バイクの名義変更はどうやる?必要書類や手順を排気量別に解説!
公開日:2023.07.17 / 最終更新日:2023.07.17
バイクを他者から譲り受けた時、中古車として購入した時、ローンの支払いが終わった時などに必要なのがバイクの名義変更手続きです。
排気量によって、役所や運輸支局(運輸局・陸運局)など手続きする場所が変わりますし、用意しなければいけない書類も多く少し面倒に感じるかもしれません。
委任状を用意すれば代理人でも手続きできますが、自分でやりたいという方に向けて、必要な書類とやり方、手順について、排気量別に説明します。
原付バイク(125cc以下)の名義変更
原付一種・二種の場合は、運輸支局などではなく市区町村の役場で手続きを行うこと、名義変更手続きの前に廃車手続きが必要になることの2点が他の排気量区分との大きな違いです。
原付バイクの名義変更手続きを行う場所
原付一種(50cc以下)も原付二種(50cc超~125cc)も、名義変更は各市町村の役所で行います。
担当する課や必要な書類、持参すべきものについては、役所の公式ホームページや電話により、行く前に確認しておきましょう。
原付バイクの名義変更手続きの費用
一般的に、原付バイクの場合は、名義変更手続きに費用は必要ありません。
原付バイクの名義変更のやり方・手順
原付バイクの名義変更について、やり方と手順を説明します。
ここでは、もともとの持ち主を前所有者、新たな持ち主を新所有者とします。
前所有者が原付バイクの廃車手続きをしたのち、新所有者が名義変更の手続きをするという流れになります。
1.前所有者が、譲渡予定の原付バイクを廃車する
原付バイクは名義変更手続きの前に廃車手続きが必要です。
前所有者が住所登録を行っている役所に行き、廃車手続きをしてナンバープレートを返納し「廃車証明書」を発行してもらいます。
その際、役所の窓口で原付バイクを譲渡することを伝えて「譲渡証明書」も受け取ります。
廃車証明書の書式は市区町村により異なりますが、廃車証明書に譲渡証明書の欄が記載されている場合もあります。
なお、譲渡証明書はコチラ(国土交通省)からダウンロードすることもできます。
・登録証(標識交付証明書)
※紛失の場合は、届出役所での再交付や自賠責保険証書でも代用可
・前所有者の身分証明書
・前所有者の印鑑(認印可)
・廃車申告書
※役所にありますが、事前にホームページからダウンロードできる自治体もあります
2.前所有者が新所有者に書類を渡す
手続きが完了したら、前所有者が、役所で発行された「廃車証明書」と「譲渡証明書」を新所有者に渡します。
3.新所有者が、役所に書類を持っていき名義変更手続きをする
新所有者は、前所有者から渡された書類を持って、住民登録を行っている市区町村の窓口で名義変更の手続きを行います。
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・譲渡証明書(前所有者の署名・捺印あり)
・新所有者の身分証明書
・新所有者の印鑑(認印可)
・軽自動車税申告(報告)書 兼 標識交付申請書
※役所にありますが、事前にホームページからダウンロードできる自治体もあります
4.新所有者に、新しいナンバープレートと登録証(標識交付証明書)が交付される
提出書類に不備がなければ、新しいナンバープレートと登録証(標識交付証明書)が交付され、名義変更が完了します。
原付バイクを同じ市内の人へ名義変更する場合
同じ市区町村内に住む人に名義変更する場合は、自治体によっては前所有者の廃車手続きと新所有者の名義変更手続きを同時に行うことができます。
前所有者と新所有者のどちらが手続きを行うかによって必要な書類が変わりますが、念のため役所の窓口に事前に確認しておきましょう。
新所有者が手続きを行う場合の必要書類
・ナンバープレート
・前所有者の登録証(標識交付証明書)
・譲渡証明書(前所有者の署名・捺印あり)
・新所有者の身分証明書
前所有者が手続きを行う場合の必要書類
上記の4つに加えて、以下が必要となります。
・新所有者からの委任状
残っている自賠責保険を引き継ぐ場合
自賠責保険を新所有者に引き継ぐこともできます。
その場合は保険会社に名義変更をお願いしますが、前所有者と新所有者双方が押印した書類など以下のものが必要です
前所有者が手続きを行う場合の必要書類
・自賠責保険承認請求書(前所有者・新所有者双方が押印したもの)
・自賠責保険証明書
・新所有者名義の標識交付証明書のコピー
・譲渡意思の確認書類
