バイクで高速道路を走っていると、知らず知らずのうちに疲れがたまってしまう…。実はこれ、誰もが経験することなんです。小さくても効果絶大! ウインドスクリーンなどによる防風効果についてご紹介します。

1.高速道路はメリットばかりじゃない。防風対策が重要

100km先に向かおうと思えば、多くの人が高速道路の利用を考えます。時間を節約できる高速道路は長距離移動の伴うロングツーリングではとても便利なルートです。しかし、メリットばかりではありません。特に、車種によってはとても大きな負担となるのが「走行風」です。

走行風とは、車両の速度が上がることで働く空気の流れや圧力のことです。これに自然風が組み合わさり、向かい風が強ければ車両の速度にも影響し、横風が強ければ車体が振られるなど危険な状況にもなります。

わかりづらければ、自分の腕を伸ばした状態で、体を勢いよく回転させてみてください。自然風がなくても手の平に空気の圧力を感じるはずです。走行風はこれと同じです。オフロードタイプやネイキッドタイプといったカウルの無い、またはカウルが小さな車両ほど体が受ける走行風が多くなり、速度を出すほど走行風は強くなります。

強烈な走行風を胸元や腕、首、顔といった部位に受け続けると、走行風の圧力に反発しようと自然と体に力が入ります。こうして体に疲労が蓄積していき、これが関節など各部の疲れやこりにつながっていくのです。翌日に疲れを残さないためにも、走行風への対策(防風対策)はとても重要です。

●高速道路のメリット

①遠くまで速く移動できる
②時間が節約できる
③夏場は涼しい
④体力を温存できる

●高速道路のデメリット

①お金がかかる ※ETCを使えば節約可能
②冬場は寒さ(冷感)が増す
③風を受けることで疲れる
④体が動かないので肩や首、関節がこる

2.ウインドスクリーンなど防風対策を車体に施す

防風対策として手っ取り早いのは、ウインドスクリーン(ウインドシールド)を装着することです。ウインドスクリーンは用品メーカー各社から販売されています。車種ごとの専用品、あるいは汎用品といった具合です。また、すでにウインドスクリーンが装着されている車両であれば、さらにスクリーンを大きなものに交換することで防風効果をアップすることもできます。

なお、ウインドスクリーンだけでなく、ヘッドライトカウルやフロントカウル、サイドカウルなどを防風性の高いものに交換したり、カウルの防風・整流効果を高めるための各種スポイラーやディフレクターといったパーツを取り付けることでも防風対策になります。

ただし、ウインドスクリーンもカウル類も大きくするほど風の抵抗を受けることになります。風の抵抗が大きいと「最高速度が落ちる(伸びない)」「自然風に振られやすくなる」といったデメリットもあります。まったく風に当たらないようにするのではなく、首や胸元に当たる風をやわらげることが目的となります。

ここでは、世界的なウインドスクリーンのメーカーで、MotoGP車両にも採用されているMRA社(ドイツ)の汎用パーツを紹介します。MRA社は世界初のグラデーションスクリーン(スクリーンの一部にペイントを施す)、スクリーンの縁に歪みを生じさせないティアオフエッジを備えたスクリーン、スクリーンの上部にリア・フロー・スポイラーを装備したヴァリオスクリーンを開発するなどバイク用スクリーンのトップメーカーになります。日本では株式会社プロトが取り扱っています。

■DATA
品 名:MRA スクリーンセット スピードスクリーン クリア 汎用バーハンマウントキット付φ22.2/25.4
サイズ:バーハンドル径22.2mmまたは25.4mm(ミリバー、インチバーの両方に対応)、ロッドの長さ20cm ※テーパーハンドルへの装着は不可
カラー:クリア
価 格: 14,000円(税別)
素 材: 樹脂、ステンレス、アクリル 
U R L:https://www.plotonline.com/motor/mra/detail2.html?id=SET-NMK-SPS-C/
説 明:「ヴァリオツーリングネイキッド」からフラップを取り外したシンプルなデザインが魅力の「スピードスクリーン」という商品。バーハンドルに装着するためのマウンティングキット「MV-NMK」が付属します。丸目ライトのネイキッドバイクなどによく似合う汎用スクリーンです。


■DATA
品 名:MRA NewVARIOツーリング-NK/マウントベツネイキッドヨウ スモーク
※マウンティングキットは別売。バーハンドル向けのマウンティングキット(品番:MV-NMK)、またはハンドルポスト共締めタイプの品番(MV-HKSD)が必要
サイズ:幅400mm×長さ335mm 
カラー:スモーク
価 格: 20,000円(税別)
素 材:アクリル 
U R L :https://www.plotonline.com/motor/mra/detail.html?id=MVT-S
説 明:「ヴァリオツーリングネイキッド」という商品で、6段階の可変フラップを装備したヴァリオツーリングの機能はそのままに、ネイキッドバイク用とした汎用タイプのスクリーン。スクリーンの高さを抑えながらも整流効果で風の抵抗を軽減します。フラップを調整することでシチュエーションに合わせて空力をコントロールできます。

●MRA製品について
問合せ先:株式会社プロト
電 話: 0120-60-4955(月~金9~18時 ※指定休業日、祝祭日を除く)

3.レンタルバイクで体感! 電動スクリーンの凄さ!


さて、ウインドスクリーンの防風効果ですが、なかなか体験する機会がないと思います。そこでオススメしたいのがレンタルバイクの利用です。特に、電動スクリーンを装備したモデルであれば走行中でもウインドスクリーンの高さが変えられるので、その防風効果をとても実感しやすいのが特徴です。

250ccクラスで手軽に体感するのであれば、Honda「フォルツァ(消費税込メーカー希望小売価格:65万8,900円)」がオススメです。140mmの可動範囲を無段階で調整できる電動スクリーンを装備し、走行中でも高さを変えられます。30mm程度の差でも体に当たる走行風は大きく変化しますから、高速道路でスクリーンを動かしてみれば、ウインドスクリーンの防風効果がいかに大きなものかがわかると思います。ロングツーリングに出かけてみれば、翌朝の疲れは段違いですよ。

●Honda車両をレンタルできる「HondaGO BIKE RENTAL」ウェブサイト
URL:https://hondago-bikerental.jp/


今回は、ウインドスクリーンの防風効果についてお伝えしました。高速道路での疲労を軽減できればロングツーリングがまた一段と楽しみになってきます。レンタルバイクに乗ってみるなど、ぜひ一度、ウインドスクリーンの効果を体感してみてください。

◆公式SNSにて更新情報をお届け!

筆者プロフィール

田中淳磨

二輪専門誌編集長、二輪大手販売店、官公庁系コンサルティング事務所等に勤務ののち二輪業界で活動するコンサルタント。二輪車の利用環境改善や市場創造、若年層向け施策が専門で寄稿誌も多数。