普通自動車免許で乗れるのはどんなバイク?種類や特徴を解説!
公開日:2024.02.28 / 最終更新日:2024.02.28
個人がマイカーを運転するための免許「普通自動車免許」でも運転できるバイクがあります。
生活の足として人気の原付一種バイクとそのサイドカー仕様、さらに3輪自動車に準ずるトライクだと排気量に関係なく運転できます。
そして2024年2月現在、出力制限を施した原付二種バイクも運転できるようにと検討されています。
普通自動車免許で運転できるバイクの種類が少し変わろうとしているのです。
そうした最新の動きも交えて、クルマの免許で乗れるバイクについて説明します。
普通自動車免許で乗れるバイクの種類は?
バイクの運転には排気量区分(電動だと出力区分)に準じた二輪免許が必要になりますが、一部のバイクは普通自動車免許で乗ることができます。
普通自動車免許(クルマの免許)や原付免許を持っていれば50cc以下の原付一種バイクに乗ることができます。ただし、同じ“原付”バイクでも51~125ccの原付二種バイクには乗ることができません。
原付バイクの特徴と注意点
・AT(オートマ)限定普通自動車免許でもMT(マニュアル)原付バイクを運転できます
・原付一種バイクには30km/hの速度制限、3車線の交差点または指定された交差点(以下の標識)での二段階右折、二人乗りができないといった規制があります
・原付一種バイクの任意保険には、クルマで加入済みの任意保険のファミリーバイク特約が使えるので安心・安価です
・原付一種バイクの自賠責保険の保険料は二輪車の中で最も低く、維持費が安価です
定格出力が0.6kW以下の電動バイク
原動機がモーターの電動バイクでも定格出力が0.6kW以下なら原付一種に分類されるため、普通自動車免許や原付免許で運転できます。
航続距離が短く充電時間が長いためロングツーリングには向いていませんが、スーパーやコンビニへの買い物、最寄り駅までの通勤・通学などには充分な性能です。
サイドカー(側車付二輪)
カー(側車)を外してもバイク単体として走れるものがサイドカーです。
原付一種バイクにカーを装着したサイドカーなら普通自動車免許や原付免許で運転できます。
ただし、乗車定員は1名のままなのでカー側に人を乗せることはできません。
30km/h制限など道路交通法による規制も原付一種のままです。
なお、犬などのペットは荷物扱いなのでカー側に乗せることは可能です。
サイドカーの分類
排気量
(電動なら定格出力) |
50cc以下 (0.6kW以下) |
50cc超~250cc以下 (0.6kW超~1.0kW以下) |
250cc超~ (1.0kW超~) |
道路運送車両法 | 第一種原動機付自転車 | 側車付軽二輪 | 側車付自動二輪車
(側車付オートバイ) |
道路交通法
(必要な免許) |
普通自動車免許(ヘルメット必要)または
原付免許等 |
排気量または定格出力(電動の場合)に則した
バイクの免許(ヘルメット必要) |
トライク(三輪バイク)
タイヤが3つ、跨がるタイプのシート、バータイプのハンドル、運転席の横にドアがないという定義を満たしたものがトライクです。
上写真の車両だとバイクの車体にクルマの足回り(後輪部)をくっつけたようなスタイルになっています。
なお、バイクにカー(側車)を後付けしたサイドカーのような外見でもカー側のタイヤも駆動するなどカーを外したら構造上走れないものはトライクに分類されます。
上写真はロシアのメーカー、ウラル社のサイドカーですが、カー側のタイヤも駆動するためトライクに分類されます。
道路交通法上(免許上)は排気量に関わらず普通自動車免許で運転できるので、上写真のようなハーレーダビッドソンのトライクでも運転できます。
なお、トライクは道路運送車両法上(登録上)は排気量により分類されています。
トライクの分類
排気量
(電動なら定格出力) |
50cc以下 (0.6kW以下) |
50cc超~250cc以下 (0.6~1.0kW) |
250cc超~ (1.0kW超~) |
道路運送車両法 | 第一種原動機付自転車 | 側車付軽二輪 | 側車付自動二輪車
(側車付オートバイ) |
道路交通法
(必要な免許) |
普通自動車免許
(バイクではなくクルマの免許が必要。ヘルメット不要※) |
※安全上かぶるべきです。
ミニカー登録した三輪ビジネスバイク
ミニカーとは20cc超~50cc以下(電動なら0.25kW超~0.6kW以下)の原動機を持ち、左右の車輪の距離が50cmを超える三輪以上の車です。
道路運送車両法上は第一種原動機付自転車ですが、道路交通法上は普通自動車となります。
市販されている原付3輪バイクの左右後輪の距離をスペーサーを装着するなどして広げ、市区町村役場に改造申請をしてミニカー登録した車両が宅配業界等でよく使われています。
こうすることで、原付一種バイクの規制から外れ、60km/h制限、二段階右折不要、ヘルメット不要(※安全上かぶるべきです)になることがメリットですが、普通自動車扱いとなるため運転するには普通自動車免許が必要となり、原付免許では運転できないので注意が必要です。
法改正で普通自動車免許や原付免許で125ccまで乗れるようになる?