※前所有者の印鑑証明書や本人確認書類(免許証など)のコピー
ただし、自賠責保険の名義変更をしないまま事故を起こしても、新所有者は補償を受けられますし、罰則もありません。
車両と保険が紐づけられていれば、契約者以外が運転して事故を起こしても補償されるので、その点は安心です。
軽二輪クラス(125cc超~250cc以下)の名義変更
150cc、200cc、250ccといったバイクは、道路運送車両法上は軽二輪(二輪の軽自動車)クラスに該当します。
原付バイクと同じく車検のないクラスですが、名義変更手続きは運輸支局または自動車検査登録事務所で行います。
原付バイクと違って廃車手続き(一時抹消登録)は不要です。
軽二輪クラスの名義変更手続きを行う場所
新所有者が住所登録をしている地域を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所で行います。
軽二輪クラスの名義変更手続きの費用
地域によって異なりますが、新所有者が自分で手続きを行う場合は最大でも1,000円程度です。
・軽自動車届出済証記入申請書:100円
・住民票:300円ほど(コンビニ交付だと200~250円)
・ナンバープレート代:500~600円ほど
軽二輪クラスの名義変更のやり方・手順
軽二輪クラスの名義変更についてやり方と手順を説明します。ここでは、もともとの持ち主を前所有者、新たな持ち主を新所有者とします。
なお、前所有者と新所有者が同じ運輸支局の管轄区域内(2人とも「品川」ナンバーといった場合)に住んでいる場合は、ナンバープレートを変えずに名義変更手続きだけで済ませることができます。
ただし、何らかの理由により、一度廃車手続きをする場合は、新しいナンバープレートに変更となります。
1.前所有者が、譲渡証明書を新所有者に渡す
譲渡証明書には前所有者の署名と捺印が必要です。譲渡証明書はコチラ(国土交通省)からダウンロードできます。
前所有者が廃車している場合は、軽自動車届出済証返納済確認書も渡してもらいます。
なお、自賠責保険も引き継ぐ場合は、ナンバープレートについている自賠責保険シールと自賠責保険証書、自賠責保険承認請求書(前所有者の実印の捺印あり)、印鑑証明書も渡してもらいましょう。
2.新所有者が、運輸支局または自動車検査登録事務所に書類を持っていき名義変更手続きをする
新所有者は、前所有者から渡された「譲渡証明書」などの書類を持って、新所有者が住所登録をしている地域を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所の窓口で名義変更の手続きを行います。
3.運輸支局では、まずインフォメーションや1番窓口へ
運輸支局や自動車検査登録事務所の窓口は、バイク販売店のスタッフらで常に混雑しています。
どの順番に作業を進めて、どこの建物・窓口に行ったらよいのか、かなりわかりにくいものです。
まずは、インフォメーションまたは手続きのスタート地点である1番(Aなどの場合も)窓口に相談するのがスムーズです。
たいていは、手続きの内容別にセットになっている申請書類を用意してくれます。
ナンバープレートを変更する場合
品川ナンバーから練馬ナンバーになるなど前所有者と管轄区域が変わる場合は、前所有者がつけていたナンバープレートを窓口に返納し軽自動車税申告書を受け取って必要事項に記入しておきます。
まだ自賠責保険が残っている場合は、ステッカーだけはがして持っておき、手続きの最後に新しいナンバープレートがもらえたら再度貼りつけます。
4.申請書に記入して窓口とやり取りを進める
まずは、見本を見ながら、申請書(第1号 様式 OCRシート)に鉛筆で必要事項を記入します。
その後、窓口を1→2→3(A→B→Cの場合も)と巡りながら順番に作業を進めていきます。
窓口に書類を出した後はしばらく待つ時間があります。
5.新しい軽自動車届出済証と新しいナンバープレートを受け取り完了
途中で建物を移動することもありますが、手続きに必要な時間は、窓口が混んでいて、ナンバープレートを新しくする場合でも1時間半程度でしょう。
・軽自動車届出済証(原本が必要)
※紛失等の場合は、前所有者管轄の運輸支局で再発行が必要
・軽自動車税申告書(税止め手続き ~前所有者への課税を止めます)
・新所有者の住民票(発行から3か月以内のもの。コピーでも可)
・新所有者の印鑑(認印可)
・申請書(軽二輪第1号様式)
※国土交通省HPからダウンロードできますが、窓口のものを使うのがスムーズ
・手数料納付書
※窓口にあります
