疾走するリニアが目前に。鉄道ファンでなくとも十二分に楽しめるポイントだろう。
ルートには未完成区間も残っているが、勝沼ICよりのアクセスも良好。笛吹市八代ふるさと公園を目標にすると迷わない。

山梨県甲府盆地の特選ツーリングスポット10選

甲府ツーリングデジタルガイド

甲府盆地のツーリングスポットを表示するデジタルガイドを公開中!
記載のツーリングスポット10選はもちろん、グルメガイドや絶景スポット等も満載!

https://www.google.com/maps/d/u/0/edit?hl=ja&mid=16S6Ori35Vv1VOe7GPMLbRtl08OsVlRQ&ll=35.59617424297004%2C138.62250234570607&z=13

名前の無い展望台



山梨県山梨市万力小沢神2805
中央自動車道勝沼ICより11km/20分

フルーツラインのほぼ沿線に位置する密かな絶景ポイント。
完全に沿線ではなく富士塚通りに数十m曲がった場所に位置するため、素通りするライダーも多いが眼下に甲府盆地を一望する感動の展望が楽しめる。
夜景スポットとしても素晴らしい!看板見落とし注意!

勝沼ぶどうの丘



山梨県甲州市勝沼町菱山5093
中央自動車道勝沼ICより4km/10分

甲府盆地を東から西へ見渡す絶景ポイント。
展望スポットとしては比較的有名で観光客も多いが、間道からは展望台より素晴らしい風景が楽しめる。
食事処・売店・温泉施設等が併設されており、マスツーリングの目的地としてもベストだろう。ICからも近くアクセスも良好だ。

甲府城



山梨県甲府市丸の内1-5-4
中央自動車道甲府昭和ICより4.5km/10分

甲府、いわゆる甲斐国と言えば武田信玄が有名だが、この甲府城は後の徳川家康が築城主として建造した城郭だ。
JR甲府駅の目前、市街地の中心部に位置しているが、天守台付近からは甲府市街一望の展望を楽しめる。駐車場がないため、近隣の有料駐車場に停める必要がある。

甲府ワインポート



山梨県甲府市桜井町47
中央自動車道一宮御坂ICより7.9km/15分

山梨県は日本のワイン生産発祥地とされており、実に約100社ものワイナリーが集積。国内1位の数を誇っている。
そんな中でもこのワイナリーは日本で最も早い新種“ヌーヌーボー”を生産している。
比較的小規模ながらその味を求める全国なファンは多い。地ワインをぜひ購入してみよう。

オリンピック通り



山梨県甲府市中央1丁目
中央自動車道甲府昭和ICより16km/24分

甲府市中央界隈には、スナックや居酒屋が混在する昭和感抜群の横丁が現在も残っている。その一つがこのオリンピック通り。
日中はほぼ廃墟の様相だが、夜になると煌びやかなネオン街と化す。
昭和感抜群の雰囲気と活気。居酒屋クローリングするには最高の場所だ。ナイトスポットも多数あるぞ。

山梨岡神社



山梨県笛吹市春日居町鎮目1696
中央自動車道一宮御坂ICより6.5km/13分

200年頃に創建されたと伝承される非常に歴史ある神社だ。本殿は室町時代建造で国定重文に指定。
300年代頃に麓のヤマナシの群生林を切り開いて造営された事から命名された神社で“山梨県”の名称の由来地と言われている。
観光客は少ないが山梨県のルーツとも言えるスポットだ。

ずんちゃんパン店



山梨県甲府市上石田2-9-7
中央自動車道甲府昭和ICより3.1km/10分

市街地の中心部、住宅街に位置する地域密着のパン店だ。
昭和38年創業以来のレトロな外観とボリューミーなパンで県外のファンも多い穴場なスポット。
特にお勧めは調理パン系。コッペパンに挟んだ惣菜はどれもBIG!弁当としてもお勧めだ。密かにクッキー系も美味いのだ。

ひさご食堂



山梨県笛吹市御坂町下野原1192
中央自動車道一宮御坂ICより3.5km/7分

山梨県の伝統的郷土料理の一つがほうとう。このほうとうを手軽に頂く事を目的に、笛吹市が新名物として開発したのが“ラーほー”だ。
ラーメンスープで頂くほうとうだが、これが実に相性抜群!コシの強い麺がスープの美味さを更に引きたてる。執筆時の2024年12月現在では市内22店舗で頂けるぞ。

新遊亀温泉



山梨県甲府市太田町11-5
中央自動車道甲府昭和ICより4.4km/12分

甲府市街は知られざる温泉郷だ。市街地の源泉数は数十以上を誇り、湧出量も膨大。
執筆時の2024年12月現在、共同浴場として入浴可能な温泉銭湯も多く恰好の湯巡りスポットなのだ。
この新遊亀温泉もその一つ。創業は昭和29年で昭和感抜群!投入量膨大!鮮度抜群!番台も趣深い。甲府の裏名所なのだ。

ほったらかし温泉



山梨県山梨市矢坪1669-18
中央自動車道一宮御坂ICより12.4km/25分

笛吹川フルーツ公園の更に上。甲府盆地を一望する高台にある人気の温泉だ。
大展望と共に楽しむ自然そのままにかけ流した露天風呂が目玉。富士山の山頂を遠望する感激のロケーションだ。
4時~6時頃からオープンするため、御来光も楽しめる。観光客は多いが一度は行っておきたい。

筆者プロフィール

神田 英俊

内外出版社発行、隔月刊ツーリング雑誌“MOTOツーリング”誌のコンセプター兼編集長。“旅人による旅人の為の雑誌”を基本コンセプトに、全国のDEEPな旅ネタを更に深く掘り下げて取材・掲載している。個人的なバイク趣向はオフロード。季節を問わず、主にキャンプを基軸とした旅が中心。冬季北海道ツーリングの常連でもある。バイクと共に温泉もこよなく愛しており、温泉ソムリエの資格を持つ秘湯巡礼ライダーでもある。