ガソリンエンジンの原付一種バイクでは排出ガス規制をクリアできないため、原付免許や普通自動車免許で「最高出力を制限した原付二種バイク」に乗れるようにしようという動きがあります。
ガソリン原付一種の新車が買えなくなる?
2025年11月、原付一種バイク(継続生産車)にも国内4次排出ガス規制(ユーロ5相当)が適用となりますが、ガソリンエンジンでは規制値をクリアできません。
排出ガスを浄化するための触媒(キャタライザー)が効果を発揮するためには本体温度が300℃を超える必要がありますが原付一種のエンジンでは温まるのに時間がかかりすぎ、有害物質のHC(炭化水素)規制値をオーバーしてしまうからです。
2025年11月以降は継続生産車の生産ができなくなるため、メーカーや市場の在庫がなくなってしまうと、ほどなくして原付一種の新車は買えなくなってしまいます。
代替車両としての「新基準原付」が運用予定
原付一種バイクはその多くが生活の足として使われている乗り物ですから、新車が買えなくなると困るという方が大勢出てしまいます。
そのために代替車両が検討されていて、現在有力なのが最高出力を原付一種相当の4kWほどに制限した100~125ccクラスのバイクを“新基準”原付として運用しようという案です。
新基準原付は排気量こそ大きいですが、あくまでも原付一種として運用されるため、道路交通法上は原付一種と同じく、30km/h制限、二段階右折、二人乗り禁止となりそうです。
原付一種バイクで慣れておくことも有効
新基準原付で不安視されている点のひとつに車格が大きくなってしまうことがあります。
原付利用者には高齢者も多いので、車重が重くなる、ハンドルが遠くなる、シートが高くなるといったことは取り回しや運転にも影響を及ぼします。
バイクは車と違って、乗り手の体格に大きく左右され、それを補うにはテクニックや慣れが求められますから、バイクに乗り慣れていないのであれば原付一種バイクから乗り始めて、新基準原付の運用後に乗り換えるという選択肢もあるでしょう。
AT小型限定普通二輪免許なら最短2日で取れる!
普通自動車免許を取得しているならAT小型限定普通二輪免許が最短2日で取ることもできます。
AT限定免許でも自動遠心クラッチ(クラッチレバーがなくペダル操作だけでシフトチェンジ可能)を採用したバイクには乗れるため、スクータースタイル以外にも人気のCT125・ハンターカブやダックス125などに乗ることができます。
原付二種のバイクなら維持費も原付一種と大して変わらず二人乗りもできます。
30km/h制限や二段階右折といった規制もないので近年とても人気のカテゴリーとなっています。
普通免許で乗れるバイクはまだまだ多い
バイクの免許は持っていないけど普通自動車免許は持っているという方なら、50ccクラスの原付バイクとそのサイドカー、トライクのほか、今後は新基準原付に対応した原付二種のバイクにも乗れるようになるかもしれません。
一度もバイクに乗ったことがなくて不安という方は、各地の交通安全協会などが開催している原付安全運転講習(受講料4000円ほど)に参加してみるのもいいでしょう。
ぜひ、エコで便利なバイクによる移動や楽しみを検討してみてください。