<管轄外からの転入、番号変更の場合は下記も必要>
・ナンバープレートと新ナンバープレート代
・自賠責保険証明書
小型二輪クラス(250cc超)の名義変更
350cc、400cc、750cc、1000ccといった中・大型のバイクは、道路運送車両法上は小型二輪(二輪の小型自動車)クラスに該当します。
名義変更手続きは軽二輪クラスと同じく、運輸支局または自動車検査登録事務所で行います。
小型二輪には車検があるので、手続きにあたり車検証(自動車検査証)が必要です。
小型二輪クラスの名義変更手続きを行う場所
新所有者が住所登録をしている地域を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所で行います。
小型二輪クラスの名義変更手続きの費用
地域によって異なりますが、新所有者が自分で手続きを行う場合は最大でも1,000円程度です。
・住民票:300円ほど(コンビニ交付だと200~250円)
・ナンバープレート代:500~600円ほど
小型二輪クラスの名義変更のやり方・手順
小型二輪クラスの名義変更について、やり方と手順を説明します。ここでは、もともとの持ち主を前所有者、新たな持ち主を新所有者とします。
なお、前所有者と新所有者が同じ運輸支局の管轄区域内(2人とも「品川」ナンバーといった場合)に住んでいる場合は、ナンバープレートを変えずに名義変更手続きだけで済ませることができます。ただし、何らかの理由により、一度廃車手続き(一時抹消登録)をする場合は、新しいナンバープレートに変更となります。
小型二輪は車検のあるクラスなので、車検証の取扱いや譲渡車両の車検の有無がポイントです。
1.前所有者が、車検証、自賠責保険証書、ナンバープレート、譲渡証明書を新所有者に渡す
上記の書類などをバイク本体と一緒に受け取ることが一番スムーズですが、バイクが後送となっていても名義変更だけ先にしておくこともできます。名義変更をするのにバイク本体を運輸支局に持ちこむ必要はないからです。
バイクの車検が切れている場合は、名義変更をした後で同じ運輸支局内の設備で車検を通すことになりますが、仮ナンバー(臨時運行許可)を取得して自走するか、トラックなどに積んでいくか、代行業者にお願いするのがよいでしょう。
費用や手間の観点からも、車検が残っているうちに手続きを終えるのが理想です。
なお、譲渡証明書には前所有者の署名と捺印が必要です。譲渡証明書はコチラ(国土交通省)からダウンロードできます。
2.新所有者が、運輸支局または自動車検査登録事務所に書類などを持っていき名義変更手続きをする
新所有者は、前所有者から渡された書類などを持って、新所有者が住所登録をしている地域を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所の窓口で名義変更の手続きを行います。
3.運輸支局では、まずインフォメーションや1番窓口へ
軽二輪クラスでも説明しましたが、まずはインフォメーションか1番窓口に行って必要な書類や作業の流れについて教えてもらいましょう。
ナンバープレートを変更する場合
前所有者と管轄区域が変わる場合は、前所有者がつけていたナンバープレートを窓口に返納し軽自動車税申告書を受け取って必要事項に記入しておきます。
なお、車検が残っている場合は、車検ステッカーをはがして持っておき、新しいナンバープレートに再度貼りつけます。
4.申請書に記入して窓口とやり取りを進める
見本を見ながら申請書(第1号 様式 OCRシート)等に記入し窓口に提出します。チェックを受けつつ、落ち着いて順番に作業を進めましょう。
5.新しい車検証と新しいナンバープレートを受け取り完了
手続きに問題がなければ新しい車検証と新しいナンバープレートを受け取って完了です。
新しいナンバープレートに、はがしておいた車検ステッカー(検査標章)を貼ることを忘れないでください。
ステッカーが破れているなどステッカーを新しくしてほしい場合は検査標章再交付申請が必要です(有料)。
・自動車検査証(車検証)※原本が必要
※紛失等の場合は、前所有者管轄の運輸支局で再発行が必要
・軽自動車税申告書(税止め手続き ~前所有者への課税を止めます)
・新所有者の住民票(発行から3か月以内のもの。コピーでも可)
・新所有者の印鑑(認印可)
・申請書(第1号様式)
※国土交通省HPからダウンロードできますが、窓口のものを使うのがスムーズ
・手数料納付書
※窓口にあります
<管轄外からの転入、番号変更の場合は下記も必要>
・ナンバープレートと新ナンバープレート代
バイクの名義変更手続きの注意点
バイクを名義変更するということは、所有者を変更することです。
信販会社等のローンで購入した場合は、ローンを完済するまで、自分は所有者ではなく「使用者」であることも多く、完済後に自分で所有権解除の手続きをして所有者になっておかないと、いろいろと困る場面も出てきます。
バイクの所有権
126cc以上のバイクを信販会社等のローンで購入した場合、バイクの使用者は自分ですが、バイクの所有権はバイク販売店や信販会社になっていることがあります。これを「所有権留保」と言います。
名義変更をするためには、ローンを払い終えて「所有権解除の手続き」を自分で行う必要があります。
ローンを完済した時に信販会社から契約終了通知書といったものが届きますが、だからと言って自動で所有権の移行は行われませんので注意してください。
自分で解除しなければ、いつまでも所有権は自分のものにならず、バイクの所有者になれません。
ローンを完済したら所有権解除の手続きをしたいことをバイクを購入した販売店に伝えてください。販売店または信販会社(所有者)が捺印した委任状や譲渡証明書を送ってもらい、それらを持って運輸支局で名義変更の手続きをすることになります。
まだローンが残っているけど、どうしても所有権を自分に移行したいという場合は、ローンの残りを一括返済する必要があります。
なお、ローンが残っている状態(使用者のまま)でもバイクを売ったり、車検を通したりできますが、ローンが残ったままのバイクをネットオークションに出品したり個人売買で売ることはトラブルの元になるので注意してください。
ローンを完済したらすみやかに所有権解除の手続きを行いましょう。
ETCのセットアップ
所有者が変わったり、ナンバープレートが変わった場合は、車体に装着されているETC車載器を再びセットアップし直す必要があります。
これをしておかないと料金所でエラー表示が出たり、ETCゲートで開閉バーが開かないといったトラブルになります。
バイクの名義変更手続きに関するよくある質問
バイクを譲渡したのに、いつまでたっても名義変更がされないというケースがあります。特に個人売買やネットオークションではトラブルの元になっています。法律でも定められているので、速やかに名義変更手続きを行いましょう。
名義変更をしないとどうなる?
前所有者にいつまでも軽自動車税の納付書が届いてしまったり、リコールが出た際にも新所有者に通知書が届かないといったトラブルが起こります。
こうしたことはネットオークションやフリマアプリなど個人売買の大きなリスクになっています。
名義変更はいつまでに行う?
法律により、名義変更は車両を受け取ってから15日以内に行なわないと「50万円以下の罰金に処する」と定められています。また、虚偽申請をした場合も罰金を科される恐れがあります。
車検が切れているバイクは名義変更できる?
四輪・普通車の場合は車検が切れていると名義変更はできませんが、バイクの場合は車検が切れていても登録されていれば名義変更手続きは行えます。
名義変更するバイクを手続き場所へ持ち込む必要はある?
バイクの車体を持ち込む必要はありません。
前所有者(品川ナンバー)と新所有者(練馬ナンバー)の管轄区域が違う場合はナンバープレートだけを持っていき、手続きの最後に新しいナンバープレート(練馬ナンバー)を受けとってバイクに取り付けます。
前所有者が入っていた任意保険は引き継げるの?
任意保険(バイク保険)は基本的に他者には引き継げません。
しかし、加入中の保険の対象を車両入替といった手続きで新しいバイクに変更することはできます。
家族間(配偶者と親子など同居親族)でのバイク譲渡であれば、等級について引き継ぐこともできます(等級継承)。
かなりお得!バイクの名義変更を自分でやってみよう!
バイクの名義変更は、排気量によって手続きを行う場所とやり方が変わることを説明しました。
バイクの売買や譲渡に関連する内容でしたが、同時に自賠責保険やETC機器の契約内容・保証の内容にも気を配る必要があるでしょう。
バイクの譲渡や売買をする時、バイク販売店との間であれば、ETC機器の再セットアップも含めて販売店のスタッフが行って(代行して)くれるので、体験する機会は少ないかもしれません。
しかし、自分でやれば1000円くらい! 代行業者やお店にお願いするよりも費用を抑えることができます。
いろいろと勉強にもなりますので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。